表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第四話「断固粉砕! 怒れる光月の戦う理由!」
28/33

パトロール、そして再び……!

町のパトロールを続ける隼人。そんな彼の前に…!?

 仙台市武道館。都心近くにありながら、木々が辺りに植樹されており、静かな公園となっている。柔道場、剣道場などを完備しており、武道の愛好家達が集い、その技を日々磨いている。

 隼人は、その周辺をパトロールしながら思考を巡らせていた。

 ――……先生は今の俺は正義と言ってくれた。それで良いんだ。だが……

 心に去来しているのは、紅虎の言葉だった。

『貴様が掲げる正義とは何だ?』

 答えられなかった。

『貴様は己の力で他人をねじ伏せる事に価値を見出してきた人間なんだよ!』

 ぎくりとした。

 ――俺の正義って……一体何だ?

 ふと、人の足が途絶える。

「武の臭いを感じて来てみたが、今日は貴様一人か」

 聞き覚えのある声が不意に響き、隼人は咄嗟に身構える!

「この声、紅虎か!? どこだ、どこにいる!?」

「ここだ、ここにいる!」

 言いながら、紅虎が木の陰から姿を現す。隠れていた木よりも巨大な体、恐らく次元の穴から今まさに出てきた所なのだろう。

 辺りの穏やかな空気が、一転ぴりぴりと殺気立つ!

「紅虎!」

「フフフ、そう身構えるな。宿題は解いてきたか?」

 大きな体を揺らしながら笑う。そして問いかける。

「宿題だと?」

「そうだ。『正義とは何か?』。貴様の思う答えは出たのかと聞いている」

 紅虎の問い。その答えを、隼人はまだ見出す事が出来ないでいた。自分の信じてきた『正義』が、実は曖昧模糊で判然としないものであった事に驚き、戸惑い、言葉に出来ないでいたのだ。

「正義とは……」

 正義、と言う言葉を口から出した途端、隼人の脳裏に光月の顔が浮かんだ。そうだ、彼こそ正義の姿じゃないか。彼のようになればいいのだ!

「正義とは弱き人を守り、平和を築く信念だ! そして強さとは! 誰かを守る為に使ってこそ輝くものなのだ!」

 迷う事はない。悩む事はない。光月の姿こそ、正義そのものじゃないか。俺の憧れそのものじゃないか。

 しかし紅虎は隼人の回答を聞いて不適に笑う。

「何がおかしい!」

「揺らぎっぱなしじゃないか、貴様は。確固たる信念もなくその言葉を吐き、必死に取り繕おうとしている」

「そ、そんな事はない!」

「そうだろうよ! 今まで何ら信念を抱かず、他人に言われたから考え! 他人の耳障りの良い言葉で自分を騙す! 愚かな行為だ!」

 心が見透かされている。隼人は本能的に恐怖した。紅虎。ただ強いだけの男ではない……!強さを支える精神的な支柱にブレがないのだ。

「だ、黙れぇ!」

 隼人は紅虎に殴りかかる!が、動揺を隠せないその攻撃はいとも容易くかわされてしまう。

「ククク。とはいえ、お前にはまだまだ伸び代がある。俺の元に来い。絶対的な力と正義をお前にくれてやる」

 グラリと来る。自分はどうあるべきなのか、心が折れている。

 紅虎は強い。そして一切ブレない。それは、自分の憧れる姿なんじゃないか……?

 一歩、よろりと前に進む。そして進んだ自分に驚き、恥じた。己の心を奮い立たせる為に、隼人は叫んだ!

「黙れ! 俺は、俺はガドガイアーだ! その誇りを失うわけにはいかん!」

 ババッと変身ポーズを決める!

「ネイチャーコネクト!」

叫ぶと同時に手の甲にクリスタルが現れ、輝き出す!

 クリスタルの光は体を駆けめぐり、腕、肩、体、顔、足に至るまで覆い尽くす!

 光が収まり、そこに立っていたのは!

「清い心で悪を一掃! 流れ落ちる水力のエネルギー! ガイアーブルー!!」

 NPスーツに身を包んだガイアーブルーだ!

 紅虎は、少しだけ残念そうな顔をして呟く。

「そうか、お前がガドガイアーだったか。では連れて行く訳には行くまいか……戦闘員共!」

「「ウィー!」」

 どこからともなく戦闘員達が現れ、ブルーを取り囲む!

「ガドガイアーは始末せねばならない。カリメアの邪魔になるからな。やれ。」

「「ウィー!」」

 戦闘員達がブルーめがけて一斉に飛びかかる!

「くっ!?」

 心の動揺を引きずるブルーには、この数の戦闘員すら危うい!

 それでも身構えていると、

「ウィ!?」

 戦闘員の素っ頓狂な声が出る。そして後方にいた戦闘員から空に飛び始める。これは一体!?

「私の同僚を引き抜こうなど、言語道断。全く許せませんね」

 声がして、更に戦闘員達が何人も吹っ飛ばされる。この技は!

「先生!」

「間に合いましたね」

 ニコリと笑う光月。ブルーは、心底嬉しかった。揺らいでいた足下が、確固たる地盤になる。そんな感覚を確かに感じていた。

「光月か! いいぞ、お前との再戦を待ちこがれていた!」

「私は望んでなどいないのですがね。とはいえ相手はカリメア、本気で行かせてもらいます!」

 ババッと光月は変身ポーズを決める!

「ネイチャーコネクトぉ!」

叫ぶと同時に手の甲にクリスタルが現れ、輝き出す!

 クリスタルの光は体を駆けめぐり、腕、肩、体、顔、足に至るまで覆い尽くす!

 光が収まり、そこにはガイアーグリーンの立ち姿!

「正しき心で悪を吹き飛ばす! 吹き抜ける風力のエネルギー! ガイアーグリーン!」

 その様子を見ていた紅虎は驚き、そして喜んだ。

「クックック、そうか、貴様もガドガイアー! より強くなったのだな!? 良いぞ! 全力で戦おうぞ!」

「おぉう!!」

グリーンと紅虎の熱き戦いが繰り広げられる!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