Episode.10-B~現代人は面倒臭さには勝てない~
前話:Episode.9-A
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「……ごめんなさい。推薦の話、ありがたいんですけど……今回は見送らせてください」
圭は少し俯きがちに、けれどしっかりとした声でそう告げた。
委員長は一瞬だけ驚いたような顔をして、それからすぐに笑った。
「そっか……残念だけど、仕方ないね。無理に頼んでも仕方ないし。……うーん、また誰か他に声かけなきゃなぁ」
そう言って、後頭部をぽりぽりとかきながら背を向ける。
圭はその後ろ姿を見送りながら、小さく息を吐いた。
――最初に頭に浮かんだのは、雪那のことだった。
もしこの話を受けたら、彼女と過ごす時間が減るかもしれない。
委員長の仕事に追われているうちに、彼女が困った時にそばにいられなくなるかもしれない。
そのリスクを取るほど、今の関係に余裕はなかった。
だからこそ、選んだのだ。
“今はまだ、断るべきだ”と。
――――――
本棚の陰で、三人が並んでいた。
雪那、結菜、そして凛。三者三様の無言の時間が、何とも言えない空気を生んでいる。
その中で、最初に動いたのは雪那だった。
圭の姿を見つけるなり、まっすぐに近づいてくる。
「……何、話してたの?」
「ああ、ちょっと委員長からね。図書委員長、やらないかって言われて」
「……やるの?」
「いや、断ったよ。大変そうだし」
雪那はそれに対して何かを思ったのか、静かに頷いた。
「……なら、良かった」
その言葉の意味を掴みかねるまま、圭は曖昧に笑った。
「ところでさ、さっきから棚見てたけど……何か探してるの?」
「……ううん。分からなくて。何を借りればいいか……」
少しだけ伏し目がちに言う雪那は、どこか子供のようにも見えた。
どうやら三人で話しているときに、本を借りようという流れになったらしい。
そして本を読んでこなかった雪那は何を読めばいいか分からないわけで。
「やっぱり、決めて欲しい」
その言葉にも慣れてきた気もするが、やはりまだ咀嚼するのに時間がかかる。
きっと先数ヶ月は慣れることはないだろう。圭は本棚に目をやった。
読書初心者に薦めれる本を頭の中で検索しながら、本のタイトルを眺めていく。
(小説か、哲学か……)
雪那にどんな本が合うだろうかと考えながら、指先はゆっくりと書棚をなぞっていく。
【選択肢1】:
小説を選んで渡す→11-AAへ
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【選択肢2】:
哲学書を選んで渡す→11-BBへ
https://ncode.syosetu.com/n6562kv/89/




