表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

010 はい、却下ー!

 まず購入したのはニーリウスへの道中で読んでいたラノベの続き。

 結構面白くて続きが気になってたんだよね。お値段も手頃だったし、悩むことなく買っちゃった。

 まぁ残りはシャンプーなどのお風呂用品に消えちゃったけどね。

 やっぱりまだ二万くらいじゃ少ないなぁ。

 もう五十人くらい奴隷欲しい。


 そうこうしているうちにグレ君と家畜一号が戻ってきた。

 もう買い物は済んだらしい。

 屋敷にもボクが使ってないだけで色んな物があるみたいだからね。そういったものの把握はグレ君がしてる。

 それにもし買い忘れがあっても往復四日でこれるんだから大した問題でもない。

 買った物は奴隷たち用の日用品や予備の服や様々な道具類だ。

 奴隷たちの面倒は彼ら自身にみさせる。

 そのためには様々な道具が必要だろう。何もなしにやれというほどボクは愚かじゃない。

 最低限必要な物は与えて、あとは奴隷たちに頑張ってもらおう。

 ボクが必要としているのはMPだけであり、あとは好きにしてもらっても別にかまわないとさえ思っているからね。

 死んでしまった先代の家畜たちと違って逃亡も裏切りも心配しなくていいというのもあるから選択できる方法だ。

 ただ、死んでしまうと困るので色々と対策は取らせてもらう。

 差し当たっては家畜一号を奴隷たちの監督役にでもしようかな。

 教育がばっちり染み付いてる彼なら奴隷たちの良き監督役になるだろう。

 いっそ奴隷契約させちゃおうかと思ったりもしたけど、奴隷になると証である首輪がついちゃって今後ニーリウスで活動させづらくなる。

 だから仕方ないけど家畜一号とは奴隷契約は結ばない。

 代わりに今はグレ君が傍についている。

 まぁこれも森に帰ったら別の子に交代させよう。


「あ、家畜一号。魔力欠乏症って明日には治ってるよね?」

「はい。どんなに酷くとも一晩寝れば治ります。ただ、短期間に何度も起こしてしまうと合併症を発症する恐れがあります」

「合併症ってどんなの?」

「個人差があり、どれを発症するかとまでは……申し訳ありません!」

「ふーん。まぁ次からは少し残すように頑張るよ」

「それがよろしいかと」


 明日にはちゃんとMPを回収できそうだね。

 いつまでも起きないからちょっと心配になっちゃったんだよよ。

 まぁ特にさせることもないし、寝ててもいいけどね。


「グレ君同伴なら家畜一号も街で遊んできてもいいよ」

「よ、よろしいのですか!?」

「でもグレ君同伴だよ?」

「そ、それはその……花を買った場合も……でしょうか?」

「花……? あぁうーん……。そうだなぁグレ君平気?」


 ボクの人間牧場にやってきてからずっとそういったことはできなかっただろうからね。

 確かに溜まっちゃうのはしかたないだろう。

 でもグレ君が嫌なら却下かな。ちゃんと綺麗にするなら奴隷で済ませてもいいのかもしれないけど、買ったばかりだしなー。


 ボクの言葉には絶対服従のグレ君だけど、今みたいなのは彼の意見を尊重するお願いだ。だからグレ君自身の選択に委ねられる。


 ちなみにグレ君は首を横に振っていました。

 はい、却下ー!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 翌日には魔力欠乏症に陥っていた奴隷たちはすっかり回復していた。

