揺れる覚悟
同じ年頃の女の子が華やかに街を歩く頃。
私は、暴力と貧乏で疲れ果てていました。
ある日 長男が(年少)平仮名が読めない事に腹を立てて、引きずるように2回に長男を連れて行きました。今までは、私だったから何とも思わなかったのですが、長男を連れて行かれた時は、部屋をオロオロ。恐怖と不安と申し訳ない気持ちでいっぱいです。時計を見て数分我慢しようと……。
「ひぁー」「キャー」悲鳴です。
長男が悲鳴で私を呼んでます。
我慢出来なくなり2階に駆け足で長男を迎えに行きました。
「もう 出よう。この家でよう。」
2階の襖を開けると 待ってましたとばかりに
足蹴りを入れられ
「平仮名読めるのに、読まんコイツが悪い!」
「……。読めるわけないでしょ。今教えてる最中なのに!」2階の廊下で蹴られて殴られ いつもの光景に戻りました。
ただ一つ。長男をどうにかしなくちゃ!
私が長男を見ると それに気づかれ
長男を抱えられました。
家をでる決心は、してたので、私も強気で踏ん張りました。廊下でもう数回殴られ、少し気が遠くなってた私は、階段を1歩1歩試すように降りてみました。
長男の声は、聞こえません。
怖い。
最後の1歩を降りた時、
「コイツが悪かろーが!
おめー出ていく気かぁ~
わしは、かわいがりよんじゃ!」
ここで謝ればいいのは、わかります。
でも 「出ていくわ!」っと行った瞬間
長男が一番上の階段から降ってきました。
慌てて 落ちる前に長男を抱え込み、出ていこうと振り向いた瞬間、背中を蹴られてリビングのガラスが割れ、髪を引こずられ、それをみた長男がとっさにおもらしをしてしまいました。
「逃げたい……。」
長男をとりあえず落ち着かすために、主人に謝り続け。朝を向かえました。毎日が怖かった。
親に、「帰ろうか。」と持ちかけたのですが、「あんた みたいなのは、何回しても一緒。20年辛抱しなさい。」
ですよね。そうなりますよね。
長男に腹を決めて聞いてみました。
「昨日怖かったね」
「うん。」
「お兄ちゃんと2人で暮らそうか?」
「なんで?パパわぁ?
「パパ好き?」
「うん。好き!見て見て!かわいいチューリッぴー」
もう シャクリあげるように 泣いてしまいました。
20年!やりきるかぁ
お腹の中に新しい命が 宿っていたのが、数日後に分かりました。