序章、1章
ご精読ありがとうございます。初めての投稿です。長期で連載予定です。週1ペースで更新予定でいます。よろしくお願いします。
序章
「王都についたら、たらふくうまいものを食べよう!」
そんなことを口に出したら、俺のことを覗き込んでいた、子供たちが不思議な顔して、お兄ちゃん変と言われてしまった。
笑ってごまかしたが、子供たちは変なお兄ちゃんと言ってさってしまった。
今まで生きてきた中で傷ついたかもしれない、いや、今までそんな場面に出会わなかっただけで、本当はあったかもしれない。
そんなことを思いながら、窓から外を覗くと、まだまだ、ここは海の上のようだ。
機関室の音が少し聞こえる3等客車で様々な人が乗っている。その中の一人に、俺、グランバルト・アーケインは、王都行きの船に乗っている。
船旅は酔うと、親父は言っていたが、小刻みに揺れる遊覧船にしか乗ったことがない親父のいうこととは裏腹で、俺が乗っている、この高速巡行船は揺れが少なく快適に思える。
ふと、親父殿の旅の教訓を思い出したところで船内アナウンスが流れた。
「後30分で王都アラバナスタに到着します。下船される方は、各乗降ドアからお降りください。また、王都では・・・」
1章 ようこそ、王都へ
長く付き添った船から降り、体がバキバキになりながらも、王都についたんだなと思う。なぜなら、港を抜けたすぐ近くの路地は露店がいっぱいだからだ。地元の港も船が行き来するぐらいの規模であったが、すぐ近くに露店はなく、少し離れたマーケットで販売など行っていた。
これが、地方と都市の違いかと思いはせながら、露店を見回っていこうと思った。
もちろん目的は飯だ、船の飯は、保存が効く塩漬けの肉の串焼きや、干した魚を使った煮込み料理がほとんどだったため、新鮮な食事にありつきたいと思っていた。そのため、船内で漏らした一言は、正しかったかもしれない。
と思いつつ、露店を物色したところ、うまそうな串焼き屋を取り扱っている店があったので、クアッド牛の串焼きを3本、購入した。食べ歩きは、少し不衛生と思っているが、それが風情だと思い、串焼きに食べることにした。
「う、うまい」
なんてない串焼きでこんなに感動したのは、初めてかもしれない、そのぐらい感動してしまった。まず、肉が肉肉しかった。食べたら広がる肉汁のうまみ、船の上で食べていた干し肉とは雲泥の差だった。そして、肉がやわらかい。噛んだだけで切れる肉は干し肉のそれとは違ってうまかった。これだけは言いたい、食べてよかったと。
串焼きを食べながら、王都を回ろうと考えた。こんなにうまいものを食べるなら王都中を望める広場で食べたらうまいんだろうと思って、歩き回ったのだが、道に迷ってしまった。
道を覚えるのは得意な方だったが、ここまで入り組んだ地形では慣れていないと迷ってしまうだろう。来た道を戻ろうと思ったが、同じ道が続いているため、間違えそうな感じがする。
今のところ、このまま進めば、王都の方を上って進められると思ったこのまま進もうと思った。
「おかしい・・・・」
進めば進むほど、路地は暗くなるし、きらびやかだった歩道もがたがたで、進みにくくなってきている。温かかった串焼きはすっかり冷めてしまい、王都の風景を楽しみながら食べようと思った感情が失せてしまった。とりあえず大通りは何処だろうと思いながら、歩ていると、誰かに狙われていると感じた。いや、この路地の入ってから何人かに見られている感覚はあったが、ここまで確実に付け狙われている感覚になったのは、ここで仕留める気があることを意味している。相手に悟られないように、気配をうかがっていると、金属がつんざく音が路地を響かせた。とりあえず、殺気を感じたほうから飛んできたのであろうと思い、横によけ、この後突っ込んでくることを予想して振り向いたところ、案の定、突っ込んできた。マントを着て、体格の大きさをわかりにくくしているが、肩の位置や、歩幅を見て、子供であることはわかった。ナイフは構えているので武器での応戦を、と思ったが、大けがになると思ったので、武器は出さずに素手で相手をすることとした。ただ、串焼きの袋が邪魔なので、上に投げた。相手の子供は投げた袋を見ていた。相手から目線を離しているので、相手は素人だなとわかり、少し力を抜いておいて、相手の突進をいなす構えを取った。そのまま素直に突っ込んできたので、少し横にずれて、手刀でナイフを持っていた手首を殴り、そのまま手首をつかんで、そのままの勢いで路地に投げ飛ばした。
