Episode.14-I~この距離の先を知りたい~
前話:Episode.13-E
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テストも終わり、重たい空気が抜けたように教室の雰囲気が軽くなる。
成績表が返された日。
圭は自分の名前の横に並ぶ数字を見つめ、そっと息をついた。
(……悪くない)
むしろ、かなり良い出来だった。
しっかりと積み重ねた努力が、確かに形になったと感じられた。
と、教室の前方から小さく手を振りながら歩いてくる人影があった。
結菜だった。
制服の襟元を整えながら、いつも通りの穏やかな表情で、けれど少しだけ弾んだ足取りでこちらへやってくる。
「お疲れさま、圭くん。……テスト、良かったみたいだね」
「うん。結菜も?」
「うん。なんとかなった。勉強、ちゃんとした甲斐があったよ」
そう言って微笑む彼女の表情には、確かな達成感が滲んでいた。
この数週間、二人で積み上げてきた勉強の時間――
それは、ただのテスト対策ではなく、互いを少しずつ知るための時間でもあったのだろう。
「ねえ、圭くん」
ふいに、結菜が視線をそらしながらもぽつりと切り出す。
「夏休み、どこか……一緒に行かない?」
その声はいつもの彼女と同じトーンだったのに、どこか照れを含んでいた。
インドアで、本と静かな時間を好む彼女が、自分から外に出たいと言ったことに、圭は小さな驚きを覚える。
(何かが……変わり始めている)
今までの夏とは、きっと何かが違う。
そんな、確かな予感があった。
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