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八月
八月七日
今日は花火大会
全国から観光客が来るくらい、結構有名な花火大会だ
毎年、見に行ってはいたが、今年は、どうしようかなと思っていた
もう、外出するのは、億劫になっている
家の前からでも、見えることは見えるから…
そんな事を考えていたら、インターホンが鳴る
誰だろうと思いながら、
通話ボタンを押すと、
モニターには継子の顔が、映っている
「早く、開けてよ」
その言葉に驚きながら、慌てて玄関をあける
すると、大荷物を持って、ずかずかと、家の中に入って来る
「どうしたの?その荷物?」
「ああ、これ、着替えとか、まぁ、諸々」
「着替え?」
「今日、花火大会だろ」
「……」
「どーせ、出かけるの面倒だから、家の前から見ようとか、思ってただろ」
「……」
「せっかくだから、1番綺麗に見える場所まで、行こうよ。俺が子供の頃に、連れて行ってくれた場所があるだろ」