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ネタがネタというか、詳細設計を開始してみるテスト

縹渺氏によるイラスト投稿に対するレスポンス

日本帝国海軍・大型対空軽巡洋艦「伊吹」型

要目(就役時)

 船体*1

  基準排水量49,880t(満載68,060t)

  全長306m

  全幅32m

  喫水深さ8.8m

 機関*2

  艦本式水管式高温高圧ボイラー8基

  艦本式ギヤードタービン4基4軸 198,000shp

  最大速力 31.6kt

  航続力(重油搭載量5,200t)

   18ktにて6,020NM

   14ktにて9,950NM

 防御

  水線:80mm

  防御甲板:120mm

  弾薬庫:+50mm

  砲塔:120mm

 武装

  67cm I-AA(26.4in.*3)40口径 単装重高角砲 4基4門

  10cm II-AA(3.9in.*4)65口径 連装高角砲 18基36門

  25mm III-MG 二十五粍三連装機銃 4基12門*5

概要

 大口径の対空散弾射撃により、超遠距離からの防空戦闘を行うことをコンセプトとした艦として計画。

 対空見張り電探と合わせ、機動部隊の防空中枢艦としての運用を想定して設計された。


 船体は大型であるが、これは大型砲塔を搭載しながら速度を出す為の船体形状を優先したもので、防御面では戦艦のような舷側装甲帯を持たず、ほぼ防御甲板のみに頼る型式である。

 それ故に「巡洋戦艦」ではなく、「大型軽巡洋艦」と分類されている。*6


 艦型としては、巡洋艦式の船体構造に造波抵抗削減のためにバルバスバウとし、重量節減のためもあるのか当時の日本海軍では珍しくトランサムスターンを採用している。

 舵は並行二枚舵であり、新戦艦で検討された正副舵方式とはされなかったようだ。やはり、長大な船型に対して主舵1枚では舵力が過小と見積もられたのであろう。

 上構はかなりコンパクトにまとめられており、ひとつにまとめて配置された誘導煙突、高く聳えるラティス式檣とあいまって、此れだけの大艦でありながら非常にスマートな印象を与えるものとなっている。

 特筆すべきは、この異様に細長い船型を採用した事による船体の動揺を軽減し、また発砲時の巨大なモーメントを吸収するための提案として、艦の前後部に二対装備されたフ式可動減揺装置*7である。*8

 この装置によって、波の影響を受けやすい細長い艦型であったにも関わらず荒天下でも良好な射撃性能を有していたが、逆にこのような戦闘時に破損しやすい構造を持つことは、本級の防御軽視という印象を更に強める傍証となっている。


 機械類に目を向けると、新型の高温高圧ボイラーをやや出力を制限して安定度を増したものを採用している。とはいえ、元は駆逐艦用に開発されたボイラであり、その点も本艦が「巡戦」ではなくあくまで「巡洋艦」としての計画だったという事と、如何に重量軽減が命題であったかが窺える部分である。



 兵装の特徴としては、何よりもまずその特徴でもある異様な67cm単装重高角砲に目が向く。

 単装砲ながら、単独で550トン*9を超える砲身重量を専用の高角砲架にて保持し、半自動式の給弾機構を有するその砲塔は、特徴的な高角測距儀と合わせ、装甲厚が僅か120mmという薄いモノでありながらも、なんと戦艦大和の46cm3連装主砲*10をも凌ぐ、実に3,037トンという重量物である。*11

 この桁外れの高角砲専用の砲弾として、従来の三式対空弾から、弾子及び弾殻内の弾子の充填方法などを改良*12し、貫通力と火力を強化した三式改二型対空散弾を用いる。

 なお、あまりにも奇異な主砲にばかり目が向けられるが、副高角砲の65口径10cm連装砲も片舷あたり9基18門というものであり、濃密な防空火力を展開できた。

 全力射撃中の本艦の姿は、まさに洋上の活火山とでも云うべき光景を現出させるものであったという。

脚注

*1:LB比9.56!ホトンド駆逐艦並の比率^^

*2:36節は流石にムリがある設定なので現実的に再計算。

*3:正六十七サンチ

*4:正拾サンチ

*5:第一次改装時に追加:近接防御用

*6:英海軍の艦種識別表によると、ハッシュハッシュ(極秘)クルーザーとして分類されており、"Ibuki (Tan) HaHa (;´Д`)"Class LLCとして表記されている。なお、(Tan)は日本語の「単装」の音訳、HaHaはハッシュハッシュを意味する略語であり、世界最大級の巨砲を搭載する事から、特別に危険!との意味で、Dをあえてキリル文字で表記した上括弧付で強調表現している。

*7:フ式に意味は開発者の名からとも、動翼フィン式の意とも言われるが、事実は未だ未公開情報の中であり判然としていない。

*8:船体の所要の位置に装備されたジャイロ式加速度計からデータを取得し、機械式計算機による自動演算で波浪の中でも安定した航行を可能とし、砲撃時には射撃盤と連携した並列演算を行い発砲による影響を最小にするように予測制御を行うなど、巨砲のプラットフォームとしての信頼性を高めるための技術が投入されている。が、不思議な事にこの「フ式」減揺装置は(制御機構部が従来の鰭式減揺装置よりも複雑すぎたためか、)伊吹型に搭載されて以降他の艦船に採用された形跡が無い。現代の電子制御式減揺装置の登場までの間、この技術が実質「失われた技術」となっていた事は実に惜しまれるものである。

*9:大和の45口径46cm砲で1門あたり165トン

*10:2,774トン

*11:その特徴的な外見から、数十年後の研究家に「シャア専用砲塔」ナドというあだ名が付けられるとは、当時誰も予想だにしなかったであろう

*12:あまりの巨大さ故に、逆にこういった砲弾の製作が容易となったのはある種皮肉でもある

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