7話
病室だぁ。目ェ覚まして思ったことはまずそれだった。精神世界で結構見たけど、実際に見ると広く感じるな。部屋には誰もいなくてシンと静まりかえっていた。よし、とりあえず目覚めたんで誰か呼ぼう。ナースコールナースコール。
ナースコールのボタンを押そうと腕を伸ばす………ハズだったのだが動かない。え、なんで?動けおれの腕っ!うおぉぉぉぉ!なんて茶番をやってる場合じゃねぇ。身体も動かせない。よっしゃ、じゃあ声を上げて誰か呼ぼう。
「 」
パクパクと口が動くだけで音が出ない。何コレ面白いっ!じゃねーよ、くそっどうする?誰かが来るまでまつか?…俺は七年も眠ってたんだから病院の人とか諦めていてこないかもしれない。母さんや父さんたちに期待するか?でも今すぐ来るとは思えないしなぁ。
誰か…誰かに……光の精霊!そうだ、あいつ何処行ったっ!?いまこそ助けてくれっ!近くにいるわ的なこと言っておいていないとか…。なんて思っていると、病室の窓を通り越して光りのふわふわした奴が飛んできた。横たわっている俺の腹の上あたりをビュンビュン飛んでいる。ゆっくり飛んだり、動きが速くなったりなにか訴えかけてるようだった。
………光の精霊ってこいつか?こいつなのか?何でこいつが話さないのか、俺の予想だが……。光の精霊は心に話しかけるっていってたからな、はなすことは出来ないんだろう。コイツに心を読ませれば良いんだな……
(ナースコールナースコールナースコール…!)
「!」と思ったのか、一度黄色く光、ナースコールのボタンのところまで飛んでゆく。だがナースコールが押される事は無い。え、なんで。あぁ!魔力が無いと実体化できないのか。光のままじゃものに触れないと…。へーえ、なるほど。ダメだろダメじゃん意味無いじゃん。
くっ、だったら……
(俺の魔力で実体化しろ、実体化!)
星はやけにゆらゆら揺れながら俺の手の平に降りた。すると光の中から小さな子供のような手が出てきて、ナースコールを押した。
<リリリリリリリリリリリリリリリリリ>
近くにあった小さな箱状の機械が音をたてた。