Episode.5-K~被食者に大切なのは捕食者にケツを向けて逃げれる勇気~
前話:Episode.4-H
https://ncode.syosetu.com/n6562kv/19/
「センパイ、席くっつけていい?」
その提案を聞いた瞬間、圭の胸に嫌な予感が走った。
声はやけに甘ったるく、目元はいたずらっぽく細められている。
この場の空気を、彼女なりに楽しもうとしているのだ。
しかし、今の状況はそれを許す余裕がなかった。
周囲の視線はすでにこちらに集中している。
昼休みのまどろみの中、ひときわ異彩を放っているのは自分たちだ。
これ以上何かやらかせば、質問攻めどころでは済まなくなるだろう。
「……ダメ」
圭は短くそう言った。
できるだけ柔らかい口調で、だが確かな拒絶を込めて。
すると凛は、頬をふくらませるようにして「チェッ」と舌打ちする。
ただその表情には、怒りも落胆もなく、むしろどこか可愛げのある照れ隠しのような気配があった。
「そっかー、センパイってば冷たいんだから」
小さく呟きながらも、それ以上は何も求めてこなかった。
その後、ふたりは並んで弁当をつつきながら、他愛もない雑談を続けた。
クラスの女子たちから「中学のときってどんな感じだったの?」とか、「いつから仲いいの?」なんて質問が飛んでくるが、圭はそれを適当に受け流しながら答えていた。
凛もまた、そういったやり取りに慣れている様子で、飄々と受け答えを繰り返す。
彼女の軽快な調子が、周囲の空気を心地よいものに変えていく。
やがて、それが日常の一幕に収束しようとしたとき――
カン、カン、カン――
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「じゃあ、教室に戻るね〜」
凛は立ち上がり、弁当箱を片手に笑顔を浮かべた。
――*――*――
【選択肢1】: 「送っていくよ」クラスまで一緒に歩く。
【選択肢2】: 「うん、またな」そのまま一人で帰らせる。
【選択肢1】:
「送っていくよ」クラスまで一緒に歩く。→6-Dへ
https://ncode.syosetu.com/n6562kv/47/
【選択肢2】:
「うん、またな」そのまま一人で帰らせる。→6-Eへ
https://ncode.syosetu.com/n6562kv/48/




