第十四話 吸血。
「私の家は代々、剣の才能が長けていてな。より良い剣の才を血に取り入れる為に剣を交え、勝った者へ嫁ぐと言うのが家訓で……」
シルクさんは顔を赤くする。
「いや、で、でも、僕に負けたんじゃなくてリリムに負けたわけだし」
「ヨナ君とは一心同体なのだろう?なら同じだ」
「いやそれもリリムが勝手に取り憑いていて僕達を騙しているのかも知れませんし!!」
「やはり、私の様な者ではダメか?」
シルクさんが上目遣いで見つめてくる。
「そ、そんな訳では……シルクさんはすごく魅力的だし……」
僕が小さな声返事をする。
「ならば!!」
ドンッ
僕は後ろにあったベッドに押し倒される。
「いてて」
シルクさんは僕の瞳を見つめる……
「綺麗な紅色だな」
僕は自分が悪魔と証明する為に瞳の隠蔽魔法を解いていた。
シルクさんの顔が近づいてくる
これって……
シルクさんが目を瞑る。
「すみません!!」
シルクさんの肩を押し返し自分の体を起こしシルクさんから離れる。
危ない所だった……
「やはり……」
「いや、あのその……」
シルクさんは目頭に涙を溜めている。
「すみません!!その!!僕には好きな人がいて!!それで!!浮気はダメって…言われて……じゃなくて浮気はダメだって思ってて!!」
僕は混乱からか素直に思いついた事を手当たり次第に口に出す。
「そうか……」
「その、ですから……」
「大丈夫だ!!この国は一夫多妻が認められているからな!!」
この人は何言ってるの?
「浮気がダメって言ってるのに一夫多妻ならいいよってなるわけ無いじゃないですか!!」
「そこは女同士の話し合いで何とかする!!それにこれからヨナ君にはフィアンセがたくさん増えそうだからな」
「冗談でもやめてください!!」
それから、シルクさんの謎の妄想が始まった。
途中僕は呆れてツッコムのをやめた。
最終的に僕に14人の子供と7人のお嫁さんが居ることになっていた……
『おい、ヨナ。しょうもない事言っとらんと早く吸血しろ』
リリム!?
大丈夫!!
『ああ、長く戦いすぎたせいで体が持たんくなって。体力を消耗しすぎた』
『と言うかタイムリミットは後30分や』
え!!もうそんなに!?
『早よ』
わ、分かったよ……
「それで、それでひ孫の顔を見るまではヨナ君といっしょに……」
「あの」
「どうした!!旦那様!?」
なんか呼び方が変わってるんだけど……
何この生き物、すごく目がキラキラしてる。
多分尻尾があったら千切れるぐらいブンブンなんだろう。
可愛いんだけど……
「さっきの話に戻るんですけど。僕は今経験値を10年間体に溜め込んでいる状態で……」
シルクさんは打って変わって真剣な表情をする。
「確か、吸血行為をすることで細胞が活性化し経験値を吸収する事ができるのだったな」
「はい……えっとその」
「血がいるのだな?」
僕がなかなか言い出せないでいるとシルクさんは服を少し緩め、首元から胸元にかけての肌を露出する。
「ヨナ君、早くするんだ」
シルクさんは頬を赤らめる。
ドクンッ!!
心臓が熱くなる。
ヨナはシルクへ近づき首元へ口を持っていく。
「くっ……」
ヨナの鋭い牙が肌に当たるのを感じたと同時にチクっとした痛みがする。
「はぁ…ん…んっ」
シルクはなんとも言えない快感に思わず声を漏らす。
「よ…なぁくん……ちょっ…まって…く……」
しばらく吸血行為が続き、ヨナがシルクから離れる。
シルクさんは蕩けた表情をして息を切らしている。
うわぁ……
やりすぎだ。
「すみません…衝動が治るまで時間がかかってシルクさんのこと考えれ……むぐっ!?」
ヨナとシルクの唇が重なる。
「ちょっむぐっシルクさんやめ……」
疲労からか身体に力が……押し返せない…
シルクさんは口の中に無理やり舌を侵入させる……
■■■
「すまない……ヨナ君…はしたない事をしてしまって」
あの後シルクさんの状態を見に来た医師の人は僕が襲われているのに気づいて止めに入ってくれた。
僕は医師さんのおかげでシルクさんから離れる事ができて何とか別室へ逃げ込んだ。
15分程が経ち、こうして謝りに来てくれたみたいだ。
「こちらこそ…すみません!!リリムに聞くと吸血行為で血を吸われた方は高い催淫効果があると。その、本当にすみません!!」
あの後リリムが話しかけてきて吸血行為にはそう言う効果があると教えてきた。
先に言えよ!!
『またビビって吸血せんかったらどないすんねん』
ま、まぁたしかに…死んでたかも。
「そんなに謝らないでくれ。私も防げなかった訳だし」
そう言って微笑んでくれる。
「大丈夫ですか?」
「何がだ?」
「好きでもない相手なのにキスなんて気持ち悪くないですか?」
シルクさんはしかめた顔をする。
なにか気に触ることを言ってしまったかな?
『お前…アホなん?』
「私が好意を持ってない男に自分からキスをする尻軽女だとおもったか!?」
「い、いやそんな訳では…」
「ほんと、君は鈍感だな!!」
シルクさんはそう言って部屋を出て行ってしまった。
「え、何で?」
ヨナとしてはシルクを気遣っての言葉だったが逆にそれがシルクのプライドを傷つけた。
『あーあ』
どう言うこと?
リリムは分かるの?
『分かる』
じゃあ、何でなの?
『教えたらん、あの女が可哀想や』
『よー考えて、ちゃんと謝らなめんどくさいぞ』
う、うん分かった……
『と、それよりや。お前ステータス見たか?』
あ、忘れてた。
『おもろいぞ』
【名前】ヨナ
【種族】エルフ【性別】男
【年齢】15歳
【称号】悪魔憑き 忌み子 魔王の子
【レベル】246
【体力】3,089,760/3,089,760
【魔力】3,575,610/3,575,610
【スキル】(MAX Lv.10)
武術Lv.6
体術Lv.7
神剣術Lv.5(ユニーク)
魔剣術Lv.7(ユニーク)
剣術Lv.9
隠蔽Lv.10(MAX)
鑑定Lv.10(MAX)
魔法耐性Lv.10(MAX)
物理耐性Lv.10(MAX)
アイテムボックスLv.10(MAX)
魔王の瞳Lv.1(ユニーク)
【魔法】(MAX Lv.10)
炎魔法Lv.1
氷魔法Lv.1
水魔法Lv.1
風魔法Lv.3
土魔法Lv.1
雷魔法Lv.1
光魔法Lv.5
闇魔法Lv.8
時空魔法Lv.1
身体強化魔法Lv.10(MAX)
生活魔法
【加護】
魔王の加護
神の加護
ん?
やりすぎじゃない?
いつもご拝読いただきありがとうございます。
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全て読ましていただき返信させていただきます!!
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