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39話.攻略

ボス戦の攻略は難しいほど面白い

争いは同じレベルでしか起こらない、なんて言葉がある。よく煽りの台詞として使われるが考え方を変えれば、戦い方が全く違う相手とは戦いにすらならない、と考えることができる。


『戦い方』と言ってもいくつか意味がある。例えば、テレビゲームでの強さと格闘技での強さとは同じレベルでは測れない。


これを今の状況に置き換えよう、現世と言われる世界で生きる俺の戦い方(魔法)と地獄に生きる精霊の戦い方(魔法)は全くもって違うのだ。この状況で最悪なのはこの世界の魔法は、地獄の精霊には効果がないということだ。


「ま~じでクソだな」

俺はボソッと独り言をもらす。いくら魔法を当ててもひるむ様子もダメージを負った様子もない。不幸中の幸いだったのは魔術なら効果があったということだ。あとこの状況に慣れたおかげか少し冷静でいられていることかな


「フフフ、効かん効かん」

余裕の表情を浮かべ、俺の魔法を避けようともしない地獄の精霊、『魔の支配者』が効いているおかげで精霊は魔法攻撃ができないでいる。ただ、魔法が使えなくても強い。身体強化を発動しなくても俺よりも身体能力は馬鹿みたいに高いし、俺が展開している魔法障壁を硝子みたいに割ってくる。まったく嫌になってくる。


時折精霊は魔法を発動しようとし、魔法が発動しないことに顔をしかめていた。ついには俺に向かって疑問を投げかけてきた。

「なぁ、さっきから我だけ魔法が使えないのだが、貴様だけ使えてるのは何故だ?我に何か魔法をかけたのか?」

「どうだろうな」

魔術について教える義理もないから教えなくていいか。


「まあ、いいか。貴様を殺せば解決するだろう」

そう言い、精霊はこちらに向かってきて、拳を繰り出す。俺はなんとか攻撃を躱し、縋る思いでさっきまで発動できなかった魔法を発動する。


「..........『魔剣召喚』、発動」

『魔剣召喚』。水代が精霊の力によって封印した俺の魔法。魔術による魔法封印に加え、水代に代わって地獄の精霊が出てきたこの状況で、この魔法が使える可能性は十分に高い。

「魔剣、『精霊殺し』。召喚ッ」

右手を伸ばし、何もないはずの空間を掴む


その瞬間、俺の右手には一振りの魔剣が握られていた。

賭けに勝つってのは思いのほか嬉しいものだな


いきなり現れた剣に動揺する精霊の隙を俺は見逃さない、逆袈裟に斬り上げた魔剣は腰から肩にかけて深々と精霊の体を傷つける。


「なッ?!」

さっきまで痛くもかゆくもなかった相手の攻撃が急に自分の体に傷を付けた。そんなイレギュラーな状況が未だ飲み込めていない精霊。俺は止まることなく精霊に追い打ちをかける


右から左に、左から右に。返す刀で次々と斬撃を与え続ける。魔剣を一振りするたびに致命傷とまではいかないがかなり深いダメージを与える俺。


常人には目にも止まらない速度での攻撃、一瞬にも満たないこの時間で百を超える斬撃を与えているがこれでも決定打にはなり得ない。それほどまでにこの精霊は強い、この世界の魔法が効かないので魔剣でしか有効打を与えられないのが歯がゆいところだ。


時間にして一秒、全力の身体強化と思考加速を併用して攻撃を与え、今も攻撃を続ける俺に精霊が一言。

「その剣か....」


パシッ..........


魔剣を掴まれた。この魔剣が自分に有効な攻撃を与えられるモノだと気づいたらしい、精霊は魔剣の動きだけを見て、魔剣を受け止める。そして、逆の手で魔剣を殴り壊そうと拳を振り下ろす。






........この瞬間を待っていた。


俺は魔剣を手放す。当然、魔剣は精霊に叩き割られる。


「『断絶の剣(すべてに死を)』....発動」



全力で放った魔術は精霊の上半身と下半身とを切り離すに留まらず。精霊の膝から肩あたりまでを跡形もなく消し去る。




「なぜだっ!?再生しない!?なぜっ......」

ほぼ首だけの状態でもはっきりと意識があるらしい、怖っ....

「魔法が効かない相手と戦ったのは初めてだ。よかったよ、いい経験になった」

「貴様!何をしたッ!」


水代は、何かしらの手段を用いて精霊を自身に憑依させた。相当強力な技なのだろう、水代の人格を塗りつぶすほどに。おかげで魔力の質も量も激増し、魔法さえも効かなくなった。だが、元が人間ベース。人体のほとんどを失い、再生することができなければ、死ぬ。


「お前の体を削り取ってついでに再生妨害をおまけしただけだ」

「そんなこと.....精霊の我に再生妨害など効くはずが.......ましては人間の術なんぞで....」

「お前もいい勉強になったみたいだな、じゃあな」

「まっ.......待て!」


弱りきった精霊はもう魔法を無力はできないようだった。俺は火の魔法を放ち、精霊の体を灰にする。最後に何に言いたげだったが、無視した。



「四葉......お前.....何を.......」

突然背後から声をかけられた。南だ。首を再生し、意識をようやっと取り戻したらしい

「よう、だいぶ寝坊だな、お前が寝てる間に全部終わったよ」

「水代さんは.....」

「死んだ.......殺した」

「お前ッ......


それ以上、南の口からなにかが発せられることはなかった。

予定より長くなってしまいましたがこれにて三章、終了になります。

次回40話でまとめ、次々回41話から四章になります!

これからもよろしくお願いします!

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