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環境戦隊ガドガイアー  作者: 黒井羊太
第二話「爆破5秒前!轟火、怒りの鉄拳!」
10/33

再会!奴の名は「ネオ・ボムマウス」!

「環境戦隊! ガドガイアー!!」(シャキーン!!)

CM明けからお楽しみください。

「しかし、つくづくゴミ屋敷と縁があるな……」

 またしてもゴミ屋敷が多い事で有名な地帯に引越屋として来る羽目になった轟火。

「これでまた爆発とかと遭遇したら、みんなに何て言われるか……」


 ドカァァァァァァァァン!!!


「……神様ぁ……俺、何か悪い事しましたかぁ……?」

本気で凹み、半べそになりながら現場へ向かって走り出す!

 今回も、複数爆発があったようだ。何カ所かで黒煙が上がっている!

「クソゥ!! どこへ行けば良いんだ!?」

 そこへ突然通信が入る!

『そこの細い道! 左に曲がって!』

 一瞬ビクッと体を震わせるも、その後に従いながら応える。

「お、おう! 何か根拠があるのか? オペ子!」

『誰がオペ子よ! やっぱりみうは凄いわ。爆破地点を同心円で結んでいくと、必ず中心に爆発と無縁の地帯が出来るの!』

 珍しく興奮気味に早口で捲し立てるオペ子。その珍しい様子に驚きながらも、返事をする轟火。

「そうかっ! なるほど!! ……で、どういう事だ!?」

 ガクッと通信機の向うでコケるオペ子。すぐ気を取り直して、言葉を続ける。

『次、右! つまり今回の連続爆破事件は、前回のように直接バラ撒くんじゃなくて、何かこう…自動追尾型の爆弾を中心から放射状に投げ広げているみたいなの! で、爆破時の衛星写真にも写ってるのよ! 爆発地帯の中心にトレンチコート姿の怪しい奴が!』

「トレンチコート姿の……まさか……でも今度は分かった! 今向かってるのはそいつがいる場所なんだな?!」

『そうよ!』

「よぉぉっし!!」

 やる気が満ちてくる!絶対に止めるんだ!カリメアの作戦を、人々の悲鳴を!

『次そこ左曲がって真っ直ぐ! 他のみんなにも連絡したけど、合流するまで少し時間掛かるわよ!』

「おう! とにかく捕まえてみせるぜ!」

 ダダダッと猛スピードで走り続ける!


 そしてその先に居たのは、見覚えのあるトレンチコート姿の男が一人。混乱した現場にあって、一人冷静に佇んでいるのだ。怪し過ぎる!

「おい! そこのお前!」

 轟火が着くなり指を指して叫ぶ!だが男はその声に動じることなく、ゆっくりと振り返る。

「来たか、ガドガイアー……おや、今日は君だけかな?」

 余裕の声だ。そして、来る事を予測されていたようだ。

「あぁ! 俺だけで十分だ! カリメアの怪人め!」

 ビシッと指差しながら叫ぶ!そして戦闘態勢に入る!が、トレンチコートの男は未だに余裕の姿勢を崩さない。

「またしても罪も無い人々の平和を脅かしやがって! 一体何が目的だ!!」

 一直線に男を睨みつけ轟火が叫んだ。トレンチコートの男は、少し考えたが、やがて口を開く。

「いいだろう、どうせここで死ぬんだ。冥土の土産に教えてやろう! 我等の狙いは……清掃工場の爆破だ!!そしてこの前のゴミ屋敷の爆破は新型爆弾の性能を試すためのものだ!!」

「何だとぅ!?」

 狼狽する轟火!それを見て、更に得意げに言葉を続けるトレンチコートの男!

「そうだ! 清掃工場を爆破してしまえば前回のゴミ収集所を爆破する計画と違って、一ヶ所を破壊するだけで街中に大きく被害を与えられる!」

 ハーハッハッハ!!と笑うトレンチコート。

「何という卑劣な……だが! 今回もゴミ収集所を狙ってるじゃないか!」

 大声で指摘する。トレンチコートはその言葉に、スッと真面目な顔をし、

「ところがしないのさ。私が一人で作戦を動かしていると思っているのか? これが……陽動だとは思わないのか?」

 ハッとする。前回が一人だったからと言って、一人で作戦を行うとは限らない……別働隊が居る!?

「くぅ!? なんて奴だ……だが前回の事件以来、ゴミに関係する場所は警戒が強い! いくらお前等でも容易く突破は出来まい!」

「それも対応済みだ。……お前は随分甘い考えで闘おうとしているのだな……クククク……」

 図星を突かれて、轟火は押し黙る。確かに、俺は今回の事件を簡単に考えようとしていたのかも知れない。しかしこのままでは相手の思うつぼだ。

「だ、黙れ! とにかくお前を倒す!」

「フフフ……一人で、か。舐められたものだ。……パワーアップしたこの私に勝てるとでも思っているのか!!!」

 素早く突きを繰り出してくるトレンチコート!すんでの所でかわし、反撃を試みるもあっさり間合いを外されてしまう!

