表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/817

Episode.4-C~hill~

前話:Episode.3-B

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/5/

 駅前のロータリーには、午後の陽が柔らかく差し込んでいた。


 バスの発着や、行き交う人々のざわめき。商業施設の喧騒と、若者たちの笑い声が交差する、町で最も賑わう場所。そんな中、圭はその一角にある洒落たカフェの看板を見上げていた。


 ガラス張りのファサードに、洒落たロゴ。スタバのようなチェーン系の店だ。女子たちがよくSNSに写真を上げる、いわゆる“映え”を狙ったメニューが豊富な場所。


 雪那の顔をちらりと窺い、圭は言葉を選ぶ。


「駅前の……このカフェ、どうかな。女の子って、こういうの好きだって聞くし……」


 そんな曖昧な理由を口にしながらも、内心では少しだけ自分を嘲っていた。雪那が本当に「女の子」らしいものを好むかなんて分からない。だが、それでも彼女は――


「……うん」


 迷いもせずに頷いた。


 その反応に、逆に戸惑う。けれど、深くは考えない。彼女にとって「選ぶ」ことはすなわち、「圭が選んだものに従う」ことだからだ。


 圭はポケットの中のサイコロに触れたくなる衝動を堪えながら、歩き出す。

 カフェのドアが見えたところで、圭はふと立ち止まり、振り返る。


「……本当に、ここで良かった?」


 何気ない問いだった。だが、雪那は首を横に振った。


 「そういう聞き方、しないで」


 「え?」


 「私に選択を求めないで。貴方の選択は、私の選択なんだから」


 その言葉に圭は何も言えなかった。 


 カフェの自動ドアが開き、二人はその中に入った。

 エアコンの冷気と共に、甘く香ばしいコーヒーの匂いが鼻腔をくすぐる。照明は柔らかく、木目調の内装が落ち着きを与えていた。

 店内は混雑していた。制服姿の女子グループ、スーツ姿の会社員、タブレット片手に作業をする若者……皆が思い思いの午後を過ごしている。

 注文カウンターに近づくにつれて、ずらりと並ぶドリンクメニューが目に飛び込んできた。


 キャラメルフラペチーノ、ダブルモカラテ、抹茶ホワイトチョコレート……

 派手な名前に圭は思わず気圧され、立ち止まりそうになる。


 「……高嶺さんは、ど…れ……」


 思わず雪那に要望を聞きそうになって、言葉が萎んでいく。彼女は無表情のまま、じっとこちらを見つめていた。


 その視線はどこかじっとりと重たく、しかし確かに「訴えて」いた。


 ――私に選択を求めないで


 さっきの言葉が圭の中に蘇る。

 せめて嫌いなものを言ってくれれば助かるのに、と苦笑する。しかし、短時間で同じ過ちを繰り返すわけにも行かない。


 深呼吸を一つ。


 雪那の分のドリンクを選ぶ――


【選択肢1】:

 甘いやつを頼む。→5-Dへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/23/


【選択肢2】:

 苦いやつを頼む。→5-Eへ

https://ncode.syosetu.com/n6562kv/24/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