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別れない理由。  作者: 粉雪 サンタ
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スタート

初日 うちうきしながら新妻気分を噛み締めて、お昼のうち家具屋さん、電気屋さん、電話の配線いろんな方に「ご苦労様です」って言ってた自分が嘘のような夜がくるの!

息子をお風呂に入れてくれるといいだした彼氏。

ドキドキしながら、お風呂を沸かして、子供の服を脱がすと 息子の顔がなんだか悲しそう不安でたまらないって様子。

「大丈夫よぉお父さんなんだから」

話がまだ片言なのをいい事に、抵抗もしないから、そっと湯船で彼氏に渡したの。

グスングスン泣き出して、とうとうビービー泣いちゃった。

「無理ならわたしも入ろうか?」

すぐさま「ダメ!俺と2人ではいる。閉めといて」

優しい口調で言ってくれたから がんばってるんだぁ~2人を応援しなくちゃねって

思う私は 今考えると、母親では、なかったんだね。私の身勝手で知らない場所に突然連れて来させられて、服脱がされて、お母さん見えない所で知らない男の人と湯船に浸かるって?そりゃびっくりしますわっ!

だんだん声も大きくなって

私の不安も大きくなって

「なんなら!じっーとしとけやっ」

初めて聞く 怒鳴り声。

少しばかり今の中をウロウロしたけれど

でも、でもハッと、母親に戻って

「もう!いい!ありがとう」

今考えると、私も声が大きかったと思う。なかなか息子を渡さない彼氏。

「手が抜けるが!放して!!」

無理やり引き離して、息子を抱きしめて、体を拭いてる最中、彼氏がお風呂から上がってきて

何度か蹴られたの!!

え?え?

何が起きたか それから何を言われたか 覚えてない。ただ、ただ、男の人に蹴られた事に驚いて涙がでて、パニックで息子を抱きしめてあげることしかできなかった。

怒鳴られたのも、蹴られたのも 初めてだった。

好きな人に蹴られた……。

息子よりも自分の気持ちの整理がつかなかった。


晩御飯は、手の込んだ得意のコロッケ

あとは、油であげるだけ、「ご飯しよう」ってとりあえず笑顔を作って言ってみたら、息子は、ニコッてしてくれました。間髪入れず彼氏から

「コロッケは、おかずじゃないじゃろ」

って不敵な笑みを浮かべながら 言われ、またもや「え?」


その日の夜 彼氏は、帰ってきませんでした。

初めての日作ったコロッケ。

食べ物は、粗末にしたら いけないって親に諭されて育ったけど、ゴミ箱に捨てました。

息子への罪悪感と、食べ物に対しての罪悪感。

不安でいっぱいのスタート

明日帰ってきたら ちゃんと食べたい物聞かなきゃね!そう呟きながら息子の髪の毛をシャリシャリ。

短く切ってる息子の髪の毛をシャリシャリ触るのが、私の精神安定剤でした。


次の日いつも通り仕事から帰って来てくれた彼氏。ホッとしたのも束の間、「俺が風呂入れる」強い口調で言われて、「意思はかたいんだぁ頑張るんだぁ今日は息子の機嫌もいいから大丈夫かな?」

やはり昨日と同じお風呂。「もうやめて!」

昨日と同じ空気。また蹴られるんかな?

「明日も一緒に入ってみる」

その日から一週間息子は、泣き続け、泣いたら私も一緒に入り、一週間後、私がいれば彼氏と入れるようになりました。 私は気づいてなかったけど、無理させちゃったね。


初日のコロッケ捨てて、好きな食べ物も聞けないままで晩御飯になったので、そういえば付き合ってるとき

「秋刀魚一匹あれば、飯は3杯食えるし~」

なーんて言ってお魚大好きな私も大喜びして、ふたりではしゃいだのを思い出して 次の日は、秋刀魚にしました。

「魚は、飯じゃない。肉しか俺食わんし」

耳を疑う発言でした。

好きな食べ物が合わないなんて致命的だわ。


爽やかな風がそよ吹く5月。

しっかりと肌で感じてたら、よかった!(無料なのに)

清々しい5月の風を感じる余裕さえなく、

これからけたたましい、貧乏風の突風が吹き荒れるのよーーー!


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