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欲望の教科書 肉蒲団 ―史上最も過激な仏教的自己啓発書―  作者: 光闇居士


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あとがき:我らが旅の終わりに

筆を置いた今、私の心は、嵐が過ぎ去った後の湖面のように静かである。

共にこの奇妙で、そして淫らな旅路を歩んでくださった読者諸賢に、まずは心からの感謝を捧げたい。あなた方もまた、この物語の共犯者であり、探求者であったのだから。

我々が共に旅したこの『肉蒲団』という世界は、一見すれば、ただ欲望の泥沼が広がっているだけに見えたかもしれない。主人公・未央生の狂おしいまでの情欲の探求は、眉をひそめ、あるいは密かな興奮と共にページをめくらせたことだろう。しかし、我々が真に目指していたのは、その泥沼の最も深い場所に咲くという、一輪の蓮の花であった。

この物語を紡ぐにあたり、私は一つの大いなる賭けに出た。それは、「毒をもって毒を制す」という、古来からの叡智を文学の世界で実践することであった。堅苦しい道学者のように、高みから倫理を説くのではなく、あえて我々自身が持つ欲望という名の獣を解き放ち、その獣がどこまで走り、そしていかにして疲れ果て、自滅していくのかを、共に見届けようとしたのだ。

未央生は、私であり、そしてあなたであった。

彼が手にした美貌も才気も、我々が心の奥底で渇望するものの寓意アレゴリーに他ならない。我々は彼の体を通して、制約なき自由の甘美さと、その果てにある究極の孤独と破滅を、安全な場所から味わい尽くした。それは、魂のための壮大なシミュレーションであった。自らの手を汚すことなく、因果応報という天の法則が、いかに厳密で、いかに情け容赦なく、しかし、いかに公正であるかを、我々は共に学んだのだ。

物語が書かれたこの時代、多くの知識人たちが口先だけの徳を弄び、その実、己の欲望に忠実である偽善を、私は冷ややかに見ていた。未央生がその明晰な頭脳を、悟りではなく情欲の言い訳のために駆使する姿は、まさにその戯画であった。我々はこの物語を通して、小賢しい理屈や知識が、真の救済の前ではいかに無力であるかを知った。人間は、心地よい説教ではなく、耐えがたいほどの痛みによってのみ、その魂の在り方を根本から変えることができる——この冷徹な真実から、我々は目を背けなかった。

そして今、旅の終わりに我々がたどり着いた地平は、もはや単なる「善」と「悪」という二元論で割り切れる世界ではない。

我々は知ったのだ。人間の欲望は、罪の根源であると同時に、解脱へと向かうための最も強力なエネルギーにもなりうる、ということを。最も深く堕ちた者こそが、最も高く飛翔する可能性を秘めている。未央生がその肉体を失ったときに初めて魂の目を開いたように、我々もまた、この淫猥な物語の毒に一度は身を浸すことで、初めて倫理や道徳という解毒剤の真の価値を、理屈ではなく、魂で理解することができたのではないだろうか。

『肉蒲団』は、禁書となるだろう。淫書として指弾され、多くの者から唾棄される運命にあるのかもしれない。だが、それでよい。

我々、この旅を最後まで共にした者たちだけが知っている。この書が、最も人間的な混沌の奥深くに分け入り、そこから一条の光——すなわち、欲望を否定するのではなく、それを乗り越えた先にある、より高次の倫理と魂の平穏——を見出そうとした、真摯なる試みであったことを。

我々は、もはや禁欲を説く古い道徳家でもなければ、欲望に溺れる愚か者でもない。我々は、その両方を知り、その上でなお、自らの意志で「善き生」を選択する、新たな人間である。

この奇妙な旅の収穫は、あなたの心の中にこそある。願わくは、この物語が、あなたの魂の地図に、新たな道を描き加えたことを信じて。

これにて、我らが旅は終わる。

またいずれ、別の物語の地平で相まみえんことを。


原作者李漁に変わって 光闇居士より


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