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せつな  作者: 666
春編
115/1444

Episode.14-I~この距離の先を知りたい~

前話:Episode.13-E

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/102/

 テストも終わり、重たい空気が抜けたように教室の雰囲気が軽くなる。

 成績表が返された日。

 圭は自分の名前の横に並ぶ数字を見つめ、そっと息をついた。

 (……悪くない)

 むしろ、かなり良い出来だった。

 しっかりと積み重ねた努力が、確かに形になったと感じられた。

 と、教室の前方から小さく手を振りながら歩いてくる人影があった。

 結菜だった。

 制服の襟元を整えながら、いつも通りの穏やかな表情で、けれど少しだけ弾んだ足取りでこちらへやってくる。


「お疲れさま、圭くん。……テスト、良かったみたいだね」

「うん。結菜も?」

「うん。なんとかなった。勉強、ちゃんとした甲斐があったよ」


 そう言って微笑む彼女の表情には、確かな達成感が滲んでいた。

 この数週間、二人で積み上げてきた勉強の時間――

 それは、ただのテスト対策ではなく、互いを少しずつ知るための時間でもあったのだろう。


「ねえ、圭くん」


 ふいに、結菜が視線をそらしながらもぽつりと切り出す。


「夏休み、どこか……一緒に行かない?」


 その声はいつもの彼女と同じトーンだったのに、どこか照れを含んでいた。

 インドアで、本と静かな時間を好む彼女が、自分から外に出たいと言ったことに、圭は小さな驚きを覚える。

 (何かが……変わり始めている)

 今までの夏とは、きっと何かが違う。

 そんな、確かな予感があった。

夏へ→N.1-D

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/131/

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