Episode.15-C~僕らを繋ぐ見えない線~
前話:Episode.14-F
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テストが終わり、教室には成績表を手にした生徒たちの声が飛び交っていた。
歓声、ため息、どこかほっとしたような沈黙。
圭は自分の成績表を確認して、軽く頷いた。予想通りの結果だった。
ふと隣を見ると、雪那が小さく、静かに息を吐いていた。
「……赤点、なかった」
「そっか。よかったな」
雪那は小さく頷いたあと、スマホを取り出していた指を止め、圭の方を見た。
「……みんなのおかげで、何とかなった。これからも、よろしくね」
その言葉に、圭は思わず顔を緩めた。
普段の雪那からすれば、それは十分すぎる感情表現だった。
(本当に……変わってきたな)
その成長が、何より嬉しかった。
――――――
ホームルームが終わった後の教室。
荷物を片付ける音が響く中、勢いよく凛が駆け寄ってきた。
「圭センパイ! 聞いてー!」
「ん?」
「赤点、回避っ!!」
凛は両手を掲げてにっこりと笑う。
その姿は、まるで勝利を報告する子供のようだった。
「すごいじゃん、よく頑張ったな」
圭が言うと、すぐ横で見ていた結菜も小さく笑って言葉を添えた。
「……おめでとう。ちょっと心配だったけど」
「ちょっと!? ひどっ!」
抗議する凛に、二人がくすくすと笑う。
そんな何気ないやりとりの中で、圭はふと、窓の外に目をやった。
透き通るような夏空。
朝の雨が乾いたばかりのアスファルトが、陽光を鈍く反射している。
教室の空気が、夏の匂いを含んでいた。
“夏が来る”。
それを肌で感じる瞬間だった。
新しい季節が、確かにここから始まろうとしている。
夏へ→N.1-C
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