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異世界転移で追放されたけど自由に生きたい  作者: なぎちゃ
四章.エルフの国の災難
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46話.会敵

青木 流星。ユニークスキル『星支配(スターマスター)

その効果はその名のまま()を操る。自身の魔力を一定量消費することによって星を生成、生成した星は自在に操作が可能であり、空中に留めておくことも、生物・無生物問わず張り付けることもできる。そして、任意のタイミングで星を炸裂させることで星に関連する魔法を一つ使用することができる能力である。

その能力の一つが『星間旅行(スターズトラベル)』。自身と生成した星、または生成した2点の星を直線で繋いだ時にその間の空間で魔法を発動することができるというスキルだ。そのスキルの中の一つ、『(コンジャンクション)』。指定した星に向かって自身または、星を張り付けた対象を移動させるスキルである。このスキルの強みは距離による制限がないところである。実際に帝国『サン・ライズ』から『エルフの森』まで現実世界の距離換算で2000kmほど離れているが問題なくスキルが発動できるのだ。


そう、青木は『エルフの森』襲撃の際に森に星を残してきているのである。星自体は害のある魔法でもないので索敵魔法にもかからないのである。よって青木ら3名は好きなタイミングでもう一度『エルフの森』に侵入ができるのだ。


後は青木らが準備を整えるだけだ。

装備、作戦。一度の敗戦から必要と感じたものを一つ残らず手配した。


「よし、いくぞ」

ふぅと深い息を吐き、気持ちを落ち着けてから青木が林と渡辺に声をかける

「あぁ」

「おう」

2人の返事を聞き、青木はスキルを発動する。

「『星間旅行(スターズトラベル)』『(コンジャンクション)』」


王城の一室から景色が急変し、周囲の景色が木々に変わる。

森への侵入が完了したと同時に林 哲弘(てつひろ)のユニークスキル『暗殺者』で全員に『偽装』を使用、見た目をエルフの姿に変える。


そう、青木らの作戦は忍び込みである。姿をエルフに変え、国に潜入、エルフを捕らえて国に帰る。極力戦闘は避けるつもりらしい


「なんか気持ちわりぃな、いつもと違う感じで...」

渡辺 治樹(はるき)が変わった姿を見て、そう声を漏らす。

「まあ変装するなんて機会、日本(あっち)じゃなかったからな」

青木がそう返す

「とりあえず進むぞ、一応言っておくがこの『偽装』はレベルの高い鑑定を受けると看破される、ばれた場合は作戦は中断だ、流星のスキルで帝国に帰るぞ」

林がスキルの説明ともしもの時の作戦を立て、共有する

「なんでだよ?エルフの戦闘能力は大したことなかっただろ?全員ぶっ殺せばいいじゃん」

「流石に敵陣のど真ん中で戦闘を始める訳にもいかないだろ、負ける可能性のほうが高い」

「あっそうか」

「わかったらさっさと行くぞ、『偽装』の時間も限られている」

「おう」


3人は静かに森を進み始めた。



そのころ、エルフの国では

青木らが密かに森に侵入したことはもちろん気づかれず、ひと時の平和が訪れていた。

来賓の間に通された俺は部屋の中でじっとしていた、青木達がもう一度森に入ってくることを警戒し、魔力探知を常に発動。


国としても森に警備隊を多めに配備することで侵入者に対する警戒レベルを上げていた。

さらに第一階級序列10位から7位までの4名を森の警備に参加させ、序列6位から上位を国内の警備に配置。

再び来るであろう襲撃に向けて、国は準備を始めていたのだった。



森に侵入した青木ら3名は順調に国に向かって歩を進めていた。

林のスキル『隠密』により気配と魔力を極力抑え、エルフを捕まえるために標的を探していた。

彼らの第一の目的はエルフの確保。だが誰でもいいというわけではない、エルフ国内である程度発言力のある人物でなければ人質としての役割を果たさない可能性があるし、誰にも気づかれずに誘拐してしまうと人質が帝国にいるという情報をエルフ側に与えることができない。


以上の理由からある程度目立つ必要があるのだった。そのためには何が必要か?国の重要人物、つまり王に近づくことだ。

王の近辺にいる人物ならば人質として役に立つだろうし、王に近づけば必然的に騒ぎになるだろうという算段だ。



「おい、そこ」

背後から声がかかる。振り返るとそこにはエルフが6名。先頭を歩くエルフ、ヴィヴィオがこっちに向かって歩きながら声をかけてきたのだった。


「見ない顔だな、それに3人、急設された部隊という事か」

「...そっ...そうなんですよ、普段は中ばかり任されているもので勝手がわからずこちらも少し困惑気味でして....アハハ...」

青木が取り繕うように言葉をつなぐ。明確なことはしゃべらず曖昧な言葉で濁すとこによって侵入者であることを隠す。事前の準備段階で予測し、シュミレーションしたことが生きた瞬間だった

「フンッ、本来であれば脆弱なニンゲン相手に警備の増員なぞ必要なかったのだがな、まあいい。さっさと持ち場にもど......

「ヴィヴィオ、こいつら怪しいぞ......」

何とか切り抜けた。そう思った瞬間にヴィヴィオの横にいた細身で長身のエルフが声を発した。男は薄く開いた目の中にある赤い眼光を鋭くこちらに向ける。

「どういう事だ....ルイ、何が怪しい」

「こいつらエルフじゃない....ニンゲンだ」

「.......!?」

渡辺が『しまった!』という表情を出してしまった。おそらくこいつは勘で動くタイプ....『偽装』が完璧に発動して尚、見抜かんとしようとは恐るべき動物的勘だと言えるだろう。だがまだ挽回できる....


「....なんのことでしょうか」

「お前らからはニンゲンの匂いがするんだよ......臭い臭い人間の匂いがな....」

「違います...」

「............お前ら名乗れ」

「.........」


黙ったしまったその瞬間、ルイという男はその腰に下げた刀を抜き、こちらに斬りかかってくる。



ガキンッ!!!


横なぎに振られた刀を林は懐から咄嗟に取り出した短剣で受け止める。

「ここが限界だ.....やるぞ」

攻撃を受けてしまったら仕方ないと林は即座に意識を切り替える。

『偽装』を解除、3名の本当の姿が露わになる、それを見たヴィヴィオも腰に下げていた杖を構え魔法を放つ。


「殺れ!!」

「やるぞ治樹」

「おうっ!」



今。この瞬間に、城壁の外、森の端にて小さな争いの火種が大きな炎へと変わろうとしていた。

投稿をサボっている間に初投稿から一年が経過していました.....

期間を開けすぎないようにちまちま投稿していきます。これからも応援をお願いします!

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