表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第二話「爆破5秒前!轟火、怒りの鉄拳!」
13/33

ボムマウス、最後の切り札!

追いつめられたボムマウス!しかし奴にはまだ切り札が残っていた!?

「よし!ここなら! ウォーター・スライサー!」

ブルーの技がボムマウスの足元をかすめバランスを崩したボムマウスがつんのめって転がる。

「山間部のここなら周囲の被害を気にせず戦える!爆弾魔!お前はここで倒す!」

ガドガイアー達に背を向けたままゆっくりと振り向きながらマウスが立ち上がる。

「ここまで追いつめられてしまっては仕方ない。ディオナルド様から戴いた私の真の力……思い知らせてやる!」

今までと違う構えを取るボムマウス!より警戒を強める五人!

「ネズミ爆弾さえも凌駕する絶対的な力! 見せてやろう! 絶望という名の終焉を!」

 みりみりと音を立てて軋むボムマウスの体!背中は波打ち、腕は所々太くなる!目は白目を剥き、顔つきは全く別人に変わっていく!

 あまりに異様だった。その様に、五人は黙って固唾を呑んで見守った…

「グ……グゥ……ゥウォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

 獣の咆哮が辺りを貫く!新生したボムマウスが産声を上げる。

その大音量の歓喜は、木々をざわざわと震わせ、枝葉をも吹き飛ばし、莫大な衝撃となって大気を震わせる。この世の者とは思えないおぞましい咆哮に思わず目を背け、耳を塞いでしまう!

 ……静寂。

 レッドたちを覆うように巨大な影が差す。高層ビルのような巨大サイズのボムマウスがガドガイアーを見下ろしていた。


 巨大化したボムマウスは、邪悪そのものだった。知性もない、醜悪な様相で、ただ破壊衝動だけで動く巨大な怪物。

 呆気に取られるが、レッドがいち早くみんなに声を掛ける!

「こんな事で俺たちは負けられない! アースを呼ぶぞ!」

 レッドの掛け声に、四人が頷く。そして全員が掌を天にかざして一斉に叫ぶ!!

「「アース、大・召・還!!」」

 5人の手から、光が走る!


 最初は小さな歪みだった。空中に現れた空間の歪みは徐々に大きくなり、内側から突然指が現れる!空間を握りしめ、まるでこじ開けるように歪みを広げていく!

 そうして現れた物、それは巨大な人の形をしたロボットだった!


 巨大人型ロボット『アース』の胸に輝く宝石から光が放たれ、ガドガイアー5人を照らし出す!

 すると重力から解放されたように5人の体が浮き上がり宝石に吸い込まれていく!

 アースの内部にコックピットは無く、取り込まれた5人は無重力に体をゆだねているような浮遊感に包まれる。

 心を落ち着け意識を集中すると、個々の自我を保ったまま5人の感覚がリンクしさらにアースへと繋がっていく。

 そう、アースはただのロボットではない。地球の力の結晶、地球の意志そのものが具現化したものなのだ!

「初めての実戦……か……」

 レッドが呟く。

「緊張して動かせないか?」

 ブルーが茶化す。

「あ~、ブルーったら意地悪なんだからぁ」

 オレンジが窘める。

「大丈夫ですよ、轟火君」

 グリーンが優しく声を掛ける。

「オ、俺達ガチャント支エル」

 ブラックがフォローする。

 レッドは大きく深呼吸し、叫ぶ。

「よしっ! いくぞぉ!」

 アースの両目に光が点り、巨大ボムマウスに向き直ると、戦闘体勢をとる。


「ゥガァァァッァァァァァァァ!!!」

 怪物と化したボムマウスが叫ぶ!!その衝撃は凄まじい!!

 ただの雄叫びが、衝撃波となってアースの装甲を振るわせる。

「怯むな!! 行くぞぉぉぉぉ!!」

 レッドが叫び皆で走る姿を想像する!

 すると皆のイメージ通りアースが走りだしボムマウスに殴りかかる!

 ドッッカァァァァァァァァァン!!

 顔面を殴られ、吹っ飛びかけるが踏ん張るボムマウス!一瞬ピタリと止まって、凄まじいスピードでアースに立ち向かっていく!

「クッ! 早い!!」

 ガッシィィィィィン!!

 アースの腕を掴むボムマウス!そして

 ボガァァァァァァン!!

 掴まった辺りが爆発を起こした。凄まじい衝撃が5人を襲う!

「ぐぅうぅぅ!!?」

 ボムマウスは既に間合いの外に逃げた。どうやら触れた箇所を爆発させられるようだ。

 やられた腕はどうなっているかチラッと見ると、傷一つ無かった。アースの頑強さを知る。

「これなら負けない! 行くぞボムマウス!!」

 走り出す!しかしボムマウスは上に飛びあがりアースに襲いかかる!

「キシャァァァァァァァァッ!!!」

 今度は頭に取り憑くつもりだ!しかしこの位置は好機!

「今だぁぁぁぁ!!」

 ヴォォォォン!!

 繰り出した右手がボムマウスの腹部にあるダイナマイトを鷲掴みにする!!

「地球に仇なすものよ……地球に還るがいい!! 唸れ右腕!!」

 キィィィィィィィン!!

 レッドの叫びに呼応して、アース全体から回路が回るような音が響き渡る!右腕全体がオレンジ色に光りだし、アースの足の関節からは地面に無数の管状の物が伸びる!そして全員が叫ぶ!

「必殺!!! グラン・シーーーーーーーーードォォォォォッ!!!!!」

 カァッ!!

ボムマウスの体が光になる!やがてその命の光は、アースを通じて地中へと流れていく……


 『グラン・シード』。右腕で掴んだ相手の生命力を光子に分解し、足から生えた根のようなポンプで大地に生命力を還元し、地球環境を復活させる、巨大ロボット・アース最大の必殺技である!


「……これで、終わりだ」

 レッドが小さく呟くとボムマウスの光はアースの手の上から消え去った。

アースの、そしてガドガイアーの活躍で、平和は守られた……!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