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異世界転移で追放されたけど自由に生きたい  作者: なぎちゃ
四章.エルフの国の災難
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50話.魔王として

前哨戦、四葉君はじめての試み

渡辺 治樹。誕生日は知らないから年齢は多分16か17、多分そこらへん。確か趣味で格闘技とかをやっているとかなんとか、興味がなかったから知らないけど....


前の世界でのあいつの情報なんてこんなもんしかないな.....まあ友達でも何でもないただのクラスメイトの詳細な情報を持ってたら逆に怖いけどね

この世界で使えるような有益な情報といったら格闘技をやっているという点だろう、この世界に転移した際に付与されたステータスを加味するとまあそれなりに厄介になるだろう


そして何より、渡辺と戦ったエルフが伝えた情報、『魔法の無効化』。現段階俺が持っている情報だけを使って予想するに渡辺のスタイルは恐らく接近戦、魔法無効化を使ったごり押しスタイルだろう。


そう言えば今までいなかったタイプの敵だな、今までは魔法使うタイプの敵が多かったしな、強いて言えばどこぞの王国聖騎士団長サマが剣を使った戦闘スタイルだったな、それ以来の接近戦闘か.....当たり前っちゃ当たり前だが俺は近代格闘技なんてやったことないし、経験なんて初代魔王との特訓で少しだけ習っただけなんだよなぁ、まあ正確に言えば初代魔王(あいつ)も俺らしいから経験なんて皆無の独自習得だろう。


つまりあいつから習った俺も独学戦闘術を薄めた程度の知識しかないという事だ......だからといってこれからなにかできる訳でもない、今から向かうってのに今から誰に習うってんだ。


不得手はガン無視で行こう、もう仕方ない.......


ともいかなそうなんだよなぁ、俺はこの世界に来てから戦闘面に関しては毎回ぶっつけ本番だったからなぁ

毎回こうだといつか絶対限界が来る。かといって何かしらの作戦を立てるには情報が足りない



だから俺がこれからするべき()()は......情報収集だ。





「リーム、聞きたいことがある」

「ヨツバ?準備は終わったのか?」

「まだだ」

「なんだと?早く必要な物を言え、用意を...」

「いや、必要なのは情報だ」

「....情報?あのニンゲンのスキルについては何もわからないと伝えたはずだが...」

「あぁ、そっちはもういい、欲しいのはあいつの戦い方と....味方のスキルについてだ」

「あのニンゲンの戦い方についてはわかるが...我々のスキルについてだと...?何故そんなものが欲しいんだ?」

「説明してる暇はねぇんだよ、知りたいのはこの霧のスキルだ」


俺はずっと前からここら一帯を包んでいる霧を指す。明らかに何かしらの魔法だ。しかもかなり高度な魔法。『認識阻害』『魔法阻害』『迷走』といった様々な効果が付与されている、さすがにエルフといえどこんな高度な魔法を長時間維持するのはきついはずだ


リームは俺の知りたがった情報を若干嫌な顔をしながら説明してくれる。まあそりゃ嫌か....俺、たいして信用されてないんだった。

「このスキルか....このスキルは『迷いの霧コンフュージョン・フォグ』。敵に纏わり、頭と心を乱すスキルだ。序列第八位 フォーレス・レイの固有魔法だ、」

序列八位、フォーレス、聞いたことないな。新顔か......新顔なのは俺か....



それは置いといて固有魔法、イアンと同じ....といっても全く違う魔法だけどな

未だに固有魔法についてはわからないことが多い、魔王から渡された知識にも王国の図書館にもこれといった記述のある本は見つからなかった。

......だが今はそんなことは重要ではない。今、俺たちを包んでいる霧の正体についてはわかった。どうやらこれは随分とコスパの良い魔法のようで青木とティスミス、渡辺とエルフ、林とまたその他のエルフを別々に隔離、完全に動きをコントロールすることで3人が合流することを完璧に阻害している。


