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1オブザデッド

 感想返信はたぶん(一時間に一話書かなきゃいけないのでスケジュール的に)無理だと思いますが、読んでめっちゃ楽しませてもらっているので、感想はドシドシ書いてってください! わたしが嬉しいです!


 緑豊かな美しい王国が、焼け落ちてゆく。


「ああああああ!」


 泣きながら叫ぶ。しかし火の手は次々と回り、城も城下町も、ことごとく燃え尽きてゆくのだ。


「殿下! 殿下、逃げてください! ここは私達が!」

「くっ、アンデッド軍団め! どこから現れたんだ!」

「やらせはせんぞ! 王国は私達が守る!」


 決死の覚悟で魔物と斬り結ぶ騎士たちの手で、殿下はただひとり逃された。


 今はまだ力が足りないけれど、しかしいずれ必ずこの地に戻ってくる。この地はわたしが救い出すのだ。


 そう、胸に決意して──。








 平和な王国は、突如としてアンデッド軍団の襲撃を受けた。


 圧倒的な数の暴力を前に、王国の殿下は命からがら逃げ延びる。


 どうにかして王国を奪還しようとするものの、手勢は極わずか。


 そんなある日、殿下の招集に答えた者たちがいた──。


 最強の仲間を引き連れ、王国を奪還せよ!




 2017年、クリスマス企画


『王国オブザデッド』


~323人の仲間とともに~



 





「ああ、ここにいたんだね、てれんさん」


 殿下は立ち止まる。振り返ると、そこには身長130センチほどの、幼い女の子がとてとてとこちらに走ってきていた。笑うとえくぼがかわいい、金髪の美幼女だ。王国をずっと支えていた忠臣のひとりである。


「フェフ大臣、生きていたんだね!」

「もっちろんさ! 美少女は死なないからね」


 ここは城から山ひとつ離れたチホウの町である。


 いまだアンデッド軍団の戦火が伸びていないことから、殿下はしばらくこの町に滞在をしていた。


 しかし、ただ遊んでいたわけではない。


「フェフ大臣も、わたしの招集に応えてくれたんだ。本当にありがとう」

「うんうん、もちろんだよ。王国を奪還するために僕も力を貸すよ! ちょっとだけど、仲間も集めてきたんだから」

「そこまでしてくれるなんて……あなたは王国一の忠臣だ!」


 殿下は感涙にむせぶ。きっと今年の話はフェフさんが黒幕のはずがない。そう強く信じることができた。ちょっとなんのことかわからないが。


 それではそろそろ時間だ。町の広場に集まってくれている頃だろう。


 殿下はフェフ大臣を連れ、胸を張って歩き出す。


 果たしてどんな歴戦の猛者たちが集まってくれているのか、楽しみで仕方ない。高鳴る胸の鼓動に自然と足が早足になってしまう。


 奇しくも本日は粉雪の舞うクリスマスイブ。


 殿下はサンタクロースにこの出会いを感謝しないとな、と顔をほころばせる。


 さあ、集まってくれた人たちは、いったいどんな──!




 広場の壇上に立ち、殿下は人々を見回した。


「え?」


 集まってくれたのは、合計323人。


 共に城から脱出し、今までも身の回りの世話などをしてくれていたバトルメイドのルノーから「どうぞ、殿下」と名簿を手渡してもらう。そこには確かに323人の名前が載っている。載っているが。


「人間じゃない人、多くない?」


 無職率もだいぶ高い……。


 サボテンとか食材とかが一名とカウントされているのは、どういうことなんだ。メイドの頭が狂ってしまったのではないかと殿下は心配した。


 いや、違う。そうだ、きっと彼らは共に国を憂う戦士たちだ。戦士であることに人間かどうかなんて関係ないだろう。


 そう、気持ちさえあればいいのだ。アンデッド軍団から王国を取り戻し、散り散りになってしまった王国民のために戦う志をもった人物なら──。


 明らかに野次馬目的のようにしか見えない人物も何人かいるけれど……たぶんそれは、わたしの目が腐っているだけなのだ!


 殿下は今一度気持ちを奮い立たせ、腕を突き上げた。


「それではみんな、王国奪還のために、戦おうじゃないか!」


『おー!!!』という溢れんばかりの叫び声が広場に響き渡る。先頭にくさかべかさく氏の作ったバランスの良いうんこ(歩けるタイプ)が腕を振り上げていたので、それは捨てた。


 壇上から降りると、城の女中であった永瀬-iiが耳打ちをしてきた。


「あの、先ほど太もやしという自営業の方が、あまりにも運がなくて突如地面にできた亀裂に飲み込まれて、帰らぬ人になってしまいました……」

「……そうか」


 作られた時点でパラメーターがマイナスだったものの定めだ。去年だいぶ派手にやったので、今年はひとりしかいなかった。


「さてそれじゃあ、きょうはこの出会いを祝して一時間の宴を開こう。その間に戦いの準備もしておかないとね」


 というわけで、急遽宴会が催された。


 メイン料理はそーめんっしゃと呼ばれるそーめんだった。職業欄に『食われる』とまで書かれたその威勢の良さによって、食品を一気に殺……もとい、消耗してしまおうというこの展開が作られたといっても過言ではない。


