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祓い師コダマ!!2

作者: J・キンボール

祓い師コダマ!! 二話 

  

 場所 白霊会に続く山道 朝 晴れ

   状況 剣達は白霊会を目指して、山道を歩いていた。

 セリフ

 剣「はあ、いつになったらたどり着くんだ。もう三時間も歩いていないか?」

 霊実「だから言ったろ、山奥だって。」

 三珠「もう、あたし足がくたくた、どこかに休めるところはないのかな。」

 アマチ「すみませんね。私も皆さんをお運びしたいのですが、なにぶん万事に備えて霊力を温存しないといけないので、申し訳ないです。」

 剣「コダマ、お前は疲れてないのか。」

 コダマ「さすがに僕も疲れて来ました。」

 剣「そうだな。」

   剣は鞄から水を取り出した

 剣「コダマ、水でも飲むか?」

 コダマ「そんな、いただけませんよ、ご主人様が飲んでください。」

 剣「安心しろ、これはお前の分だ、俺の分の水も買ってある。」

 コダマ「そうですか、じゃあ、お言葉に甘えて。」

   剣はコダマが飲みやすいように水の飲み口を向けた。

 チリュウ「・・・。」

   チリュウがそれをうらやましそうに見る。

 霊実「チリュウ、何か期待しているのか?」

 チリュウ「そんなことは・・・。」

 霊実「仕方ないな。」

   霊実は鞄から霊符を取り出した。

 霊実「ほら、霊符だ。」

 チリュウ「いただいていいんですか?」

 霊実「当たり前だろ、これはお前の為に作ってるんだからな。」

 チリュウ「じゃあ、遠慮なく、いただきます。」

   チリュウは霊符を食べた。

 三珠「アマチ、あなたも何か欲しいの?」

 アマチ「いえ、私は何もいりません。お気持ちだけでもありがたいです。」

   しばらく歩く剣達。

 霊実「おかしいな、もうそろそろ着いていいころなのに。三珠もそう思うだろ。」

 三珠「うん、私もそう思う・・・、そうだ、アマチ、もう少し高く飛んで周りを見回してくれない?」

 アマチ「分かりました。」

   アマチは空高く飛び、あたりを見回した。

 アマチ「おかしい、建物どころか麓の町も見えない。これは・・・、幻術!?今すぐ戻らねば!!」

   アマチは三珠達のもとに戻ろうとしたが。

 アマチ「な、何!?うわーー!?」

   背後から何者かに襲われた。

 三珠「アマチ、遅いわね。」

   数分後アマチ?が帰ってきた。

 アマチ?「皆さん、後、少しで白霊会につきますよ。建物が近くに見えましたから。」

 三珠「そう、よかった、私もうへとへとで歩きたくなかったんだよね。」

 霊実「俺も、もう歩き疲れた。」

 コダマ「!?・・・。」

 剣「ついたら丁度お昼か、おにぎりぐらいは持ってきたけど、ほかに何か食べられる物はあるのかな?」

 霊実「まあ、これだけ歩いたら腹は減るか。」 

 コダマ「匂いが違う、コイツはアマチじゃない!」

 剣「どうしたコダマ、怪訝そうな顔をして?」

   アマチ?が周りに気付かれないように、無言で羽を飛ばしてくる。

 コダマ「皆さん伏せてください!!」

   コダマが間に入り盾になる。

 コダマ「く!!」

   コダマに羽が刺さる

 剣「大丈夫かコダマ!?何をするんだ、アマチ!?」

 アマチ?「・・・。」

 三珠「アマチ、お願いだからやめて!!」

 コダマ「コイツは別の何かです!アマチじゃありません!」

 霊実「余り喋るな!!チリュウ、しばらく頼む!」

 チリュウ「分かりました!」

   チリュウはアマチ?とにらみ合う。そのさなか、霊実は鞄から霊符を取り出す。

 剣「その札は!?」

 霊実「さっき、チリュウにやった霊符と同じ奴だ!!」

   霊実はコダマに霊符を貼り両手を合わせ呪文を唱えだした。

 霊実「我は命じる、天の神よ、かの式神に力を与えたまえ、名はコダマ!」

   アマチ?はチリュウに飛びかかった。

 剣「チリュウ!!」 

 チリュウ「この偽物め!!」

 アマチ?「・・・。」

 チリュウ「明光牙!!」

   チリュウも負けじと応戦し一撃をくわえる。

 アマチ?「・・・。」

 チリュウ(今の一撃を受けても、何も叫びはしないとは!)

