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環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第三話「絶対守護!優しきマキシムの叫び!」
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力と力!

グリーンの運命やいかに!?

「……貴様、何故生きている?」

 ストロングブルの呟きが、夕日の森の静寂を破る。

「……?」

 グリーンは、二度と開くはずのなかった目を開いた。そこに立っていたのは…

「ブラック! 生きていたんですね!!」

 見まごう事なく、それは行方不明になっていたブラックだった。

 彼は、ストロングブルが振り下ろした大木を両腕で受け止めていた。その姿勢のまま、首だけをこちらに向け、

「アァ。先生、間ニ合ッテ良カッタ」

 心底嬉しそうな声で言う。

 面白くないのはストロングブルである。始末したはずの男が蘇っている?何故?

「質問に答えろぉ!」

「俺ハ、死ナン。オ前ノヨウナ悪ガ滅ブマデ」

 力強いブラックの返事に、ストロングブルは一瞬面白くなさそうな顔をするが、

「ふん、まあいい。そこの奴よりは骨がありそうだ。……この前のような期待はずれでない事を願うぞ!!」

 言いながら大木を振りかぶり直し、今度は横凪に振るう!!

「!! マグマパワーチャージ!! アブソリュート・プロテクション!!」

 キィィィィィィィィィン!!!

 光に包まれるブラック!

 バキバキバキッ!

 周囲の木を薙ぎ倒しながらブラックに襲いかかる大木!!

「死ねぇぃ!!」

 ドン!

 ブラックの両腕と大木がぶつかった瞬間、衝撃波が走る!木は、己の強度を超える衝撃に耐えきれず、折れてしまった。

「コンナ物、効カン!」

 叫びながらストロングブルに向かって走り出すブラック!

「ウォォォォォォーー!!」

 振り上げた右の拳が、全力でストロングブルに振り下ろされる!

 バキィッ!!

 ブラックの右手がストロングブルの頬に直撃する!が、微動だにしない。

「!?」

 危険を感じ、間合いを取り直すブラック。その間ストロングブルは少しも動くことなく、殴られた状態のままで止まっていた。

 しばらく訝しんでいたブラックとグリーンだったが、やがてストロングブルは小刻みに震えだした。

「ククク……ハーーハッハッハ!! やれば出来るじゃねぇか!! おもしれぇ……おもしれぇよ! てめぇ!!」

 森中に響き渡る笑い声。そして今までにない重圧感!仕掛けてくる!

「本気で行くぜ……!」

 鼻息荒くまるでアメフトの選手の様に低く身を構えをとる。

するとブルの頭部の角がみるみるうちに大きくなっていく!?

「食らえぃ!」

 ドンッ!!

 ストロングブルが突進してくる!その踏み込みだけで凄まじい量の土砂がブルの後方へと飛んでいく!

周りの木々を薙ぎ倒しながら、その自慢の横に生える角で、ラリアットをかます!

「クラッシャー・ホーン!」

「クッ!?」

 ガシィ!!

ブラックはこれをかわさず両腕で受け止め、二人は硬直した。

「ホゥ、良く受け止められたな、だがオレにパワーで勝てるかな?」

「今度ハ……勝ツ!!」

ブラックは片腕をブルの首に回しそのまま持ち上げようとする。しかしギリギリと首を締め上げられながらも、ブルはいとも簡単にブラックを持ち上げてしまう!

そのままブンブンと首を振りまわし、力まかせにブラックを振り払う。あまりの力に思わず手を離してしまうブラック。

間合いを取り直して、再び対峙する二人。

「この俺のクラッシャーホーン止めたのは貴様が初めてだ! 面白いぞ、面白いぞ貴様!!」

心底嬉しそうな叫びを上げ、再びクラッシャーホーンの構えをとるブル。

 ……さっきは止められたが……果たして次は止められるのか!?

 実際、ブラックの体はもうズタズタだった。それを外骨格のようにアブソリュートプロテクションで守っているだけなのだ。衝撃自体はおよそ緩和できるものの、戦いなど出来る体ではなかった。

しかし状況は甘えを許さない。既に二撃目は放たれた!

「クラッシャー・ホーン!」

突進してくるブルに対し、相撲の要領で前傾に身を屈め、手を着き待ち構える。

「! ココダァ!!」

クラッシャーホーンが当たる直前、更に頭を沈め、相手の懐に入ると、次の瞬間、下から上へストロングブルのミゾオチ目がけ“ぶちかまし”をかます。

ドォン!!

綺麗にカウンターが決まり、重い体が宙に浮く。

「ガハァッ!?」

地に着いた足がふらつき後退るブル。

「ば、馬鹿な……!?」

「悔シイガパワーデハ、オマエニ勝テナイ。デモ俺ハ、硬サナラ負ケナイ……カウンターナラバパワーハ必要ナイ!」

ブラックが話しながらブルに近づく。かつて無い経験に、ストロングブルは錯乱している。

「くっ、くるな!」

思わず後ずさるストロングブル。が、後ろが崖と気付かず足を滑らし落ちる!

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 無様な悲鳴とともにストロングブルは崖下へと飲まれていった…


合流したメンバーは皆、一様に安堵の声を上げた。

「ブラック、無事だったんだな!」

「良かったよ~」

「ふん……」

 皆、本当に心配してくれていたんだなと分かる。傷ついたグリーンも立ち上がり、ブラックの肩を叩く。

「皆、心配掛ケテスマナイ……」

 申し訳なさそうに頭を下げるブラック。

無事だったのか、ブラック!そしてストロングブルを退けたぞ!

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