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Episode.11-G~誰かに消費されるだけの君じゃない~

前話:Episode.10-F

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/75/

 結菜に話したことで、胸の奥に沈んでいた重しが、ほんの少し浮かび上がった気がした。

 自分の弱さも、迷いも、すべて吐き出したからだろうか。

 誰にも言えなかった言葉が、言葉として形になったからだろうか。

 けれど――

 問題が解決したわけではない。

 雪那との関係に、決着をつけなければならない。

 そう感じていた矢先、廊下の向こうから、見慣れた黒髪の少女が歩いてきた。

 雪那だった。

 立ち止まり、こちらをまっすぐに見つめる彼女の瞳に、もう迷いはなかった。


「篠原くん。……少し、話せる?」


 頷くより先に、胸が締め付けられるのを感じた。


「……君は優しいから、私に関わらない方がいい」


 その言葉は、淡々としていて、けれど確かに“距離”を告げていた。

 静かに、穏やかに――二人は関係を解消した。

 覚悟していたはずだった。

 それでも、目の前で別れを突きつけられると、胸の奥に空洞が広がっていく。

 心苦しさ。

 無力感。

 そして、自分には彼女を導く力も、守る資格もなかったという事実。



――――――



 それから、圭の傍に残ったのは――三枝結菜だった。

 結菜は雪那と同様に、決して多くを語るタイプではない。

 それでも、ふとした仕草や言葉に、圭への気遣いがはっきりと現れていた。

 だからこそ、雪那の感情を読み取ることに苦しんでいた圭にとっては、その気遣いが痛いほど胸に沁みた。

 日常の風景が、少しずつ、戻ってきた。


 ◇図書室での出来事。


「……この本、前に読んでたやつの続編だよ」


 差し出された文庫本。

 表紙を見た瞬間、ふと笑みが漏れる。圭の好みを、彼女は覚えてくれていたのだ。


 ◇昼休みの教室。


 黙って机にプリンを置いてきた結菜。


「食べなよ。元気ない時って、甘いのが一番なんだから」


 そう言って、自分のぶんはそっと机の隅に置いたまま、彼女は読書に戻った。


 ◇黒板係を忘れていた圭に代わって、無言で書いてくれた放課後。


 終わってから、「今日はたまたまだよ」と小声で言いながら、少しだけ誇らしげに見えたその背中。

 そういった、ささやかな日々が――確かに、圭を日常に連れ戻してくれていた。



――――――



 季節は巡り、教室に流れる空気が引き締まってくる。

 テスト期間がやってきたのだ。

 ある日の放課後、鞄を持って廊下を歩いていた圭に、結菜が声をかけてきた。


「ねえ、圭くん。……帰りにカフェ寄らない?」


 そう言って差し出されたスマホの画面には、静かな雰囲気のカフェの写真が表示されていた。

 (行くべきか、行かないべきか――)

 選択は、今ここにある。


【選択肢1】:

 カフェに行く→12-Fへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/95/


【選択肢2】:

 断る→12-Gへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/96/

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