 三珠「不気味・・・!」

 剣「霊実、後、どれだけかかる!?」

 霊実「まだ、全然だ!!」

 チリュウ「グ・・・!!ちょこまかと!」

    アマチ?に速さに押し負けそうになるチリュウ

 剣「チリュウが押されている、霊実、俺はどうすればいい!」

 霊実「そうだな!!俺の鞄から札を取り出せ!!」

   剣は霊実の鞄から札を取り出した。

 剣「これか!!」

 霊実「違う!!」

 剣「これか!!」

 霊実「そう、それだ!そいつは額に当てて、念じるだけで効果が発動される。」

 三珠「私の分は無いの!?」

 霊実「すまない!それ一枚だけだ!」

 剣「分かった、チリュウ行くぞ!!」

 チリュウ「はい!!」

   剣は札を額に当てて念じた。

 チリュウ「(力が湧いてくる!)明光牙!!」

   アマチ?はチリュウの攻撃に怯んだが。すぐさま体制を立て直す。

 アマチ?「・・・。」

 チリュウ「まだ、力がたりない!?」 

 三珠「霊実、コダマが治るのには、あと、どれだけかかるの!?」

 霊実「後、もう少しだ!?」

 剣「チリュウ、もう少し耐えてくれ!!」

 チリュウ(私が、頑張らなくては!)

   チリュウはアマチ?の猛攻に耐え忍んでいたが。

 チリュウ「グ・・・!(やはり私は、霊実がいないと!)」

   だが、霊実の治療が成功した。

 霊実「よし、もう大丈夫だろ!」

 コダマ「ありがとうございます。霊実さん。」  

 三珠「剣!!コダマはもう大丈夫!!」

 剣「そうか、よし、コダマ、霊力開放だ!!」 

 コダマ「やっとかよ!!」

   コダマはアマチ?に向かって匂いを嗅ぐしぐさをした。

 コダマ「まったく、うさん臭い匂いがするぜ!!」

 アマチ?「・・・。」

 コダマ「仲間を痛めつけたぶん、覚悟しろよ!」

 剣「頼りにしてるぞ、コダマ!」

 三珠「コダマ、アマチの仇をとって!!」

 チリュウ「後は頼みました。」

 コダマ「行くぜ、みんな!!」 

 アマチ?「・・・ニヤ。」

 霊実「笑った、今、こいつ笑ったぞ!!剣、気をつけろ、こいつの狙いはコダマだ!」

 剣「わかってる!コダマ、気をつけろ!」

 コダマ「おう!!」

   コダマは構え。

 コダマ「行くぜ!!」

   コダマはアマチ?に飛びかかった。

 コダマ「爪幸爪!!」

   アマチ?はコダマの攻撃を受け止める。

 アマチ「フフ、ハハハ、いい筋だコダマよ、私を倒してみよ!」

 三珠「喋った!?」

 コダマ「ち、調子のいいときだけ喋りやがって!!」

   コダマは剣を見て。

 コダマ「剣!俺に霊力を送れ!!」

 剣「わかったが、どうすればいい!?」

 コダマ「奴を倒すところをイメージするんだ!!そうすれば、俺の気も高ぶる!!」

 剣「そうか、イメージか!」

 コダマ「よっしゃ、上手くイメージできたみたいだな!!」

   コダマの気はいっそう高まった

 アマチ?「フフ、ハハハ、お前ら二人の力、どれほどの力か受け止めてやろう!」

 コダマ「お望みどうり、覚悟しろ!!」

   コダマはアマチ?に飛びかかった。

 コダマ「爪幸爪!!」

   アマチ?は攻撃を受け止めきれずぶっ飛んだ。

 コダマ「とどめだ!!!」

 ???「やめ!!」

   どこからか声が響き、コダマは攻撃を止めた。

 ???「合格じゃな。」

 コダマ「な、何だと・・・!?」

 ???「フウガ、変幻を解け。」

 アマチ?「分かりました。」

   声の主に注目が集まる。

 霊実「あなたは!?」

 霊実と三珠「まなさま!!」

   愛 光(まな ひかり、白霊会の会長、女性、年齢は30歳)

 霊実「これはどういうことで

す!?」

 三珠「そうですよ、しっかり説明してください!?」

 剣「・・・。」

   剣はキョトンとしている。

 愛「ふむふむ、中々のイケメンじゃのう。」

   愛は剣の顔をまじまじとみた。

 愛「あの爺さんの孫だから、期待はしておらんのじゃたのじゃが。」 

 剣「・・・。」

 愛「クク、誰だと言う顔をしておるな、可愛いのう。」

 剣「もしかして、この人は白霊会の?」

 愛「御名答、私が白霊会の最高幹部で会長のまな ひかりじゃ。」

 剣(若い・・・、しかも凄く綺麗だ。)

