勇者召還だそうで
ことの発端は些細なことだった
ギルドからの情報で最近魔物の討伐依頼が急増しているそうで
それを何かの予兆では?と疑うものが出始めたんで
王国のお偉方が古い文献を調べたそうな
そしたらこんな伝承が残っていると王城にいる兵士達に公表された。
魔物が増えし時、魔王が復活し
世界を破滅に導くであろう。
しかし、王国が勇者を召還し
これを打ち破らん。
ってね、なぜ兵士に知らされたのかって言うと国民に知らせたら大パニックになるだろうと言うことらしかった。
だからって兵士に話しちゃいけないんじゃないかと思うが兵士には一応言っておこうって事なのだろう。
って訳で、伝承の通りに勇者を召還する儀式を今から始めるってきたもんだ。
「おい、そこの一般兵!!早く並べ!!」
「は、はっ!!」
怒られちったよ、まぁ勇者って言っても俺には関係のない話だろうとは思うけどな
大きな魔法陣の上に魔術師が10人が何やら儀式魔法の詠唱を始めていた。
儀式魔法つっても神へのお願い事を遠まわしに唱えているだけだけどな。
しばらく呟いているかと思ったら急に魔法陣が光を帯び視界が光に包まれてしまった。
しばらく、眼が見えない状況になったが視力が回復してから魔法陣を見ると見た事もないような服を纏った男がそこにいた、しかもかなりの美形だ。
「あれ?ここは?」
その男はいきなり呼ばれたのか訳のわからないって表情をしながら周囲を見回していた。
「ようこそ、勇者様」
そして小さめのティアラを被った美しい女性が男に声を掛けた、この女性こそこの国の王女で国王継承序列4位のアニス=ルイセリア様である。
男はルイセリア王女様に見とれていたのかしばらくボーっとしていたが気を取り直して、女性に問いかける。
「ここはどこ?日本じゃないの?」
「ここは貴方から言えば異世界・・・もっと詳しく言えばルイセリア王国の首都エノクです」
「なんで僕が呼ばれたの?」
「そのことですが・・・この世界をお救いください!!」
「え?」
男はやはり訳のわからないって表情をしていた、そしてルイセリア王女様は今のわが国の情勢や何やらを全て話した、男はしばらく悩んでいたが
「とにかく魔王を倒せば僕は帰れるんだよね、ならやるよ!!自己紹介がまだだったね、僕は直江 章って言うんだ、よろしくね。あと僕の事は名前で呼んでいいよ」
なんと二つ返事で了承しアキラと名乗った男はルイセリア王女様に笑顔で握手を求めた、途端にルイセリア王女様の顔が真っ赤に染まり顔を赤くしながら応えた。
「こっこちらこそよろしくお願いいたしますわ、では早速ですがお父様と会って下さい、誰か」
ルイセリア王女様が言うと白い鎧を纏った騎士がルイセリア王女様の前で跪いた、王女様の親衛隊の隊長である。
「お呼びでしょうか?ルイセリア王女様」
「こっこの方を玉座の間へとお連れしてください」
「はっ!!」
こうして勇者様となったアキラ様は隊長に連れて行かれた。
こうして勇者の謁見から始まり、まずは魔王を打ち倒す為の神器の有る場所を国王から聞いた勇者はその地に向かうことになった、そんな時にルイセリア王女様が勇者のお供をしたいと王様に申し、王女様が心配な王様が親衛隊の隊長と兵士をつけることを条件に承諾したそうな、ところで
「なんで俺が王様に呼ばれるので?」
「暇そうなお前に白羽の矢が立ったのだ、それにお前は幼少の頃に王女様の遊び相手をしていただろう、親衛隊長が了承済みだ」
「あの親衛隊長が?」
「うむ、そしてこの件は拒否できないから諦めろ」
「ですよねー」
上官に連行される形で、玉座の間に行く事となった。
「ロイド=ユアリウスよ」
「はっ」
「貴殿を勇者の仲間兼王女の護衛の任を申し渡す、命に換えても王女と勇者を守りそして立ち塞がる者への剣となれ」
「はっ!!このロイド=ユアリウス、命に換えてもこの任全ういたします」
これで叙任式は終了、玉座の間には王女様と勇者様と近衛兵20数人と親衛隊長と王様しかいない簡素なものだった(当たり前か)
ってか、自己紹介がまだだったな
俺の名前はロイド=ユアリウス
没落貴族出身のただの兵士だった奴だ。
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