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異世界転移で追放されたけど自由に生きたい  作者: なぎちゃ
四章.エルフの国の災難
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48話.加勢

展開、動きます。

「死にたくねぇ........」

目の前で転がっているエルフの男はそんなことを呟いた......ような気がした、あまり興味はない。


勇者としてこの世界に召喚され、城内での訓練でしか戦闘経験を積んだことがない青木ら3名にとって今回の襲撃はほぼ初めての対人戦闘だった。

片や数十年間、国の防衛の一端を担ってきたいわば対人戦闘のベテランだ。しかもエルフの国の中でも天才と称される男だ。

だが、結果は一方的なものだった


無謀にも自分に向かってきたエルフの男、異世界に転移し、初めて見た異種族。城の訓練で戦った兵士よりも確かに強かった....気がするがまあ誤差だった。

魔法の長けた種族だと聞き及んでいたが自分のスキルの前に手も足も出ていない様子だった、この調子じゃ他のエルフも同じようなものだろう。


合流した林 哲弘と渡辺 治樹と共に国に侵入をしようとしたところで転がっていたエルフの男が自分の足を掴み、先ほどの言葉を吐いた。


『知らねぇよ』というのが率直な感想だった。

捕まれた足を振りほどき、振り払ったその足をそのまま持ち上げる。そして足元にある頭を踏みつけるッ!



ドンッッ!!!


地面を撃つ重い一撃。舞い上がる土煙。ヴィヴィオの頭は確実に踏み潰された。確認はできないがそう確信できるほどに強烈な一撃だった。


だが当の本人である青木は困惑していた。人の頭部を踏み潰す経験はないので、その感覚はわからないが、今、自分がした攻撃は確実に命中していない。そう言い切れるほどに人の頭部を踏み潰した感覚がない。明らかに()()()()


先ほどまで目の前にいたはずの敵はどこへ消えたのか。未だ困惑から覚めぬ青木の脳内で次に浮かんできた思考である。

ふと周りを見渡す。まだ土煙が舞っている、周囲の状況が確認できない程に。


待てよ?俺がたった今した踏みつけは、こんなにも土煙が立つほどの威力だったか?



凝縮された思考の中で青木の脳内で一つの結論が導き出される。

(エルフ)勢力からの攻撃』



バッと振り返る、自分と共にいたはずの友の姿が確認できない。

いつの間にか土煙が白色の霧のようなものに変化していて、視界を奪っていた。


「哲弘!治樹!どこだ?!」

呼びかけに返事はない、先ほどまでほんの数メートルの距離にいた2人に自分の今の声が届かないなんてことはありえない、それに気配も感じないことから、どうやらこの霧には妨害の魔法がかけられていることが導き出せる。


炎の魔法で霧を吹き飛ばすことはできるが、もしも2人が近くにいた場合巻き込んでしまう可能性があるため使えない。

ここは若干リスキーだが単独行動でこの場所から離れ、そこからこの状況を打破する作戦を考える方が得策だ。




「.....よくもまあ自由に暴れやがって、覚悟はできてんだろうな?」




自分の真後ろ、かなり近い距離からそんな声が聞こえた。


と思った瞬間に背中に強烈な衝撃が走り、その衝撃に抗うこともできずに10mほど吹っ飛ばされた。


無様にも転がるが、即座に体勢を立て直す。

そして突然聞こえた声の主の特定に急ぐ。



不意打ちをするような奴だ、すぐさま姿を隠すものとばかり思っていたが、想像に反し、その男は堂々と仁王立ちしていた。


デカい男だった。金髪のエルフ、だが先ほどまで自分たちと戦っていたエルフとは真逆を行くような風貌をした男だった。

『筋骨隆々』この言葉をそのまま体現したような体躯、鑑定系スキルなどを使わなくともわかるほどに溢れ出る魔力....



そして何より、一目でわかる、『激怒』の表情


同種をやられたことによる怒りがひしひしと肌で感じる。

「一撃で殺すつもりだったんだけどな....固てぇな」

「不意打ちってのは、卑怯じゃねーのかよ?」

「...知るか、オレの仲間を散々いたぶってくれやがって、容赦しねぇからな?」


「ティスミス、全員運んだぞ、一応息はある、ギリギリだけどな」

空間が歪んだかと思ったら突然一人の男が現れた。

大男ほどではないにしてもかなりの長身、銀髪、鋭い目をした男だ。

「ありがとうな、リーム」

「おい、お前、そこの銀髪。哲弘と治樹をどこにやった」


名前が分かったことなんてどうでもいい、そんなことより気になることを聞く。

この問いかけに対し、リームは...


「私のスキルで分断させてもらったぞ、そんなことより自分の心配をした方が良いぞ?貴様の相手をするのはこの国最強のエルフだ」

「!?」


強いとは思っていたがまさか一番と戦うことになるとはな

「そうか......最強か...」


腕を(くう)に振る。と同時に星を複数同時展開。

「こいよ、正面から()ってやるよ」







「.......火炎螺旋砲(フレアストーム)





またも背後からの攻撃......しかも今回は魔法による攻撃、さっきまでの状態だったら確実に直撃していたであろうこの不意打ちは戦闘モードに入った青木には無意味に終わる。


展開した星による自動防御 『秩序の星(メグレス)

北斗七星をモチーフとした七種の星の一種、(おの)が秩序を乱すものを全自動で拒絶する能力。


「この国の風習か?それとも流行ってんのか?不意打ち」

「さぁ?どーだろうね、今の俺は種族的にはエルフに所属してるらしいからね、風習ってことでいいんじゃない?」

「テキトーにしゃべんな、ムカつくんだよ、四葉」



「久しぶり....でもねぇな、今日は逃げんなよ?」





「......殺す.........」

四葉と青木のしゃべり方が似すぎていて区別がつかない問題発生中です。

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