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セカンドライフへ、ようこそ!  作者: リンスズラン
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6章

 6章 ようこそ、クライン町へ


 クエストを受けてから、わかったのだが、隣町からの依頼だ。王都からどのくらい離れているのか地図を見たところ、そんなに離れていないことがわかった。一応、乗り合いの馬車があるのがわかったが、路銀の節約の歩いていこうとしたところ、

「私、歩くの、いや」

と、フレイアが断固拒否してきた。聞く耳持たずに馬車に乗り込んでしまった。しかも、料金を払わず。そのため、御者ぎょしゃの人ににらまれしまい、しぶしぶ二人分、俺がはらうことになった。

 俺が馬車に乗り込むと、フレイヤ以外のほかの人はいなかった。ただ、この後に、来るかわからないため、少し詰めて座ろうとしたところ、

「誰の許可を取って隣に座ろうとしているの。冗談は顔だけにして頂戴。」

このやろう、顔だけはいいんだからモテモテよ、とメリーおばさんから言われているんだぞ。でも、メリーおばさんの旦那さん、どちらかというと不細工だったなと思いながら、少し離れたところに、座った。そうしたら、馬車が動き始めた。

 馬車に揺られて、少し経ったところで、改めて、クエストの詳細を確認することにした。

 依頼内容は、町の地下水道の魔物退治。対象の魔物は、スライム。数か月前ぐらいから少しずつ出現し始めて、まだ住民に被害はないが、今後、襲われる可能性を考慮して、今のうちに駆除しようとのこと。依頼主は、その町を統治しているクライン男爵。男爵は、数年前にあった大規模魔物襲来で武勲を立てた人で、その功績をたたえ、その町の統治を任されているそうだ。と、依頼内容や依頼主の情報を頭に叩き込んでいるさなか、フレイヤはというと、横になって、寝ている。着いたら、たたき起こしてやると思いながら、急な睡魔に襲われるのであった。

「ゴン!!」

という音が脳内を駆け抜けていった。頭を何かでたたかれたらしい。目を開けて確認すると、フレイヤが目の前に立っており、持っていた杖で、たたいたのである。

「何寝ているのよ、行くわよ。」

と、馬車から降りるフレイヤ。やさしく起こしてもいいじゃないかと思う俺。

持ってきた荷物を手に持ち、馬車から降りた。

 町の名前はクライン町。クライン男爵の名前からそのまま取って付けられた名前だそうだ。町の繁栄具合は王都にそれなりに近いから、結構栄えている。街道が町を貫いているので、人の往来がそれなりにある。王都にある大通りをそのまま切り抜いてきたかの風景が広がっていた。

そんな感想を抱いていると、

「遅いわよ、早くしなさい、グズ。」

と、パーティメンバーのフレイヤに怒られた、どうしてだ。フレイヤの態度に悶々としながら、クライン男爵がいる屋敷に行くのであった。

 クライン男爵の屋敷は町の中央に位置していた。豪邸と程ではないが、ほかの家とは違い、大きい。ただ、質素な外観で権力を振りかざせていない感じがした。門番の騎士にラーストーンを見せて、クライン男爵の依頼を中注した冒険者であることを伝えた。騎士は、ラーストーンに刻まれた依頼受注の情報を専用の装置で確認し、しばしまたれよ、と言って、中にいるであろう人に連絡していた。しばらくすると、執事のような人が出てきて、屋敷に案内された。屋敷内は、外観と同じくらい質素な内装ものだった。大きな絵画や鎧などはなく、逆に殺風景だった。

「もともと小貴族の別荘でしたが、クライン様が男爵になられた際に、譲渡されまして、お住まいにされました。その時はきらびやかな内装でしたが、クライン様が気に入らないといって、今のような質素な内装に作り変えました。」と、顔に出ていたのか、執事さんが教えてくれた。前を歩いていた執事さんが止まり、振り返った。

「申し遅れました、私はバートンと申します。どうぞ、よろしくお願いしまう。」

 再びバートンさんに連れられ、応接室らしい部屋に案内された。少しお待ちください、とバートンさんに言われ、ソファーに座って待つことにした。少し待っていると、扉が開いた。扉から入ってきた人はまずはバートンさん、バートンさんはそのあとから入る主のために、扉を押さえていた。次に名は行ってきたのはこの屋敷の主であろう、クライン男爵のようだ。男爵の格好は屋敷と同じく質素な見た目で、背格好は騎士出身のため、少し大き目。男爵は俺たちを見ると好奇な目をして、

「よく来てくれた。」と、俺たちの前まできた。座りっていると印象が割ると思い、俺は、立ち上がったが、フレイアは座っていた。仕方なく、俺は、クライン男爵に挨拶をした。

「私は冒険者のラインバルトと言います。こちらは、フレイヤ、同じく冒険者です。よろしくお願いします。」と端的な説明をして、少し頭を下げた。クライン男爵が目踏みをしたあと、ソファーに座ったのを確認して、俺もソファーに腰かけた。

「早速ですが、依頼内容の確認をさせてください。」と俺は、馬車内で依頼書を確認した内容を改めて、クライン男爵に聞いた。あえて聞き直すことで、最新の情報が聞き出せるかもしれないと思い、聞いてみた。その間、メイドさんがお茶をお持ちしましたと言って、紅茶とお菓子がテーブルに並べられていった。

「というのが、こちらで把握している内容ですが、ほかに新たな情報とかありませんか?」と聞いたところ、

「実は、数日前に冒険者パーティがこの町の来ていましたが、地下水道の話を聞いて、どうやら、向かわれたようで、それ以降、帰ってきていないと、宿場の店主から報告が来ています。」とクライン氏が教えてくれた。ギルドが発行した依頼はほかの冒険者が勝手に達成されていることがある。その場合、後から報告知れば、問題はないが、この時の受注費は本来の倍以上払わされることがある。一応、依頼主から直接受けられれば、チャラになるが、クライン氏のようなところだと、ちゃんとギルドで依頼を受けないと、いけない場合、内緒で攻略するパーティもいなくもないらしい。今回は内緒で攻略しようとして、2次被害を被ったようだ。つまり、地下水道のスライムを倒しつつ、冒険者パーティの救出が依頼のようだ。そう考えているとクライン氏が

「心配いりません、報酬金はその分、上乗せします。」と、言ってくれた。危険が増える分、お金を上乗せしてくれるなんて、なんて優しい方なんだと思い、テーブルにおかれている紅茶に手を付けた。実は紅茶を飲むのは初めてで、どんな味がするのだろうと飲んでみたら、渋みがすごい。これは、俺は、好きじゃなと思い、隣のフレイヤも俺と同じタイミングで飲んでいたので、どんな顔をするのだろうかと、横目で見たところ、少なくともおいしそうな顔をして飲んでいた。これは味覚のや好みの問題だなと思い、テーブルのカップを置くのであった。

 地下水道に行くのは明日にして、今日はクライン邸の客間に案内された。今日は体よりも、頭の方が疲れたので、少し横になった。布団が気持ちいなと思っていたら、扉をたたく音がした。誰だろうと思い、起き上がり、出たところ、フレイヤがそこに立っていた。何か用かと聞こうとしたら、

「ちょっといい?明日なんだけど、私、下位魔法しか使わないから。」と言った。

何のための宣言だったのかわからないが、むしろ、下位魔法を軸に闘ってくれるならありがたいところだ。

「そうか、それだけか?」と聞くと、それだけと言って、部屋に戻っていった。

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