4話.俺よりチートな師匠ができました。
助けられた四葉君、助けてくれた人は一体誰なんでしょう?
目を覚ますとそこは知らない天井だった。なんだこのよくある展開は.....................って、そんなこと言ってる場合じゃない!ヤツは........................
「やあ、起きたかい?君すごいね、あんな状態から生き残るんだ。興味深いね!」
そう言ってきたのは、若い一人の男だった、なんだ、誰だお前。
「お前とは、失礼な人だな、一応私は君を助けた命の恩人だぞ?」
まずまずなんだこいつ、心を読んだのか?なぜそんなことができる?それよりここはどこだ、ヤツは、
「あー、あいつね。デス・ボアね。追い払ったよ。」
「.........え?」
「え?って何だい?君の疑問に答えただけだよ。ヤツは私が追い払った。まあ正確に言えば勝手に逃げていっただけだけどね。」
「それより君、なぜこんな場所にいるんだい?ここはかなーり危険な場所だよ?見たところ冒険者じゃなさそうだし、逃げてきた奴隷にしては身なりがきれいすぎるな、アレと戦っていた理由も知りたいね。あとその負傷で生きているのも気になるところだ。」
「君................いったい何者なんだい?」
質問攻めだな、そんなに一気に答えられるか。こっちは声も出んのじゃ。俺のことを知りたいならまずそっちからしゃべれや。
「ふむ。口が悪いな、いや、声に出してないから口じゃないのかな?まあそんなことはどうでもいい。声も発せないようじゃ不便だろう、治してあげようか?」
上から目線だな。必要ない。自分で治せる...............「あっ自分で治せるとか思ってるだろうけど、無理だよ?君の負傷はデカすぎる、治癒の魔法で治せる範囲をとうに超えている。君はこれから少しずつ衰弱していって死に至る。」
ヤバいじゃん。どうしたらいいんだ。魔法じゃ治せないって言われたら、もう打つ手がほとんどないようなものだ。魔法で治せないならお前はどうやって俺を治すんだよ。
「いい質問だね。君は知らないかもしれないけれど、この世には、魔法のほかに魔術と呼ばれる魔法の上位互換の術があるんだ。それを使えば君を治せる。」
魔術.............?なんか聞いたことあるな.................あっ俺、魔術創れるじゃん。
(「『魔術創造』発動」)
[どのような魔術を創造しますか?]
(「この傷を治せる魔術をくれ」)
[条件で構築中..........]
[ERROR]
[創造に失敗]
..........は?どういうことだ?『魔法創造』と同じようにやったぞ。何か条件があるのか?そんなことよりまずいな。魔術を創れないとなるとこいつを頼るしかなくなってしまう。なんか癪だ。
「.......................君、今とっても失礼なこと考えてない?」
「で?結局どうするの?治すの?治さないの?」
こいつに魔術が使えて俺に使えない理由も知りたいしな、しょうがない。
俺はこの胡散臭い男の目を見て黙ってうなずく。
「わかったよ、少しびっくりするよ?」
男がそう言うと、目を疑う現象が起こった。
目の前に悪魔が現れた。実際に見たことはないが確信できる。こいつは悪魔だ。
「本物の悪魔を見るのは初めてだろう?どうだい?これが、魔術『悪魔への願い』だ。傷を治す前に1つ注意事項だ。悪魔に願いを叶えてもらうには、なにかしらの代償が必要だ。代償は悪魔が決める。これはほとんど気まぐれだ。だが、願いが大きければ大きいほど、代償も大きくなる。そこらへん気を付けて願いをするんだね。」
結構なピンチじゃん、多分だけど、この傷を治してくれって願いはまずいよな、魔法じゃ治せないんだから。かと言ってこの状況を切り抜けるような願いはそんなパッとは出てこない。いっそのこと傷を治してくれって言ってみるか?もしかしたら代償が軽くて済むかもしれない。..............だめだな、そんなギャンブルに身をゆだねたくない。
「まだかい?あんま待たせると悪魔帰っちゃうよ?」
うるせーな、今考えてるっての。こっちは初見なんじゃ、なんかいい感じのアドバイスとかよこせよ。
「そうか~、まあ迷うよね、代わりにやってあげようか?その代わり私の願いもかなえてもらうよ?」
代わりにできるなら初めからそう言えや。めんどくさいことしやがって。お前の願いでもなんでもかなえてやるから代わりにやってくれよ。俺が悪魔に願い事するよりいい条件じゃなかったら、キレるからな?
