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セカンドライフへ、ようこそ!  作者: リンスズラン
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4章

4章 ようこそ、Eランクへ 前編


 初のクエストをクリアしてから、4日たった。

 「クエスト成功おめでとうございます。今日で、FランクからEランクへ、昇格しました。」

 そう、ベルさんのいう通り、今日でランクが上がったのである。

 「グランさん、すごいですよ、当ギルド最速でランクアップです。」

 本来なら、7日かかるらしいが、それを4日で終わらせたのは、初であったようだ。

 「いえいえ、たまたま、運が良かっただけですよ。」

 そう、Fランクで受けられるクエストで一番かかるのは、猫探しである。しかも、ただの猫ではなく、逃げるのが相当うまい猫というのをあとから知った。どうやらその猫は毎回逃げ出すようで、飼い主さんも毎回困っているそうで、いつもギルドに相談しているそうだ。ギルドとしては、逃げる猫を追いかけて、捕まえてもらうのと同時に、どんなクエストでも、受けたら、最後までやり通す精神を培ってもらうために、このクエストだけは、途中で破棄することができないようになっている。ただし、それだと不公平のため、ランクアップのポイントが高めに設定されているのだ。そして俺は、このクエストを2回受けている。そのため、早くランクが上がったのである。

「いや、まさか、受注してから目の前にいるなんて、思わなかったですよ。」

 受注したら、すぐに捕まえられた、それも2回連続で。

「それでも、すごいですよ。足が早い子なので、すんでのところでも捕まえられない人が多いですから。」

まあ、それはコツがあるというかなんというか。

 これ以上は、話がややこしくなりそうだったので、今日は早めに退散することにした。

「今日は早めに終わったし、すこし王都をぶらつくかな。」

 想定以上に早く終わったので、まだ行ったことがない地区に行くことにした。まだ行っていないところは、役人が働く行政区、騎士団がいる騎士区、武器などを生産する工房区の3つだ。ちなみに王都は、ほかに、王城やギルドなどがある中央区、商店が並ぶ

商業区、港が隣接している港区、多くの住人が暮らす住居区の計7つの区で分けられている。ただ、分けられてはいるが、商業区でも人は住んでいるし、港区でもものの売買はされているので、あくまで、大体の感覚で分けられている感じのようだ。まずは、近くの行政区から行くことにした。

 行政区はあまりにも静かだった。人の往来はあまりなく、ただ、周りの建屋からは、人の気配はする。政治の中心は王様だけでは成り立たない、そんな雰囲気だった。

 次に、騎士区。こちらは先ほどと打って変わって、賑わいがあった。ただ、この賑わいかたは、人の話声ではなく、怒号のほうが、強かった。騎士団の訓練中のようで、塀の裏では、金属がぶつかる音が聞こえる。

 最後に、工房区。ここは、先ほどに2区と違い、人の往来やにぎわいがかなりある。また、先ほどの騎士区でのの剣同士のぶつかり合う音とは違い、小気味がいい音が響いていた。

そろそろ帰るかと思ったところ、何やら、騒ぎがあるようだ。野次馬精神で人だかりに混ざると、そこにはローブに杖といかにも魔法使いの女の子と、ちょっと道を外していそうな二人の男がいた。

「ちょっと、あんたたち、それ、私が先に狙っていたんだから私に渡しなさいよ。」

「いやだね、これは俺たちが見つけたんだ、先に手に取ったのは俺らだから俺らのものだ。」

 どうやら、店に合った商品の取り合いがあったらしい。女の子ほうの言い分は、目を付けていたのだから私のものと主張。一方、二人組は先に手に取っていたのだから、俺たちのものと主張。

・・・・これ、女の子の方が暴論なのでは?と、周りにいた人たちも頭にはてなを浮かべながら、話を聞いていると、

「もういいわ、実力で奪ってやる。」

女の子は杖を二人組に構えた。これはやばいと思い、野次馬集団の前のほうに出た。

「お、やるのか。俺たちはザイラスブラザーズだと知って噛みついてくるとはいい度胸だ。」

と男たちも、ナイフを取り出して、臨戦態勢をとった。

 普通なら魔法使い二人組のチンピラならチンピラの方が有利だが、広域魔法を使うなら、話が別だ。この辺一帯の人に被害が受けてしまう。なので、、女の子が魔法を放つ素振りを見せたら、取り押さえないといけないと思い、腰を低くした。

「いくわよ、【炎神の炎よ、かの者に永遠に等しい紅蓮をまとわせ・・・・・】」

あー、これはダメな奴だ。これは周りに被害が出るやつだ。

 呪文詠唱の内容は火の上級魔法、レッドブレイズだ。対象の周りに炎の渦をまとわせ、死に至らせる魔法だ。ただ、魔法はランクが上がれば上がるほど、発動時のリスクが高くなる。一番下級のファイヤーボールなら、不発に終わるのだが、上級までになると、無差別に人を襲うようになる。そのため、前衛が魔法使いを守るのが、一般的だが、彼女にはそんな人はいない。その状態で、何たらブラザーズが攻撃を仕掛けてきたら集中が途切れ、周囲に被害が出てしまう。その結果大惨事となるだろう。案の定、小さいほうの男が、動いたので、こちらも動くことにした。

男は俺が急に出てきたため、少し、驚いていたが、持っていたナイフで切りつけてきた。カーラの時とは違い、受け流すより、剣で受けたほうがいと思い、剣で受け流した。久しぶりに抜いた愛剣は、白くすらりとした見た目ではあるが、ナイフのそれとは比べものにならないくらいしっかりしている。

受け流した後、移動した勢いで男の腹に蹴りを入れようと考えたが、大柄の男が、突っ込んで切るとわかり、後ろに動いて距離を取った。

「なんだ、兄ちゃん、こいつの仲間か?」と聞かれたので、

「違う」と答えた。

「何ならなんで、こいつを守るんだ?」

と聞かれたので、

「このまま、あんたらにこの子を攻撃されるとやばいんだ、マジで。」

とさっきの事情を周りにいる人たち全員が聞こえるように説明した。その結果、あれよあれよと人は逃げ始めた。なんならなんちゃらブラザーズも逃げ出した。なんだ、この地獄絵図。と、こうしてはいけない、俺も、逃げないと思っていたところ、

「【・・・・わが敵を、焼き払え、レッドブレイズ】」

詠唱が完了してしまった。しかも、彼女の目の前にいるのは俺。

俺死んだかなと思い、目をつぶった。

・・・・

・・・

・・

いつまでたっても、炎にあぶられないので、ゆっくりと、目を開けると、さっきまで立っていた女の子が倒れていた。別に誰かが倒した感じはなさそうだったので、もしかしてと思い、顔を見ると、目を回してた。そう、彼女は魔力切れを起こしていたのである。魔力切れは低ランクの魔法使いが上位のランクを魔法を唱え終わった際におこる現象。つまりこの子は上級魔法を唱えられないのだ。と、騒ぎを聞きつけた騎士団の人が向かってきたので、倒れた女の子を抱え、その場を逃げることにした。

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