Episode.4-A~ラインの見極め方~
前話:Episode.3-A
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サイコロの結果は『1』を示していた。
その結果に圭は少しホッとする。
圭はサイコロをポケットにしまうと、盛り上がっているクラスメイトに声をかけた。
「みんなごめん、僕も一緒に行ってもいいかな?」
圭のその問いにクラスメイトたちは明るく頷いた。
「全然良いよ〜!」
「みんなで一緒に行こ!」
圭はそれを聞き、隣にいる雪那へと視線を向けた。
「……これで、いい?」
雪那はいつものように無表情だったが、ほんの少しだけ、ゆっくりと頷いた。その仕草はまるで、圭の選択に満足したといった様子で。圭は背筋がわずかに冷える感覚に襲われた。
もしかしたら、圭はとんでもない関係を結んだのかもしれない……
――――――
他のみんなは校門前にいると言うので、教室のメンバーで校門前へと向かった。するとそこには先ほど誘いを断った森川の姿があった。
「おぉ、遅かったな! ……ってあれ、圭もいるじゃん。行く気になったか?」
「……まぁ、やっぱり行く事にした」
森川はこちらを見つけるや否や、嬉しそうに声をかけてくる。圭としては一度断ってしまった手前、何とも気まずいが向こうはそんな事全くに気にしていないようだった。
「案内って、駅前のとこ? 商店街の方? どこ行くー?」
「まずは駅前のカフェでしょ。話はそれからだよ!」
和やかで賑やかな空気が広がっていく中、圭もその輪に入りながら歩き出した。
女子たちは先頭を歩き、自然と雪那を中心にした輪ができあがっていた。
何人かの女子は、彼女にいろいろと質問をしているようだった。
「ねぇ高嶺さん、前の学校ってどこ?」
「その服、どこで買ったの? 可愛い~」
雪那は口数は少ないながらも、ちゃんと質問に答えているようだった。
そのすぐ後ろでは、男子たちが小さな列を作って歩いていた。彼らの話題はやはり、雪那のことで持ちきりだった。
「高嶺さんって、物静かですごいお淑やかだよなぁ……」
「わかるわ。良いところの令嬢って言われても信じるぞ俺」
「っぱ黒髪なんだよな……見ろよ、あのエンジェルリング。あんな綺麗なの見たことないぞ。間違いなく国宝だわ」「お前は黒髪ロングが好きすぎるだけだろ」
圭は、その会話に苦笑しながらも内心穏やかではなかった。
その理由はもちろん、雪那との奇妙な関係のことだ。
転校初日からこんな関係を結んでいることが、もし広まってしまえば、どんな反応をされるか分かったものではない。
幸い、今のところ誰も気づいていない。だが、教室でのやりとりを見ていた数人の女子が、雪那に何かを探るように問いかけている様子がどうしても気になった。
「なあ圭」
すぐ隣を歩いていた森川が、思い出したように話しかけてきた。
「なんで、最初断ったのに急に来る気になったんだ?」
「……いや、何となくだよ。本を読む気分じゃなくてさ」
「ふぅん? ま、いいけど。お前が来ると場が締まるからさ。ありがたいっちゃありがたい」
森川は冗談めかして笑い、前を歩く女子たちの方へ視線を送る。
そのときだった。
「……篠原君」
ふいに名を呼ばれ、顔を上げると、雪那がこちらに歩いてきていた。
ざわつく男子たちの間を静かにすり抜け、彼女は圭の前に立つと、わずかに顔を傾けて言った。
「……私が行きたいところを選んでいいって、言われたから。……選んで」
その言葉に圭は額に手を当てた。
考えていれば何とやら……だろうか。
選んで、と言う割には候補を提示する素振りはない。自分が好きなように選んで良いのだろう。
圭は頭に選択肢をいくつか挙げる。
――再び選択の時だ。
【選択肢1】:
カラオケに行く。→5-Aへ
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【選択肢2】:
ショッピングモールに行く→5-Bへ
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