その子は、悶えながら俺から距離を離そうとしていた。やっちまったと思い、さっき投げた串焼きの袋をキャッチして、投げてしまった子供に持っていた水筒を渡して、
「これでも飲んで呼吸を落ち着かせてくれ。」
その子は、痛みによる苦痛な雰囲気と少し驚いたな雰囲気と困惑したな雰囲気が出していたが、水筒を受け取り、一気に飲み干した。
一気に飲み干したため、えずいてしまったが、少し落ち着いたようだ。落ち着いたから俺を襲ったことを聞くこととした。
「なんで俺を襲ったんだ?」
「なんでって・・お前、弱そうだったから。」
人生において傷つく言葉を、1日にして、続けて聞くとは思わなかった。心の中で涙を流しながら、その子の言葉に耳を傾ける。
「ここは、王都でも、治安が悪い場所。普通の人、来ない。来るやつ、だいたいよそ者か、奴隷商人の手下、それかここに流れてきたやつ。」
つまり、この王都に住んでいるやつは大体この場所のことを把握していることのようだ。
「お前、奴隷商人の手下の格好していない、服きれいだから流れ者じゃないからよそもの、よそものは殺していい、これがここの決まり。」
えー、大変物騒なことを言っていますが、俺今からここで殺されるの?と思っていたら、
「でも、やみうち失敗、失敗したら、そいつ、襲わない、襲っても返りうちにあうから。」
つまり、もう襲われることはないようだ。確かにこの子と話している間、周りの警戒を行っていたが、襲ってくる気配はなかった。
「わたし、ここ、入ったばかり、だから度胸を見せるために、わたしに襲わせた。でも、失敗したから、今日の取り分はない。」
この子は先兵として、俺を襲い、成功したら、報酬をもらえるが、失敗したため、報酬はなしとなったらしい。
「そうか・・・それは悪かったな、ん、だったらこれ食べるか?」
持っていた串焼きの袋を渡した。その子は少し驚きながら、受け取り、中身を見て、さらに驚いた顔をしていた。
路地は暗く、わかりにくいはずなのにその子の顔ははっきりと見えた。
会話の主語と顔を見て、思ったのだが、この子は女の子ようだ。こんな子が王都の暗い路地で闇討ちをかましているなんて知ったら、この子の親はどう思っているだろうと思ったけど、こんな場所にしかいられないことを考えると、この子の親はもう・・・・。
「とにかく、それあげるから、ついでに大通りまでつれていってくれよ。」
「いいのか?それぐらいなら簡単だぞ。」
「かまわないからかまわないから、何なら10ルーセントまでつける。」
耳元で値段を言った直後、その子はすごく目を輝かせた。ちなみにさっき買った串焼きは1本3ルーセントだ。
上機嫌になったその子は、俺を先導しながら、大通りまでつれていってくれた。
ちっちゃな女の子に先導されつつ、いろいろと質問した。この子の名前はカーラというらしい。年は10才。ファミリーネームを聞いたが、わからないらしい。つい最近まで母親と暮らしていたが、母親は病気で死んでしまい、住んでいた家を追い出されたので、裏路地に住み始めたそうだ。
あとはたわいのない会話を挟みつつ、目的の大通りまでたどり着いたところで別れた。もちろん、駄賃の10ルーセントは渡したよ。
大通りまで戻ってこれたが、さすがに暗くなってきたので、宿を探すことにした。ただ、大通り沿いの宿屋は高い。1泊100リードルって、一般家1年分の生活ができるよと思い、手軽な宿がないか聞き込みを行い、大通りから少し外れた程よい価格の宿が取れた。1泊1リードルだからかなりお手頃な値段だ。ちなみに食事代は別だったので、20ルーセントは別に払い、夕食を取ることととした。夕食は、スープにステーキ、つぶした芋、パンとシンプルだったが、これはこれでうまかった。
腹いっぱいになり、風呂も入り、さっぱりしたところで、布団の上で横になると、程よい睡魔に襲われてきた。船旅の後、1日中歩き回り、ちっちゃい子に殺されそうになる体験をして、かなり疲れた。冒険者ギルドは明日行こうと思いながら、ぐっすり朝まで寝るのであった。