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27話.暗躍

謎の組織、暗躍。

夜の国 クラヤミ。どこかのスラムにて。

スラムには似合わない小奇麗な服に身を包み、軽い足取りで歩を進める一人の青年がいた。

法も秩序もないようなこんな殺伐とした無法地帯で小奇麗な青年が無防備で歩いていたら当然絡まれる。


「おい、ガキィ......金とその服よ「うるさい」せや....」

誰にも知られずに、誰にも気づかれずに一つの命が消えたのだ





とあるスラムのとある建物にて。

「おい、新入りぃ~。てめぇまた無駄な殺しをしたなぁ?汚ねぇ血の匂いを付けてくんじゃねぇっていつも言ってんだろうが」

ドレッドヘアを肩まで伸ばし、金色のネックレス、口や耳にピアスを複数ジャラジャラとぶら下げた趣味の悪い男が部屋に入ってきた青年に怒りをぶつける


「なに~?ファルス、またオルガに怒られたの?やつ当たりとかやめてくれます~?キモイよ?」

「.......チッ、クソガキが....」



「.......無駄話は終わったか?ミナミ、ファルスを煽るのはやめろと何度言ったらわかるんだ。ファルス、貴様もミナミにいちいち突っかかるな」

「.....は~い、ごめんなさ~い」

「....チッ」

奥の扉を開け、入ってきたのは全身黒ずくめの長身の男


今入ってきた黒ずくめの男とは正反対の白い聖服に身を包んだこの場には似合わない女性が黒ずくめの男に話しかける

「それで?私たち幹部をわざわざ集めた理由は何ですか?私は布教活動で忙しいのですが。そもそもこんな汚いところに来たくはないのですが.....」

「そう言うなスフィア、今回は特例の召集だ。先日王国で起きた騒ぎについてだ」

「あ~あの魔王がなんたらとか言われてるやつ?」

「犯人については不明瞭な点が多い、今はそれについてはどうでもいい、我らが主が気になさっている点は『勇者』についてだ」

「『勇者』ですか?!そんな情報、聖国では聞いたこともありませんよ?」

「そうだ、現れたはずの『勇者』の情報が広まることなく情報が途絶えている、これは異常事態だ」

「そうです!『勇者』は人類の希望!早急に保護しないと.....!」


スフィアと呼ばれていた聖服を着た女性は足早に部屋を出ようと手荷物をまとめる

「スフィアっ!待て...!」

「待ってられません、一刻も早く王国に向かわなくては.....」

「『勇者』はもう死んでいる可能性がある、と言ってもまだ行きたいか?」

「....なんの冗談ですか?『勇者』は神に選ばれし真の強者です、そんな簡単に殺されるはずがありません」

「この状況で私が冗談を言うと思っているのか?事実だ。『勇者』の誕生を感知したのち、消息が途絶えている、王国が情報を隠蔽している線も考えてみたがやはりもう死亡している可能性が高い」

「そう....ですか......」

「.........あの騒動で死亡した者の中で『勇者』になりえた可能性があったのはSランク冒険者 ウルディア・グリアスと王国聖騎士団団長 レオン・デトロイトの2名、順当に見れば『勇者』に覚醒したのは聖騎士団長の方だろう」

「うわっ!レイブン?!いたの?きみマジで気配消して部屋入るのやめてくんない~?」


部屋の端にひっそりと佇んでいた男がいきなりしゃべりだし南 明久が驚いた反応を見せる

「.............フッ」

レイブンはそんな南の反応に冷たく反応する

「相変わらず冷てぇやつだこと~」


「あの、もういいですか?『勇者』の所在について聖国に戻って調べなくてはいけないので」

「王国には行くんじゃないぞ?、聖女である貴様が他国をうろちょろするのはどう見ても怪しすぎるからな」

「........はぁ、はい、じゃあせめて王国での騒動の詳しい資料をこちらに寄こしてください聖国に戻って整理します」

「その程度ならいいだろう、準備させる」






フィオナが部屋を去り、黒づくめの男から各自指令を受け、解散となった後。


「ねぇねぇねぇファルス~。フィオナ、絶対王国行くよね?」

「.......近寄んじゃねぇって、新入り。敬語使え」

「いいじゃ~んそんな堅苦しいこと言わないでさぁ~」

「........ぜってぇ行く」

「だよね♪あとで絶対怒られるな~」

「そんなことより新入り、頼まれた指令、ちゃんとやれよ」

「あいあ~い、わかってるってあのくらい余裕よ~余裕」

「........ハンッ、ヘマしたら笑ってやるよ、しくじんなよ?」

そう言い残しファルスと呼ばれる男は部屋を去った。



話し相手がいなくなった南は少し不貞腐れた感じで伝えらえられた指令を果たすために部屋を出たのだった









冒険者ギルド本部にて。

「現場にいた青年の目撃情報は依然として進展はなしか........遠いな........」

アーサーは仲間からの資料に目を通しながら行き詰ったように机に突っ伏す

「リーダーよぉ、こんなこと言うのは負けかもしんないけどさぁ、もうあきらめてもいいんじゃねぇか?もう十分探した、だがなんの手がかりも掴めてないこの現状。あきらめるには十分すぎるって」

