Episode.8-D~振り翳した正義で、守りたかった人が泣いている~
前話:Episode.7-E
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風紀委員がいいだろう。
最近、雪那の周りにも声をかけてくれる人が増えてきたし、風紀委員は人との関わりも多い。
きっと、新しい世界を広げるにはふさわしい場所になるはずだ――
そう考えながら、圭は歩を進め、彼女の隣へと立った。
「高嶺さん、委員会は風紀――」
その言葉の途中で、雪那の声がそれを遮った。
「私、篠原くんと同じ委員会に入る」
思わず言葉が詰まった。
雪那が――自ら、“選んだ”。
圭は、選択を代行する“役割”を担っていたはずだった。
それなのに、当の本人が自らの意志を言葉にした。
一瞬、思考が宙を彷徨い、意味を理解するのに数秒かかった。
「……どうして?」
雪那は席に座ったまま、ゆっくりとこちらに身体を向けた。
「最近、篠原くんが私をクラスの輪に入れるために頑張ってくれてたのは、わかってる」
その口調はどこまでも静かだった。
まるで、自分を観察する第三者のような響き。
「それは、すごく……いいことだと思う」
だけど。
その一言が、圭の胸にざらついた破片のように引っかかる。
「でも、私が望んでるのは、そういうことじゃない」
「……」
「もっと、静かに過ごしたいの」
そのために――君がいるの。
「別に、みんなと仲良くなるために、君に関係を結ぶようお願いしたわけじゃない」
その淡々とした言葉が、圭の鼓膜を何度も叩いた。
喉が渇く。
唾を飲もうとしたが、うまく飲み込めない。
思考が乱れ、感情が追いつかず、ただ、呼吸だけが浅くなる。
「だから、私を……君と同じ委員会に入れて?」
彼女の瞳は変わらず無表情だった。
けれど、そこには確かな“意志”があった。
圭は何も返せなかった。
頭は真っ白で、口は固く閉じたまま。
ただ――
気づけば、無意識のうちに握りしめていたサイコロを、机の上にそっと転がしていた。
【選択肢1】:
図書委員に一緒に入る→9-Dへ
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【選択肢2】:
風紀委員に入れる→9-Eへ
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