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怠惰な私に春とか来るわけない。

作者: 薄雀
掲載日:2014/01/04

今日も眠いですね、そして、おやすみ。

時間はまもなく8時なのですが、職業現在学生なのですが、眠いという欲求に適いません。ええ、10時間睡眠ですが、なにか?

そんなだらけた女子高生、真倉音夢(まくらねむ)。ほら、眠そうな子でしょう?眠っ子が私のデフォ。そして、おやすみ。



なんていくわけなくて、母にニコニコ笑顔で放り出されました。

「音夢ちゃん?なんて、怠惰!ママに彼氏の一人くらい見せてよ!華の女子高生!青春!そして、パパとママの青春の集大成、音夢ちゃんの青春を私に見せてちょうだい!」

朝から、騒がしいことで。


仕方ない、母にそういわれたら行かざるをえない。ここで、居座ったら最後だ。最初から最後まで、母と父の青春の恥ずかしい話まで聞かされる。学校の方が、いい。



私のモットー、

『怠惰アイラヴユー』である。そう、愛してるよ怠惰。

あと一つ言えば、

『やらなくていいのなら、やらない。』である。

やらないでいいなら、やらないにこしたことはない。うん、素敵だ。やらない。

でも、人生においてしなきゃならないことはたくさんある。そういうのは、ちゃちゃっと終わらせるに限るよねー。



こんな怠惰な私だが、友人はいる。数名だが。

なんか、寝顔が癒されるんだとか。そうなのか?

「ふふふー音夢ちゃん眠そうですね。今度素敵な枕をプレゼントしますね、安眠枕!」

おお、それはいい。

「ありがとう、期待してる」

「きゃー可愛い!よし、今度お持ち帰りしちゃう!」

ノンノンノン、私家大好きっ子だから。それ、遠慮します。



****


「…はっ!」

時刻はすでに、放課後。ああ、皆私を放置したのか。

でも、安らかな睡眠だったので許す。

む?

目の前で寝息をたてている、この人は誰だ。男だとは分かる。

私、こんな怠惰だから自慢じゃないけど学校の事イマイチ把握できてはいない。だから、学校の知らない教室とか先生とかたくさんある。そして、生徒もしかり。

というか、先輩ではないか。ネクタイと上履きが青だ。そんなん、余計にわかるわけない、ない。

ていうか、なぜ、ここで寝ている?



「……さぁて、帰ろ」

そんな先輩を無視して帰ろうとした私。面倒は嫌いだもの。

「…まって」

ガシッと掴まれた腕は、例の先輩の方へと引っ張られる。

「うわっ」

「キミの名前は?」

ニッコリ笑顔で訊ねられる。もしや、この人はイケメンという部類の人か。そうか、たしかにキレイな顔してる。

「真倉」

「枕?」

……絶対、頭にひく枕の方だな。

「はい、真倉」


そう、言い残して足早に去る。あぁ、無駄なエネルギー消費。そして、今日も睡眠睡眠睡眠。



****

「ねー音夢ちゃんだよね、コレ。ていうか、音夢ちゃんしかあり得ないよね」

なんだ、その人の顔の前でチラチラと紙をちらつかせないでもらえます?

「そうね、これは音夢ちゃんだわ」

そういって、パサリと顔に押しつけるのはヤメて。

「はい、音夢ちゃんの代わりに読むと」


───マクラと自ら名乗る、抱き枕の女の子を捜しています。誰か心当たりのある人は、3年A組久瀬録(くぜふみ)まで。



…………いや、真倉ですけど?


「マクラっていったら真倉音夢でしょ、普通。」

そうか?しかし、抱き枕って何だよ。

「それよりも、問題はこっちよね。久瀬録先輩」

「そうだね、イケメンもイケメンというくらいのイケメン。校内では一番って有名だし。というか、ここらでは知らない人はいないくらいだし、地域一番?」

「さぁ?全国区でもいけるんじゃない?」

「そうだね、あれほどのイケメンだもの。」

仮にもだ、そんなにイケメンがマクラを探しているとしよう。それが、私というのはちょっとおかしい気がする。というわけで、きっとそのイケメンではない誰かがマクラという私と違う誰かを探していると信じよう。よし、OKだ。これで、なんら問題はない。よし、寝よう!



「へぇ~マクラって苗字なんだ。おはよう、俺のマクラちゃん。そして、おやすみ」

というと、男は私をだっこすると私が今まで座っていたいすに座りその男の膝に私はすわるハメになった。まて、やめろ。

「きゃぁぁぁあ!久瀬先輩だ!」

ヤメろ、耳がやられる!

私の肩に顎を置いた男、久瀬先輩とやらは途端に寝息をたてた。何故寝る!私こそ、寝たい!がしかし、久瀬先輩の肩でねらなきゃあならない?

「起きろ、久瀬。迷惑がってる」

「んあ?……起こすなよ、せっかく」

背後からの声かけで、目覚めた久瀬先輩は不機嫌めに言う。

そうだそうだ、もっといえ!誰か知らないお方!

「いや、だから…!…」

あ、やば。諦めないで!

「……だめだ、久瀬の頭お花畑か…」



終わった、なんでお花畑で終わらせる?まあ、人のこと言えないが。

ああ、なんかすっごく香りがいい。これって、安眠にいいやつか?





「…………寝てしまった!」

ふかふかのベッドの感触。そう、保健室だ。

しかし、なぜだ。なぜ、誰も止めなかった。同じベッドはいかんだろう、これでも健全な女だと思う。…たぶん?



「俺のマクラの、音夢ちゃん。これから、よろしくね」

よろしくしたくなかったです。



怠惰な私に春とか来るわけない。そう、信じたい。

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