僕は結局
僕はもう終わっていて
ただやめられないだけ
なのにここでこうしていると
寄せられた声に耳を傾けていると
勘違いをしそうになる
僕はまだやれるんじゃないかって
僕はかつて夢を見て
自分では
必死でしたと言えるくらいに
本気で追いかけたものがあって
お前なんかには無理だって
優しい親切な人たちが
止めてくれたにも関わらず
無視して
足掻き続けて
結局
僕なんかじゃ無理だった
あの時
あの人たちの声を聞いていれば
違う夢を目指していたら
分相応をわきまえていたら
きっと僕は壊れずに済んで
人並みの幸せを手に入れていたのに
なんて
落ち溢れたこと
他に何もできなかったこと
そう言って自分の弱さから逃げ続けたこと
みんな都合良く忘れて
記憶を改変して
自分は悲劇の中にいるんだって顔をして
僕の叫びなんて
それだけのもの
自分の失敗を棚に上げて
頑として認めないで
頑張っている人
懸命に歯を食いしばって耐えている人
掴み取れた人
みんなを暗がりから
こんなはずじゃなかったのにって
羨んで妬んで嫉んで
僕はもう終わっている
今更なんて有って良い訳がない
こうやって言い聞かせていないと
馬鹿で愚かな僕は
また同じ夢を見る
都合の悪いことはみんな忘れて
今度こそはって
今の自分ならって
また夢を追う
どん底から這い出せたのも
今こうして続けられているのも
ただ運が良かった
それだけなのに
僕はずっと人の所為にしているだけ
誰かの所為でこうなった
誰かに邪魔されたからできなかった
今だって
誰かの所為で勘違いしてしまうって
本当によく分かる
僕が嫌われる理由も
愛されない理由も
必要とされない理由も
ずっと独りだった理由も
僕はどこまでいっても
自分のことだけしか考えていないから