素晴らしい魔法と美しいほどに洗礼された魔力操作技術だ。是非会ってみたいものだな



後は渡辺の戦闘スタイルについての情報だ、この霧をうまく利用すれば隠れて観察することなんて余裕だろう。

「ありがとうリーム、行ってくる」

「ああ、さっさと片を付けてこい」


少しの会話を交わし、俺はまたも霧の中に突入する、不思議なことにこの霧は味方にだけは『認識阻害』や『迷走』の効果が付与されないらしくなんなら逆に味方が求めている場所に向かって勝手に導かれるといっただいぶご都合な性能をしているらしい


ならば目指すべき場所は決まっている。






俺が目指したのは渡辺が絶賛戦闘中の戦地のすぐそば......の上空。見下ろせるくらいの高さまで『浮遊』で浮き上がると期待通りに戦況が確認できる。


そこには数名のエルフと渡辺の姿が確認できた。

戦っているエルフをよく見てみると.....

「フィーアやんけ」


王様に会った時以来か.....なんかここ最近だいぶ濃い生活してたからかそんなに時間たってないはずなのに久々に感じるな

まあ感動の再会ってわけにもいかない、今はとにかく情報が欲しい




観察する。渡辺の動き、フィーアたちの動き、魔法の挙動、消え方、渡辺の戦闘スタイル、わずかな時間でも確認できる動きのクセ

.....んでわかったことがある。まず報告があった『魔法の無効化』のスキル、報告どうり魔法をかき消す。

だが消え方に特徴がある、魔法そのものを消すというより自分に近づいてくる魔法を消しているという感じだ。


これは結構厄介なスキルかもしれない、魔法を無効化するためにターゲットの補足といった条件があれば後ろからボンで終わりの可能性があったのだが、ヤツはいわゆる『無敵エリア』的なものをスキルで発動、その効果範囲内に入った魔法を無効化。効果範囲は極めて狭い、体をギリギリ覆うくらいの範囲しかないが漏れはないな、隙間を縫って魔法を打ち込むのは無理だな



もう一つ、気づいたことがある、あのスキルは魔法は消せるが魔力そのものは消せない。よって魔力で強化した弓矢や、身体強化などは解除されない。フィーアたちがギリギリ持ちこたえているのもそれが理由だな、身体強化と強化した弓矢で戦っている。


ちなみにフォーレスとやらのこの固有魔法は魔法で霧を生み出しているわけではなく、魔力を霧状に変化させているらしい。

だからヤツのスキルで消すことはできないから目隠し(ブラインド)として活用できるだろう。


そして最後に、どうやら渡辺のスキルは常時発動しているようだ、流石にスキルのオンオフは切り替えできるだろう。でなければ最初の襲撃の時に青木のスキルで転移した事に説明がつかない


だがフィーア達の魔法を消している感じに魔力を消費している様子が見られない。魔力以外のなにがを消費しているのか?それともノーリスクで消し放題?そんな都合のいいスキルがあってもいいのか?

『鑑定解析』のスキルにも引っかからない()()()がある、だがそれをここで知ることはできないだろう、ここばかりは行き当たりばったりだな





ある程度の情報は揃った...が、肝心の渡辺のスキルの破り方がピンときていない...

物理ゴリ押しでフィーア達と協力で押し切るのが一番楽なんだろうが俺はともかく他のエルフ達が死ぬ可能性が出てくる。というかほぼ確実に勝てるがフィーアたち5人のうち2人が確実に死ぬような作戦しか思いつかないから却下だな。




いや、あるじゃん、勝てる作戦。ここまでごちゃごちゃ考えたけど今の俺に必要なのはおそらくそんな情報じゃない。俺はもう必要な情報は持っているはずだ..........


..........俺の記憶の奥底、関わりは全くと言っていいほどなかったがクラスメイトとして、耳に、目にしたかすかな情報、そしてこの世界に来てから交わした僅かな会話、そこから割り出される渡辺(あいつ)の性格。





「フンっ.......」

笑えてくるな、己の性格の悪さと意地汚さに嫌気がさす。




この作戦は.....悪魔のような......嫌、まさに魔王のような作戦......

だからこそ、今日俺は、魔王となって初めて、『魔王』として...勇者を殺す。

次回、vs渡辺 開戦です。

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