「くぅっ! ……待て、パワーアップだと? ま、まさか、やはりお前!?」

 嘘だ、そんな事!ある訳が……恐ろしい可能性に身が震える……!

 そしてトレンチコートは、バサリとコートを翻し正体を現す!

「そうだ! 私は前回お前等に殺されかけた、ボムマウス様だ! 貴様達を地獄に引きずり込む為に『ネオ・ボムマウス』として舞い戻ってきたのだぁ!!」

 衝撃的だった。倒したと思っていた怪人が生きていて、しかも再び悪事を働いている!前回以上の大きな悪事を!!

 以前よりも人間に近いフォルム。ネズミの頭に人間の身体。腹部にはぐるりと一周ダイナマイトを巻いている!

「この事件……俺の、俺の詰めの甘さが起こした事件じゃないか……!」

 轟火は震えていた。恐怖ではない。自分自身への、怒りでだ。

 この言葉を、ボムマウスは聞き逃さなかった。

「その通りだ! 貴様達のせいだな。前回あれだけ息巻いておいて、結局私をより強く蘇らせたのだからなぁ!被害を広めていたのは貴様達だぁ!! はーーっはっはっは!!」

 明らかな挑発だったが、今の轟火にそれを判断する力はなかった。今、彼を動かしているのは、責任感と罪悪感だけだからだ。

「う、うるさい!! なら、今すぐそのミスを取り戻す!! 行くぞぉ!!」

「来い! お前一人などほんの一ひねりで終わりだぁ!!」

轟火が身構えると、手の甲にクリスタルが現れる!

「ネイチャーコネクトォォ!!!」

 クリスタルの放った光が全身を包み、腕、肩、体、顔、足に至るまで全てを覆い尽くす!

 光はやがて収束し、そこに立っていたのは!

「悪しき野望をこの手で粉砕! 燃え上がる火力のエネルギー! ガイアー・レッド!」

 ビシィッ!とポーズをとった。

「無駄な事を! 死ねやぁぁぁ!」

 バババッ!

 次々と突きを繰り出してくるネオ・ボムマウス!レッドはそれに対し、かわすので精一杯だ!

「クッ! 切れ間がない!」

「さぁさぁ!! どうするんだって!? え!?」

 ジリジリと後ろに追いつめられ、遂に壁を背にするレッド!

「!?」

「終わりだ!!」

 大きく振りかぶって唐竹割を繰り出すネオ・ボムマウス!!しかし!

「ファイヤーパワーチャージ!! フレアー・フィスト!!」

 ガシィッ!!

 一瞬で赤く染まったレッドの腕に止められてしまう!レッドが握った場所から煙が上がる!

「アヂィィィ!?」

 ブスブスと焦げた自分の腕を押さえ、思わず飛び退くネオ・ボムマウス。その顔は苦痛に歪んでいる。

「けぇっ! なかなかやるな…」

「俺は、負ける訳には行かない! 仲間の為にも、地球に住む人々の為にもぉぉ!!」

 拳に力を込めて叫ぶレッド。真っ赤な腕が更に赤く染まる。

 そうだ!俺がこのミスを挽回しなくちゃならない!必ず俺がこいつを倒す!

 顔にありありと書いてあった。ネオ・ボムマウスはそれを読み取り、そして笑った。

「? 何がおかしい!?」

「ククク……焦ったな、ガイアーレッド!! お前は一人で闘うべきじゃなかったんだよ!!」

 と言って、何かを撒いた!身構えるレッド!

 爆弾!?しかし白くて小さな……

 ベタっ……ベタベタッ……

 地面に叩き落ちた。これは……

「ネズミ?」

「そうだ、ネズミだ。しかしただのネズミじゃないぞ! 行け、我が子供たち!」

 ビシッとレッドを指差すと、

「チューー!!」

と叫びながらネズミが轟火に向かって走り出す!

「!?」

 意外な出来事に、身動きが取れない!

 そしてネズミが触れた途端

 ドッカァァァァァァァァン!!!!

 レッドはその大爆発に巻き込まれてしまった!

 それを見ながらネオ・ボムマウスは笑う。

「ハーーハッハッハ!! これで邪魔者は一人消えた! 私の作戦を止められる者など居ないのだぁぁぁあ!!」

トレンチコートを翻し、いずこかへ消えていくネオ・ボムマウス……レッドの姿はない。


 その頃、カリメアのもう一つの作戦は着々と進んでいた……

レッドはどうなってしまったのか!?カリメアの新たな作戦とは!?

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