「........いや、あきらめないさ。仲間の無念を晴らすためにも私はあきらめる訳にもいかないんだ」

「リーダーがそういうならおれも捜査を続けるよ」




俺はギルドからの簡単な依頼を受けて報酬を受け取り、寝る。そんな質素な生活をしていた、今日もギルドからの依頼を受けに行こう


ギルド本部に入り、受付嬢に話しかける

「どもっす、なんか仕事ありますか?」

ギルドカードを受付に渡し、簡単な仕事を受けさせてもう

「おはようございます、ヨツバさん。そうですね、今ある簡単な仕事と言ったら北区の鉱山にある鉱石採取ですかね、魔鉱石をいくつか採ってきてほしいと鍛冶屋からの依頼がありますね?受けますか?」

「あぁ、良さそうっすね、それで」

「はい、かしこまりました。依頼書です、サインお願いします」

「はーい」

さらさらと依頼書にサインをし、俺は依頼を果たすために北区の鉱山に向かう





「冒険者ってのも案外楽な職業だなぁ、なんか騒ぎが起こらない限りは基本的に平和だしなぁ、おっ、ここかな?」

クラヤミ鉱山。なんともシンプルな名前、山自体に魔力が流れていて中が魔力によりいろいろと変化している、言ってしまえばダンジョンだ、鉱山は入り口付近は整備された安全な道だがちょっと進むと岩肌がむき出しになった険しい道となる、いろいろある岩の中から魔鉱石を見つけ出して持ち帰ろうってのが今回の依頼だ。


依頼は順調だった、適度に魔鉱石を回収しながら適当に進む、たまに魔物が出ては討伐してまた進む、順調だった。





鉱山に入ってしばらく経った頃、ジャラジャラと軽めの金属同士がぶつかる音が聞こえたのだ、聞きなれない音のほうに向かうとそこにはネックレスやピアスを付けたドレッドヘアーの筋骨隆々の男が鉱山の奥の方に迷いなく進んでいくのを見かける


........誰だ?あれ?ギルドで見たことない人だな?

あんな豪快なやついたら目立つと思うんだけどなぁ


俺はその男をひっそりとつけてみるとこにした、その男はたまに出てくる魔物をものともせず悉く蹴散らし突き進んでいく。

男の足取りは探索とは思えないほど迷いがない、まさかこいつここに住んでるのか?



男は目的地に着いたのか足を止め、周囲を警戒しながら壁に向かって歩き出し、壁をすり抜けたのだ。

「幻術魔法の類か?........『千里眼』でも見通せない、かなり強力な魔法だな」


気になる。.......が関わるとめんどくさそう。どうしようか、せめて中の状況だけでもわからんものか....

物は試しだ、レッツ挑戦。

(「『魔法創造』発動、『聴力強化』習得&発動」)

周囲100mのあらゆる音を拾う魔法、関係ない音は脳内処理でカット、中の会話だけを聴く


「......準備は順調か?」

「はいっ!滞りなく進んでいます!」

「起動するまでにはどれだけかかる?」

「魔石や魔鉱石は十分に足りていますのであとは魔力の抽出だけですね、半日もかからないかと」

「そうか、続けろ」

「はいっ!」



なーんかよくわかんない計画の一部始終を垣間見てしまった気がする......

男が壁から出てくる、そしてまた先ほどと同じような調子で歩き始めたと思ったら突然足を止めた


「おい!誰だ?俺様のことをのぞき見してる野郎はよぉ!」

魔力の解放、なかなかの魔力量だな


ここで出るべきか?今出れば面倒ごとに巻き込まれないかなぁ?

