Episode.9-H~勉強しないやつにどうやって勉強をさせるか~
前話:Episode.8-G
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「いただきま〜す!」
昼休み、今日も凛は圭の席の隣に当たり前のように腰を下ろしていた。
まるでそこが彼女の定位置かのように、自然な仕草で弁当箱の蓋を開ける。
教室の空気は明るかった。
凛の周囲には、常に誰かの視線が集まっている。
クラスのマスコット的な存在――そう言ってしまえば簡単だが、
彼女の明るさと人懐っこさは、学年もクラスも越えて届いているようだった。
「有栖川さん、今日も元気だな〜」
「センパイと一緒にいるの見てると癒されるわ〜」
そんな囁きがあちこちで聞こえてくる。
圭はそれを聞き流しながら、持ってきたサンドイッチを口に運ぶ。
別段気にしているわけではないが、落ち着くとも言えない空気だった。
「なぁ、凛」
口をもぐもぐさせながら顔を上げた彼女に、圭は何気なく問いを投げかけた。
「テスト、近いけど……勉強してるか?」
「……」
返事はなかった。
視線を向けると、凛はどこか遠い目をして、耳を指で塞いでいた。
「おい。現実から目を背けるな」
「むぅ……勉強の話題は禁止だってば……」
「禁止されてない。されてないけど、お前は勉強しないといけない側だ」
「ぐぅ……そんなのわかってるよ。でもね、センパイ。他の人はさ、ちゃんと地頭がいいから追い込みで間に合うんだよ。でも私は違う……追い込み以前に土台がないの!」
圭は呆れ顔でため息をついた。
だが、だからといって放っておけるはずもない。
「いいか、だから今からやるんだ。放課後、勉強するぞ」
「……マジで?」
「マジで」
観念したように、凛は両手で顔を覆い、椅子にもたれかかった。
「はぁ〜〜……じゃあ、センパイの顔に免じて頑張ります。やるだけやってみます……」
「よろしい」
少しばかりスパルタ気味の会話も、中学の時の記憶を想起して懐かしさを覚える。。
「で、どこでやるの?」
凛が顔を上げる。
その問いに、圭はしばらく考えてから答えた。
【選択肢1】:
凛の家→10-Hへ
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【選択肢2】:
カフェ→10-Iへ
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