 愛「そして、こいつが私の式神フウガじゃ。」

 フウガ「フウガと申す、以後お見知りおきを。」

 剣「それで、いったいどういうことです?俺達を試したんですか?」

 愛「騙すようなことをして、すまなかった。じゃが、余り怒らんといてくれ、お前達の力を試したかったのじゃ。」

 霊実「ですが、こんなやり方あります!?」

 三珠「そうですよ、それにうちのアマチはどうしたんです!?」

 愛「お前の式神か?お前の式神なら今頃、私の屋敷で眠っておる。」

 三珠「本当ですか?」

 愛「まあ、捕まったばかりの時はあまりにもうるさいものだから、少しきつい灸を据えたがな。」

 三珠「灸ですか・・・!?」 

 霊実「はは、目が覚めたら余計うるさくなりそうだな。」

 剣「でも、無事でよかったよ。」

 三珠「じゃあ、早く行きましょう。」

 愛「そうじゃな、いくら式神でも、あんな堅苦しい奴はごめんじゃ。」

 三珠「ひどい・・・。」 

 

 場所 白霊会 本部 庭 晴れ 昼

   状況 剣達は、捕まったアマチを見に剣達は庭に行った。

 セリフ

 愛「ここが、白霊会本部じゃ!」

 三珠「それで、アマチはどこにいるんです?」

 愛「あそこじゃ!」

   アマチは結界が張られた庭で動けず泣いていた。

 アマチ「うう、ぐすん。三珠殿・・・。」

 三珠「アマチ!!」

 アマチ「三珠殿!?」

   アマチは愛に向かって

 アマチ「愛様、いくら試験でも、これはあんまりではないですか。」

 愛「やっぱり、うるさいのう。」

 三珠「早く結界を解いてください。」

 愛「しょうがない、解いてやるとするか。」

   愛は結界を解いた。

 アマチ「三珠殿!!凄く寂しかったんですよ!!」

 剣「はは、アマチでもこんな弱気になるんだ。」

 霊実「俺も初めて見たぜ。」

 三珠「みんな・・・。」

 愛「まあ、感動の再開は後にして。これからのことを話そうじゃないか、広間までついてこい。」

 

 場所 大広間 昼 晴れ

   状況 剣達は、これからのことを話すために広間に上がった

 セリフ

 愛「さて、まず何から話そうかの。」

 剣「自分も色々と聞きたいことがあります。」

 愛「そうじゃな、祓い師として目覚めたばかりじゃから、しょうがないことじゃな、何が聞きたい?」

 剣「俺達が、この前倒した妖怪みたいに、世の中あんなのが沢山いるんですか?」

 愛「ああ、目には見えんだけで、厄災はああいう妖怪が少なからず関わっておる。」

 剣「奴らの目的はいったい何なんです?」

 愛「奴らは悪意から産まれる存在、世の中の報われない霊魂が、世の中に復習するために妖怪になったのじゃ。」

 剣「それって、もともとは人間だったりと言うことですか?」

 愛「そうじゃな、じゃから、我々にも責任がある、そういう報われない霊魂達を祓ってやるのも、我々の責務なのじゃ。」

   愛は少し間を開けて

 愛「ほかに聞きたいことはあるのかの?」

 剣「そうですね・・・、なぜ、自分が祓い師としての力を得たんですか?」

 愛「それは私にも具体的には分からないのじゃ。」

 剣「分からないんですか?」

 愛「初めは、玉木のような血筋だと思っていたが、鏡のように一般人が突発的になることもある。だが、一つだけ言えることは、何かを救った人間であること。」

 コダマ「だから、次は僕達が救う番ですよ。」

 剣「コダマ・・・、そうだな、ありがとう。」

 愛「それで、今後の話しじゃが、お前達の住む町を妖怪から守って欲しいのじゃ。」

 剣「俺達が守るんですか?」

 愛「そうじゃ、最近妖怪も増えており町を守る祓い師も足りておらんのじゃ。」

 剣「そうですか。だから、今日、俺たちを試したんですね。」

 愛「まあ、どれくらいの力を持っているか見たかっただけなのじゃ、だから、今日のことは許してくれ。」

 剣「別に怒ってないですよ。」

 愛「感謝するぞ、剣、それで、難しい話はこれぐらいにして、お前達は今日の宿はどうするきじゃ。」

 剣「宿ですか?」

 愛「もう、夕方じゃ、今日は泊まっていくといい。」

 霊実「そうですね、今から帰っても夜道は危ないですし、お願いします。二人共いいだろうそれで?」

 剣「そうだな俺も文句はないし、三珠は?」

 三珠「うーん、しょうがないわね。いいわよ。」

 愛「よし、そうと決まったら善は急げじゃ。サゼン、ウゼン、剣達を泊める準備をしろ。」

   サゼン、ウゼン(愛の式神、容姿は座敷童子の様な姿をしている。)

 サゼンとウゼン「はい、承知しました。」 

             三話に続く

 

 

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