 料理好きなニートのあっつぁんや、コックのトカラゲ・ジッパーヒ、バンメシハ=トリニクノテリヤキ、雨乃時雨、山田マン、料理人のゆかちょが思う存分腕をふるった。


 作られた料理を忙しそうに配膳するのは、給仕である塩や、パワータイプのウェイトレスであるマオだ。弁当運びのベン・トゥーヤは弁当がないので手持ち無沙汰にしていた。



 黒毛和牛上塩タン焼き680円(安い!)のたん塩ちゃんには、誰もが舌鼓を打った。これには美食家のヒコマロも、美食評論家を装う一文無しの食倒れ戦士Xも、「うまい、うまい!」と大喜びである。


 パッケージに蛇亜万浦手戸(恐らくジャーマンポテトと読むのだろう)と書かれたポテトチップスは、どこかの世界からやってきた転移者が持ち込んだものだろうか。300名以上が満足できるだけの量が入っており、この場のパーティー感をより一層盛り上げた。


 ただこのポテトチップスは『人肉主食』と書かれたタンクトップを着たボディビルダーの筋肉良雄にはあまり喜ばれなかった。チートデーでもないのにポテトチップスなんて、ボディビルダーの食生活においてありえないのだ。


 肉屋の肉包万太郎や、肉屋のオヤジのミ・ソによってじょうずに焼けたマンガ肉が振る舞われ、飛び出す肉汁が直撃した先にはゾンビの姿! 


 一同にしれっと混ざっていたゾンビであるゾンビAはその場で袋たたきにあった。滅!



 飲み物ももちろん充実している。新.茶瓶というお茶入れとペットボトルに入った焙じ茶。ふたつのお茶があり、王国軍は好きな方を飲んでくださいとあったのだが……。しかし、彼らお茶たちはそれでは納得しなかった。


 新.茶瓶と焙じ茶は死闘を繰り広げた。お茶がふたつあればそうなるのは仕方ない。自明の理であった。


 自分こそが振る舞われるべきお茶だという争いはその後も続く。ふたりは恐らく未来永劫戦い続けるだろう。そう、宇宙が崩壊するその日まで……。


 優しいピンク色のとりにくという残飯も、ぽん酢をかけて食べるとなかなかのものだった。特にぽん酢はペットボトル容器に入っているので、割れにくいのが素晴らしい。


 中年のハゲとともにいたマ○クのポテト(M)であるMr.ポテトヘッドは、中年のハゲが食べ尽くしていった。あとにはマ○クの制服を着た人間の体だけが残されたので誰かが埋めてくれた……。こわぁ……。


 あと人化したパクチーであるパクチーマンはあちこちにパクチーをこっそりと入れて回っていたので、パクチーが苦手な人に大層嫌がられていた。



 デザートには和菓子屋の市庭団子が串団子を配り、みんなはとても幸せな気持ちになった。


 片付けられた皿は、居酒屋バイト(皿洗い専門)の味噌煮込みエビ定食がひとりで全部洗っていた。メタボな40過ぎのおっさんであり、頭部に複数の円形脱毛症を患っている彼の後ろ姿は妙な哀愁を誘っていた。


 

 一時間の宴会が終わり、彼らの姿を微笑ましく眺めていた殿下は、最後にこう言った。


「戦闘職じゃない人が多すぎないか!?」


 果たしてこの王国奪還作戦は、どうなってしまうのか……。





王国軍メンバー

(敬称略)


古宮

ひょろ

白河黒船

ゾンビA

藍色

ギルバート

マスクドツーダⅦ世

佐波

Kkrr

なのかもたない

米沢牛男

たんぽぽ

ザミナント

ユニィ

九鬼龍騎

クロース

モルモットくん

のすおのすのす

辞書

変態仮面

トーヤマ

ウニみちなが

まい

怠惰

なな

春哉

イレーナ

一十一(にのまえ じゅういち)

私が死ぬときは他人も道連れだ

さちはら

ダラシン

てれんちゃん

ルノー

白灰

暗黒騎士

オウル

門次郎

転移 まきこ

サンタ(名前はまだない)

