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Episode.8-D~振り翳した正義で、守りたかった人が泣いている~

前話:Episode.7-E

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/53/

 風紀委員がいいだろう。

 最近、雪那の周りにも声をかけてくれる人が増えてきたし、風紀委員は人との関わりも多い。

 きっと、新しい世界を広げるにはふさわしい場所になるはずだ――

 そう考えながら、圭は歩を進め、彼女の隣へと立った。


「高嶺さん、委員会は風紀――」


 その言葉の途中で、雪那の声がそれを遮った。


「私、篠原くんと同じ委員会に入る」


 思わず言葉が詰まった。

 雪那が――自ら、“選んだ”。

 圭は、選択を代行する“役割”を担っていたはずだった。

 それなのに、当の本人が自らの意志を言葉にした。

 一瞬、思考が宙を彷徨い、意味を理解するのに数秒かかった。


「……どうして?」


 雪那は席に座ったまま、ゆっくりとこちらに身体を向けた。


「最近、篠原くんが私をクラスの輪に入れるために頑張ってくれてたのは、わかってる」


 その口調はどこまでも静かだった。

 まるで、自分を観察する第三者のような響き。


「それは、すごく……いいことだと思う」


 だけど。

 その一言が、圭の胸にざらついた破片のように引っかかる。


「でも、私が望んでるのは、そういうことじゃない」

「……」

「もっと、静かに過ごしたいの」


 そのために――君がいるの。


「別に、みんなと仲良くなるために、君に関係を結ぶようお願いしたわけじゃない」


 その淡々とした言葉が、圭の鼓膜を何度も叩いた。

 喉が渇く。

 唾を飲もうとしたが、うまく飲み込めない。

 思考が乱れ、感情が追いつかず、ただ、呼吸だけが浅くなる。


「だから、私を……君と同じ委員会に入れて?」


 彼女の瞳は変わらず無表情だった。

 けれど、そこには確かな“意志”があった。

 圭は何も返せなかった。

 頭は真っ白で、口は固く閉じたまま。

 ただ――

 気づけば、無意識のうちに握りしめていたサイコロを、机の上にそっと転がしていた。

【選択肢1】:

 図書委員に一緒に入る→9-Dへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/65/


【選択肢2】:

 風紀委員に入れる→9-Eへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/66/

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