1話
おもに主人公目線で進みます
日本の普通の高校に通う普通の男子高校生。
この称号はだれだって持ってるだろう。
俺もその一人だ。
勉強して目標の高校に晴れて合格した俺だったが、入学して一カ月で事故に巻き込まれ死んでしまったらしい。
なんでらしいかというと、死ぬ間際のシーンを忘れてしまったからだ。
そんな大事なシーンをなんでわすれちまったんだろう?
まぁ、覚えていてあまりいもちの良い物ではないがな。
俺的には知りたい凄く知りたい。
なんで死んだって言うかというと…たった今俺は何か面接を受けているのだ。
何の面接?そりゃあもう…
「どうもどうも。えぇ~私は冥界付属の第一次試験専門委員ですぅ。貴方の人生のコレからについてお話しまーす。は~い、岩瀬鈴さん、男性、15歳。死因は…え~っと、事故死ですね。これといった問題は無いようなので。はいこれぇ~じゃあこの紙をこの道の向こうにいる、なんか神々しそうなひとにわたしてねぇ~。お疲れ様ぁ~」
「あ、はい」
死んだ後の世界で面接を受けるとは思わなかった。
―――――――――
先ほどもらった紙。書類を神々しそうな人に渡せばいいらしい。って!こんなんで判別が出来るかっ!!
しかもこの紙白紙だし。意味あるのか?
面接のお姉さんから教えてもらった道を歩いていく。
周りの景色は真っ白で正直目が疲れる。
いつまで歩けばいいんだ?けっこう歩いた気がするが、一向に何か見える気がしない。
周りに人っ子一人いない。
本当に目的地が有るのか?
俺には、真っ白い紙と死んだときに来ていたであろう服のみ。そんで裸足だ。
なんでこんなとこにいるんだ。
死んだのなら俺はこの後どうなるんだ?
俺という人間は終わったのか?コレは夢じゃないのか?
俺がどうにかして意味があるのか?
ほんとうに此処に俺はいるのか?
いつの間にか、手に持っていた紙をしわくちゃにしてしまっていた。
歩き続けて足がとても痛い。
息も上がってしまって、足だけじゃなく、身体全体が痛い、それに凄く重たく感じる…。
俺はとうとう、床に膝を付けた。
のどが渇いた。腹が減った。眠い。
「俺は…何をしているんだろう…」
ふとそんな事を口走ってみたが、当然その質問を答えてくれるようなものはない。
行き成り死んだとか言われて…もう何なんだよ。
意味分かんねーよ。
疲れた。どうでもいい。痛い。
身体は自然に倒れた仰向けに寝っ転がって、真っ白な空を見上げる。
あぁ、青い空が見たかったなぁ。
視界に白しか入らなかったら、どうにかなっちまうよ。
重く閉じた瞳はどんなに力を入れようとしても持ち上がらない。
あーもう一ミリも身体動かせねぇよ。
このまま眠ったら、次目を開く時目の前にあるのは俺の家の見慣れた天井だといいな。
大丈夫、きっとこれは夢だから……
自分にそう言い聞かせ息をゆっくりはいた。
――――――
「…ぃ……?」
「……くん?」
なんか聞こえる。
うるさいなぁ…寝かせてくれよ。
「れいくん…?」
れい、れい?[鈴]って俺の名前?
誰かがおれの名前を連呼している。
うわぁ…なつかしぃなぁ……懐かしい?
「れいくん…!!」
方を激しく揺らされる。
だんだん意識が覚醒し始めた。
ゆっくり、瞳をあげた。
「れいくん…!?大丈夫!?」
「ぇ…?」
「え?まぁいいわ…よかった!」
驚いた…目の前にいたのは若返った母さんだった。
え?母さんどこのエステいったの?いくらお金消費したの?
さっきまでの真っ白な空間は夢?この母さんの顔も夢?
浮遊感がして母さんの顔が近づいた。
背中とお尻に腕がまわされて…抱っこされてる?
俺の身体は母さんの腕にすっぽりはまってしまっていた。
こんなに俺って小さかったか?
「れいくん、顔色悪いわよ?」
「ぁ…ぇ……」
「ん?」
上手く声が出ない。なんで?どうして?
前まですらっと声が…簡単に…自然に……出てたのに…。
認めたく無くて、声を上げようとして
「…っ…ぅげぇっ…ゲホッ…ッ……」
「…!?れいくんどうしたのっ!?」
むせた、のどが痛い。
とんとん、と背中を軽く叩かれた。
のどのおくがひりひりしてじんわり痛い。
口から唾液が出てきて上手く飲み込めない。
くっそ恥ずかしい、俺15歳何だけど…!?
若い母さんにハンカチで唾液をぬぐられる。
「…涎たれちゃって……。まだ体調が悪いのね。大丈夫、大丈夫」
そう言って再度背中をたたかれる。
優しく揺らせれて眠くなってきた。
ココで寝たら負けかな?
――――――――――
目を覚ましたら、見慣れない天井が見えた。
見慣れた俺の部屋が見えたらどんなにうれしかっただろう。
がっかりしたようななんというか…。
手をみると小さい…赤ちゃんみたいな紅葉の手……ってはぁ!?
え?何?コレホントに俺の手!?自由自在に動くし……やっぱり俺の手?
うーん、俺はどうしたら良いんだろう?何でこの状況何だろう?
見慣れない天井と一緒に若返った母さんと父さん…両親がいた。
「直人(父)さん!れいくんが起きたわ!」
「はぁ~…良かったぁ…もう目開けないかと思ったぁ…」
「もぅ!不吉なこと言うの止めてよ!」
「赤ん坊は病気にかかると大変だからな…もう心配してしまって…」
「でも、本当に良かった…!!」
直人、俺の父さんの名前だ。
タイムスリップでもしてしまったのか?
そうかそうか、そんな簡単なことか…ってバカ野郎!!お、俺の頭はそこまで終わってないからな。信じてるからな。
よし、とりあえず状況を整理してみよう。そうしよう。
俺は死んだと聞かせれ、良く分からない白い空間で力尽きて多分…気を失った。
目が覚めたら、俺が赤ん坊で周りには若い両親…。
しかも、コレは夢では無くて現実である。
俺は死んで自分に生まれ変わったのか?
俺の頭はココまでイタイやつだったか?勘弁してくれ。
「あぅ……(マジかぁマジありえないわぁ、マジくそだわぁ)」
「夏江!今話した!しゃべったよ!可愛い!」
「あう、っていっただけじゃないっ!直人さん、一眼レフ」
「あぶぅ…(申し訳ないなぁ。両親の残念なシーンを見た気がする)
俺が生まれた時こんなことしてたのかぁ…まぁ、なんというか。
ちょっと残念というか…。
父さん、母さん。今世でもお世話になります。
「この子は幸せに成ってほしいわ。ね」
「あぁ…生き残ってほしいな。俺たちも全力で守ろう…」
「絶対守る…私の命をいけにえにしても……悪魔と契約したって構わないわ…」
「夏江。冗談でもそんなこと言うな」
あれ…?
《幸せになってほしい》は分かるけど、《生き残る》《悪魔と契約》って なんかすげー危険なにおいがするんだけど!?
ココって日本だよな。結構平和な日本だよな?
なんだその物騒な単語……。
母さん達まさか、あっちの世界の扉を開いてしまったのか!?
「魔法さえ使えれば……」
俺の頭はキャパオーバーしてます、もう良いです。おなかいっぱいです。
おれの新しい(?)人生はどうなってしまうのか……
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ココまで読んで下さりありがとうございました。