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異世界と俺と黒猫。  作者: こんにゃく
1/3

プロローグ

初投稿となります。こんにゃくと申します。

文章力の低さとストーリーの雑さは大目に見てやってください。

この物語が沢山の方々に楽しんでいただけることを願っております。

目を覚ますと一匹の小さな黒猫がいた。何の変哲も無いどこにでもいそうな猫だった。真っ白な何も無い空間にいるその黒猫は白い空間の中ではかなり目立つ色をしていた。

猫は人語を話さない。そんなことはわかっていた。でも、話しかけずにはいられないほどに不安だった。先程まで俺はここではない所にいたはずだが。

「ここは何処だ?」

「何処、と言われてもにゃあ…どこでもないのがここにゃ」

「!?」

猫が…喋った!?有り得ない。こんなことが起きるなんて…!幻聴か?幻聴なのか?幻聴か?思わず三回も同じことを繰り返してしまった。

「何故、人語を話せるんだ…?」

「何故って…私が神だからにゃ?」

何故疑問形なんだ…。俺が質問したいところだ。

見た目には何の変哲も無いただの黒猫が人語を話す様はシュールとも思えるし、ホラーだとも思う。しかし、そんな事よりも今は聞きたいことが沢山あるのだ。猫が人語を話すのをそんな事と言うのもおかしいが。

「再び問うが、ここは何処だ?」

「なんと言えばいいのかにゃあ…神様の世界?とでも言うのかにゃあ」

「神様の世界?冗談はよせ。くだらん冗談に構ってる暇などない。」

「くだらん冗談と言われても…ただ君の質問に答えただけにゃあ…」

「…俺は何故こんな所にいる?」

何でかはわからないがこのことを聞くことを俺は恐れていた。



「君は、死んだのにゃ」



「死…んだ…だと?」

「そうにゃ」

平然と答える猫のことをだんだんと腹立たしく思えてきた。

「俺が死んだだって?さっきから言ってるが冗談はよせよ。俺は真面目に聞いているんだ」

そんなことを言いつつも俺の心のどこかに恐れがあった。

死んだことを自覚しているとでもいうのだろうか。

この猫が言っていることが本当のことだということが嫌なのに理解してしまっている。

「だから真面目に答えているにゃ。君はとある女の子にナイフで刺されて死んだのにゃ。そこをたまたまいた私がここに君の魂を呼び寄せて転生させたのにゃ」

「…は?」

目が点になるとはこのような場合をさすのだろうか。

この、存在自体が奇妙な猫が更に奇妙なことを言ってきやがった。

「君は現実世界では成績優秀、運動神経抜群、モテモテなんていう誰もが羨むリアルハーレム人間だったにゃ」

ふっ…まぁなと答えようとした矢先。

「でも、問題がひとつあったにゃ」

「なんだよ」

「外面は良いのにゃ。でも、本当の君はナルシストでシスコンの変態野郎にゃ!」

「…」

自分の中での時間が停止した。

何故…わかったんだ?こいつと会ったのは今が初めてなはず…

「君が死ぬ寸前、私は君と会ってるにゃ」

「は?どこでだよ」

「トイレの鏡の前で神経質なまでに髪をセットしていた時にゃ」

記憶を遡る。さっきまで俺がいた所っていうのは…

「遊園地…?」

遊園地の風景が思い浮かんだ。俺は確かあの遊園地で…

「思い出したかにゃ?君は鏡の前で髪をセットしてる時に背後からグッサリとナイフでやられたにゃ」

すべて思い出した。俺は女の子と遊園地に来ていて…トイレに行ったら妙に髪型が気になってセットしなおしていたんだ。そして、気づいたらここにいた。

「で、お前はどこにいたってんだよ?」

「トイレ掃除のオバチャンをやってたにゃ」

「は!?!?あー、たしかにいたようないなかったような。でも、なんで姿を…」

「暇潰しにゃ。神は変幻自在にゃ。たまたま目に付いた遊園地の清掃員をやってたら君がやってきて執拗なまでに髪の毛に拘ってるから何やってるのかにゃあ?と興味本位で掃除中チラチラ見てたらあんなことになったにゃ」