「うーん、怖いね~、まあいいか、じゃあ代わりにやっとくよ。」
「悪魔、この少年の回復魔法をしばらく封印してくれ。」
『わかった。その代わりにその小僧の傷を治してやろう。』
そう悪魔が言うと、俺の腕と足が綺麗に生えてきた。デス・ボアにやられた傷がなかったことのないようにきれいになくなった。
「ありがとう。なんだ今の?悪魔に願いを言うんじゃなかったのか?」
「そうだね、この魔術のちょっとした抜け穴かな?」
「さっき言ってた、お前の願い事ってなんなんだ?」
「あー、それね。...................君、私の弟子になりなさい。」
「............は?なんでだよ。」
「説明すると長くなるんだけどなぁ、まあ簡潔に言うと私、『賢者』の後継者になって欲しいんだよね。」
「賢者?なんだそれ。」
「そうだね、いきなり言ってもわからないか、1から説明しよう、まずこの世界には『勇者』と『魔王』がいるのは知っているね?」
(「あー、『勇者』は新城、『魔王』は俺ね。話したらめんどくさそうだし、黙っとこ。」)
「ああ、知ってるぞ。」
「『勇者』と『魔王』には因果がある。どこかで『勇者』が生まれれば、また世界にどこかで『魔王』が生まれる。そういう仕組みだ。それはこの世界の絶対のルールであって覆ることはない。」
「そこまでは理解した。それで?『賢者』ってのは何なんだ?」
「『賢者』は『勇者』と『魔王』が生まれることによって生じる世界の歪みのバランスをとるために必要な役割だ。『勇者』と『魔王』は一定の間隔で生まれ変わるんだ。『勇者』と『魔王』がいない時代なんてのもあるんだ。500年間生まれなかった時代もあるくらいだ。だが、『賢者』は違う、どの時代にも欠けてはならない存在なんだ。『賢者』が欠けてしまうと、世界のバランスが崩れ、この世界が混沌に陥るとこになってしまう。」
「混沌?具体的にどうなるんだ?」
「『賢者』が途切れてしまった時代は5,000年前に一度だけあったとされているね。私も聞いた話だから詳しいことはわからないけど、その時代はまさに混沌だったらしいよ。『勇者』と『魔王』の両者の力のバランスが際限なく上がっていくから被害は見るに堪えないものだったらしいよ。」
「力のバランスが上がっていったってのはどういう意味だ?『賢者』ってのはなんのバランスをとっているんだ? 」
「『賢者』あらゆることによるバランスの中心となる存在だ。『勇者』と『魔王』はいるだけで周囲の力を強化していくんだ。それは意識せずともね。その存在自体が力の象徴なんだ。」
「で?その『賢者』はどうやってバランスを取るんだ?」肝心なことがわからないままだ、『勇者』と『魔王』の関係はだいたい分かった。だが、『賢者』がなにをするかはわからない。俺は『魔王』としてこの世界に来た。正確に言えば『魔王の卵』の状態だが、一緒にこの世界に来た『勇者』、新城が俺とどうやってかかわるのかも知りたいところだ。
「『賢者』は、強くなりすぎた『勇者』と『魔王』を殺すために存在する。『賢者』となったものには、ユニークスキル『勇者特攻』と『魔王特攻』が付与される。両者に絶対に勝てるように神から力を受け取る存在となるのだ。魔術もその一つだね。」
結構物理的にバランスを取る存在だった....................『魔王』だけど魔術が使えそうな俺はどんな存在なんだよ。
「強くなりすぎた『勇者』と『魔王』が『賢者』を殺したらどうなるんだ?」
「神によって処理されるね。『賢者』は神から力を受け取れる、神は全能だ。この世のすべての事象を操っている存在だ。神に勝てるものなんていないね。『賢者』は『賢者』となった瞬間に神と繋がるんだ。私も『賢者』になった時に理解したよ、絶対勝てないってね。この世界の人間も魔族もすべて神の駒でしかないって理解したよ。」
「そんな『賢者』ってのは楽しいのか?」
「まあまあ楽しいよ。『勇者』と『魔王』が現れるまではただのんびり過ごすだけの生活だし。両者が強くなりすぎるなんてことめったにないしね。普段は自分の生きたいように生きてるだけでいいんだよ。私の場合は研究だね。『賢者』はこの世界のだれよりも強いからね。『デス・フォレスト』でゆっくりと自分のしたい研究をしてるだけで有意義な人生を過ごせているよ。」
(俺が『賢者』になるのはいいのか?『魔王』の俺が『賢者』?それはバランスを取る存在になれるのか?けど、興味はある。面白そうってのが一番だ。まあ極論、俺が『賢者』となった結果世界がどうなろうと知ったこっちゃない。世界の終焉より自分の好奇心のほうが大事だ。)
「....................なるよ、『賢者』。」
「ありがとう。それじゃ早速、修行に入ろうか、『賢者』までの道のりは長いよ?」
「上等だ。やってやるよ。」
「じゃあ、これからよろしくね。自己紹介をしていなかったね。私は『賢者』アルフレット・ワイズだ。」
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『アルフレット・ワイズ』
体力 1,000,000/1,000,000
魔力 1,000,000/1,000,000
攻撃力 1,000,000/1,000,000
防御力 1,000,000/1,000,000
知力 1,000,000/1,000,000
運 1,000,000/1,000,000
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スキル
『全属性魔法 LvMAX』『剣術 LvMAX』『再生 LvMAX』『時空間操作 LvMAX』『重力操作 LvMAX』『神属性付与 LvMAX』『全生命特攻』『自動レベルアップ』『決死の一撃』『死■』『即死魔法 LvMAX』『必中付与 LvMAX』
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ユニークスキル
『勇者特攻』『魔王特攻』『死の■い』
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称号
『賢者』『■■■』『死■者』『神の使い』『神徒』
よりによって俺を殺す存在が、師匠になっちゃった.......................もうやめたい。
師匠ができちゃった。これから賢者になるために修行です。頑張ろう!
『賢者』とかの設定まじムズイ....................途中で忘れるかも.....................