とびうお
潰れそうな身体を引きずり、色褪せた枕に顔を埋めると、決まって同じ夢をみる。
空を飛ぶ夢。
息を吸った。
たくさん吸った。
その分、遠くへ行けた。
暗い海の底からなるべく遠くへ。
明るい光が当たる場所を求めて飛び出した。
そこにある空は自由で明るく、暖かかった。
でも、なんだか少しくるしくて、
いてはいけない気がして、
いつも通り動けなくて、
息も吸えなくて、
声がでなくて、
泣きそうで、
______目が覚める。
ようやく吸えたはずの空気は澱んでいて、どれほど吸っても、何も変わる事などなかった。
身体が沈むほど重い。
重い瞼を擦ると、消し忘れていた豆電球が点いていた。
その光は今にも消えそうに揺らいでいた。
また、暗い海の底へ戻されたみたいだった。