「…なんて醜い死に方だ…。俺に相応しくない…。俺を殺したやつは…許さん…!」

顔が赤くなってきてるのが自分でもわかる。かなり恥ずかしい死に方をしてしまったようだ。なんてことだ…。人生の最期をこんなに醜く終わらせてしまうなんて美しく生きてきた今までの人生全てを棒に振ってしまったようなものだ。絶対に俺を殺した犯人を許さない。

「そ こ で にゃ!君に一つ提案があるにゃ」

「なんだ?言ってみろ」

「…何だか気に食わない態度にゃねぇ…。まずはその腐ったナルシスト気質を直して欲しいところにゃ」

「あ、じゃあいいです。帰ります」

「待つにゃ待つにゃ!」

慌てた様子で黒猫が言う。

「帰るって言ってもどこににゃ?君は死んだのにゃから家のある現実世界にはもう帰ることができないにゃ!」

「…それもそうだな、はは」

「そうにゃよ、あはははははは」

「って笑ってる場合じゃねえよ!妹は!どうすんだよ!?俺の次にこの世で優れた俺の妹だぞ!?」

「…どこまでも傲慢にゃね君は…。シスコンと言えど自分が一番ということかにゃ。あと、この世って表現はもう違うにゃ。ここはもう君が言うこの世とは違う世にゃ」

「この世とかあの世とかそんなんどうでもいいんだよ!悠珠はまだ中学三年生だし、両親はもう生きていない…。悠珠はこれからどうやって生きれば…」

はぁ、と短く溜息をつくと黒猫が口を開いた。

「だから、提案があると言ってるにゃ。人の、いや神様の話しは最後まで聞くにゃ。教わらなかったにゃ?」

「いや教わらねぇよ…フツーに生きてりゃ神様と話なんてしないし」

「…。まあいいにゃ。君にはチャンスをあげるにゃ。生き返るチャンスにゃ。今から私が君を君が今までいたところと違う世界に落とすにゃ。再び生まれ変わるのではなく、今、転生した君のままにゃ。そこで君には自重する心と君が今まで駒のように扱ってハーレムを作り上げるための糧とした自分以外の人間の大切さ、その他諸々学んでもらい、君が更生したら現実世界に蘇る手立てをしてやるにゃ。そしたらその浮かばれない死にかたをさせた犯人の真相も暴けるし、妹と幸せに暮らすことができるにゃ」

「そんなもの、速攻で終わらせてさっさと帰らせてもらおうか」

即答だった。

「何言ってるにゃ。君くらいのレベルとまでなると…そうにゃねぇ…10年はかかるかにゃ」

「あ、じゃあ、ここに死ぬまでいますんで」

これも即答だった。

「もう死んでるからここにいても死ねないにゃよ…」

「なんだと!?」

「だからさっさと行くにゃ!」

そう言うと黒猫が真上に飛び跳ね、強烈な白い光を放った。

「うぅ…っ!?」

眩しくてなかなか目が開けられない。何が起きているんだ…!?

暫くして光が止まったのがわかり、目を開く。すると、先程まで黒猫が座っていた場所には、なんと…

「じゃ、頑張ってね悠馬お兄ちゃ…」

「悠珠ゥゥゥゥァアァァッ!」

とてつもなく可愛い俺の妹がいたので抱きついただけだ。これのどこが悪い。冷静に考えたら、いや冷静に考えなくてもこの妹、さっきの黒猫が化けたやつなんだけども。



白い空間にヒビが入ってきた。これってまさか…

「離すにゃぁぁぁ!私は君の妹に化けて応援してあげようかというささやかな優しさを披露しようとしただけになのにゃぁぁぁ!」

――――落ちる、のか?

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁ!?」」

二人(一人と一匹とも言える)の悲鳴が重なり、異世界の空に木霊した。

いったい、これからどうなってしまうというのだ、俺の死後人生は…

はい。以上です。1話、というかプロローグのようなものでした。

次の投稿はいつになるかわかりませんが、また読んでいただけると幸いです。

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