「さっさと出てこい!俺様を待たせんじゃねぇ!!」


ドゴンッッ!!!と岩の壁を叩き、壁に蜘蛛の巣状のひびが入る


あっ、これ出ていかない方が良いな............逃げよう。

俺はひっそりと気配を消し、その場からの逃走を試みようとするが男から聞き捨てならない言葉が飛んでくる

「この壁の中には巨大な魔法陣がある、それは大爆発の魔法陣だ!俺様は今すぐこの鉱山を爆破するとこができる!今から10秒以内に出てこなかったら即座に爆発させるぞ!!!さっさと出てこい!」

男は10.......9.......8.......7....とカウントダウンを始める。

......クソッ、詰みか


「.....3.....2.....」

「ここだ!」

「あぁ?!そこかぁ!クソネズミ野郎が」

俺は隠蔽の魔法を解除し、男の前に姿を現す


「てめぇ、こんな場所でなにしてんだ?!」

「俺は冒険者ギルドからの依頼中、こんな所で何してんだ?はこっちの台詞だな、魔法陣だとか爆発だとか、めんどくせぇからやめてくんねぇかな?」

「黙れクソネズミ、冒険者ギルドだぁ?あぁ、あの新入りが殺したとか言ってたやつらの仲間か」

「..........新入り?なんの話だ?」

「ネズミ野郎には関係ねぇよ、まあいい、ここを知っちまったからにゃ生きて返すわけにはいかねぇ、無駄な殺しは嫌いなんだがな、仕方ねぇ、ここで死んでけや」


いきなり殴りかかってくる男、俺は後方に飛ぶことで回避をする、男は拳をそのまま地面打ち付けに壁と同じようにビキビキとひびが地面に走る


「質問に答えてくれねぇかな?爆発ってなんだ?なんのために?」

「関係ねぇって言ってんだろ、死ねっ!」

右の大振り、パワーはあるけどスピードがねぇ、躱すのは容易い


こいつらは何らかの理由でこの鉱山を爆破しようとしていたことがわかってるからこのことだけでもギルドに報告に行くか?けどこいつ逃がしてくれなさそうだよなぁ


連続で殴りかかってくる男を躱しながらどうやったら逃げられるかを考える

とりあえず距離取るか.....攻撃を躱し、隙だらけの胴体に手を添え魔力で押し出す

「『魔力勁』」

ドンッと向こう側の壁に飛んでいく男、その隙に俺は逃亡を図る

「『疾風』!」

ビュンッと加速し一気に逃げる



「はぁ、何とか撒けたよ、一応ギルドに報告しとくか」

逃げたはいいものの一応あの男のことが気になったので『千里眼』で覗いてみる。『聴力強化』を限定的に発動することで『千里眼』で見ている場所の音も聞こえるという便利セット魔法を発動



「クソッ!逃がした!」



「あれれ~?ファルス。なんでそんなにボロボロなの~?まさか誰かに負けたの?だっせぇ~」

「!?......いたのかよ新入り、これはただのほこり汚れだ」

「じゃ~なんでそんなにほこりまみれなん~?誰かと戦ったんでしょ?誰?冒険者ギルドの人?」

「あぁ冒険者ギルドの依頼でここに来たって言ってたな」

「ふ~ん、ただその冒険者の死体が見えないけど~?ちゃんと殺したんだよね~?」

「...........にげられた......」

「えぇ~?なんだってぇ~?声が小さいから聞こえないなぁ?もうちょい大きな声で言ってもらえますぅ?」

「だから逃げられたって言ってんだろ!」

「は~い、ドジやらかした~!ざまぁざまぁwwwwwww」

「クソガキがぁ、殺すぞ?!」

「たかが冒険者に逃げられるようなポンコツに僕は殺せないよ~だ、って言うか冒険者逃がしたなんてオルガに知られたらいよいよ殺されるんじゃない?」

「......クソッ!ちゃんと始末してやるよ、それまで黙ってろ、新入り」

「人にものを頼むときはそれ相応の態度ってものがあるんじゃないんですか~?せんぱ~い」

「......チッ!頼む、オルガにはしばらく黙っていてくれ.........」

「あいあ~い、じゃあちゃっちゃと殺しちゃってね?その冒険者、僕も手伝ってあげるからさ」

「あぁ、感謝する」





状況の確認で見てみたらそこにいたのは元同級生の南 明久だった。なんと男と南は繋がって、仲間だったのだ、しかも俺の命を狙っている..........クソめんどくせぇ

とりあえずギルドに戻って報告するか、これらかどうしようか、俺の命を狙う者が2名そのうち一人は元同級生



まあ俺に喧嘩売るってんなら殺すだけだ。


悪の組織にはお調子者がつきものだよね、あとは無口。テンプレ通り


次回28話は12/28 12:00 投稿予定です。

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