あまつ

世界で一番有名な配管工

ジン

ゆう

右肘

聖夜に何かを遂げる棘田清棘

いずれ骸骨

シュン

冒険の書が爆発しました

バーサーちゃん

カリオス

バルス

ミエル

深椥璃翠

もかちゃん

永瀬-ⅱ

コミュ力のある暇なニート

あぐ@あざらし

ヒコマロ

食倒れ戦士X

ねく

あーくらいと

ホルスタイン

焼肉太郎

アウトサイダー

れい

トランプ大統領

夜雨

ペンギンレイム

冒険の書が消えた音

げぇこ

経験値

ジェーン・ドウ

味噌煮込みエビ定食

ハッケン

ウラジーミル・レーニン

ぺぺ

イサギ

黎神 麗音

†漆黒の闇†

のくにつき

V子

左慈

【鮫嵐】の魔法使い

長家大輔おさけだいすけ

モンブラン・チーズケーキ

ヤクルト

チッボリク・マイトシー

さつまあげ丸

ミーーナ

バード

ヘゾ爺

マッド・コーモン

Q次郎

ズットモ=フツカ

スミレ

フルプレート

エレン・の家ぇぇがああ

本人は風魔小太郎だと言い張るが本名はゴルドー・アイスバーグ

あっつぁん

DAISUKE

ハリー・ポッター

リョウゴ

とりにく

ゴリス・レッドフィールド

うすしお

みかみてれんのことを愛しているストーカー(男)

ナマ・コタロウ

ポニテ娘ちゃん

えりー号

ぎん

白雪姫

トカラゲ・ジッパーヒ

アームストロング

黒酢三太

あかつき

ジェイムズ・キューゾ

はにぃ

王国騎 士団長

水戸納豆

秋刀魚

鳥頭ゾンビ・クルシミマス

量産型ASHIO

アキバコ

狂信者D

夢幻聖眼

サーバルちゃん

しかばね

姫子

ミミ・シエスタ

カレン・パーツェン

なる

イヴ

シャーリー

やまもと

ゴリラ・ゴリエ・ゴリ子

アイ

アプテノディテス一世

キシリ=クリスタル

ねねこ

ベン・トゥーヤ

タニシキングマン

シューティッシュ

てれんせんせー

B-サイク

ガッルス・ガッルス・ドメスティクス

モブ

ヤマモト

あかり

キャス子

カスミカ・クモカ

ティラノサウルス

バンメシハ=トリニクノテリヤキ

ミ・ソ

Mr.B

グリーン・カイザー・マークⅡ

パープル式部

雪雪 雪

ハングリー・ラビット

太もやし

さち子

マンガ肉

新.茶瓶

ぽん酢

関〇太

たぬき

ラミエル

お兄ちゃん

イクス=P=ジョン

トレイン

アマリリス

マオ

なっちゃん

名無し

ピクリン=サン

キリスト

わんこ

筋肉 良雄

ヒレ改

ユーズ=ペッパー

〆鯖

ぬでる

ヒルデンブルグ

インスタ蝿

aveさん

ジャンキー・チェン

ジョン・スミス

たん塩ちゃん

グン太

びしょっぷ

あさぎの

きつね

ゆま

蛇亜万浦手戸

ノラ

ハガネノ・バケツ

けもりあ

ベリー・キッシュ

トニー子

茶坊

リアジュウ

アルフレッド

ハリキリ

ポチポチ

ラヴィニア・ウィリアムス

ズガドーン

えびみそ

41号

雨乃時雨

こしあん

オーリ

すみー

黒曜

作家を追跡中に迷い込んだ担当編集者

ヒナー

Mr.ポテトヘッド

キナコ

死亡不乱君

マキラ

マリー

千秋楽 ちゃん子

もんめ

トロール

鈴木

巳江内みえない 透命とうめい

パクチーマン

みぐ

壹岐野・コルト・イーナ

サニー

るかっち

マスカット爆弾兵

ブルーイン・シュワルツェコフ

まけぐみ

山田マン

みずうめ

ソンビ

リリィ

カエルきのこ

べー

サック

アシトリくん

松永弾正久秀

から

鈴木

ハム・THE☆スター

サツキ

花粉 症之助

そーめんっしゃー!

チキンあげお

しろばら

よさぬかベイマックス!

メメ太

アビィ

園他 奈士

今井千奈子

エツツーダ

アフリカ大陸

くろそ

腐った魚の目

緑亀

拳 滝沢

クリストファー・ネイビス

ミセス・十字

さとちー

まぎしゅー

ほーぼぼ

ぬ子

雅楽川美鶴うたがわみつる

ナタデココ

かぐや

伊切いきり 実来火みくび

あかとな

てぃーちっく

シロ

加茂なすの

ルーティリア

マリーちゃん

バランスの良いうんこ

肉堤にくづつみ 万太郎まんたろう

アンジェリーナ・ジョリー

爆死マン

エクリチェアーナ

観賞用サボテン

青天井廻あおてんじょうめぐる

幸薄(さちうす)レティシア

小田 孝宏

碧ノ 水晶(あおの みき)

クジラ

"勇者"****

マチョ太郎

ゼルラ

永久機関(ながひさしかけ)

さいらす

ブリュン

38k

水野一時みずのあわー

胡兎

JIRO

頭良(ずら) 不知(しらず)

加賀野 充

おち

浅浦イサキ

チャルメラ

市庭 団子

デウス・エクステ・マキナ

メイ

(レイ)

マダム ターボ

コロマル

すあまの翁

彷徨える怪鳥

りめ

ゾンビペンギン

ウイハル・ミツバ

ティカ

シルビア

ゆかちょ

焙じ茶

さっちん



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