 人数が増えた分だけ部屋に運ばれてくる食事の量も増えていたけど、奴隷たちはボクが食べ終わってから食事になるみたい。

 家畜一号もそうだったしね。

 ボクとしては別に一緒に食べても気にならないけど、特に口は出さない。

 郷に入っては郷に従えってね。

 ちなみに奴隷の分の食事の手配も全部家畜一号が昨日やっていたみたい。気が利くよねぇ。


 朝食後にはMPの回収を行っておく。

 たっぷり寝てたしMPもすっかり回復したでしょう。

 昨日で慣れたので全員が倒れることもなく、MPの回収を終えることができた。

 でも昨日よりやっぱり少ない。

 もっと慣れて倒れるギリギリを見極められるようにしないと。


 今日はニーリウスの観光だ。

 でもここの特産品は迷いの大森林の森の恵なので、その辺は期待していない。

 むしろファンタジー感溢れるこの町並みを見て歩き、日本ではお目にかかれないような珍品に出会うことが目的だ。

 あとは魔道具も見てみたい。


 奴隷たちは部屋に置いてきたのでグレ君、モンちゃん、家畜一号の四人だけだ。

 馬車ではなく、グレ君の肩にのって大通りを進んでいく。

 ボクの服装も昨日とは違ってだいぶラフなものだ。

 まぁ道行く人間たちの服よりは相当上等なものだけど。


 グレ君の肩に乗ってキョロキョロしているボクは結構目立つみたい。

 通りを進むに連れて色んな人間がボクに注目している。

 まぁ有象無象の人間に見られたところでボクは気にしないけどね。

 それにしてもグレ君大きいからよく見えるなー。


 家畜一号の案内の下進んでいくと、たくさんの人間でごった返す露店がたくさん並んだ場所にたどり着いた。

 どうやらここが露店通りと呼ばれる場所らしく、様々な珍品が集まるところだそうな。

 ちょっと眺めるだけでも何に使うのかまったくわからない道具がたくさん販売されている。

 これはなかなか面白そう。


 露店も屋台のようなものではなく、フリーマーケットのように敷物を敷いてそこに商品を広げているような感じなのでグレ君に乗ったままの方がよくみえる。

 特に興味を引いた物は家畜一号を使って店主に用途などを聞き出させたりもしながら練り歩く。

 気に入ったものは購入したりもした。あんまり嵩張るものは今買うのは荷物にもなるからやめておこうかなと思ったけれど、家畜一号が気を利かせて、配達専門の業者がいることを教えてくれた。

 おかげで荷物を気にせず買えたので楽しかった。


 そんな感じに露店通りを歩いていたら、荷車を牽く業者が二人、三人とどんどん増えていってしまった。

 ちょっと買いすぎたかもしれない。でも奴隷に比べたら露店通りの商品ってすごく安いんだ。目につく物全部を買ってもお金が余りそうなくらいだよ。


 そんな目立つ行動を取っていたからなのか、先導していた家畜一号が前方から来る集団に注意するように促してきた。

 どうやらガラの悪い如何にもなチンピラ集団がボクたちの方にまっすぐ向かってきているみたい。

 因縁でもつけられるのかなぁ、と思っていたら案の定だった。


 でも因縁をつけるなら相手をしっかりと見極めた方がいいと思う。


 あれで家畜一号は冒険者してはベテランの領域にいたくらいだ。

 あっという間にグレ君たちの手を借りることなくチンピラたちを叩きのめしてしまっていた。

 グレ君達だと手加減しても殺しちゃうかもしれないからね。よくやった家畜一号。

 褒美に奴隷で発散する権利をあげよう。

 まぁ森に帰ってからになるだろうけどね。今日街を発つし、道中はお風呂なんか入れないんだから。


 家畜一号がチンピラを叩きのめす姿はたくさんいる周りの人間たちにとってはちょっとした娯楽みたいなものだったようだ。火事と喧嘩は江戸の華ってね。江戸じゃないけど。

 五人のチンピラを手玉にとる家畜一号の動きは、見てる分には楽しかったからね。

 でも衛兵がやってくる前にその場をあとにする。

 周りの人間も慣れているのか、邪魔するどころか衛兵が向かってきている方向とは逆に道を作ってくれたりもしていた。


 露店通りをあとにしたあとは配達業者に宿への配達を頼んで次の目的地へと向かう。

 今度は魔道具をみるのだ!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 魔道具は専門のお店もあるけど、個人が作って販売しているところもあるみたい。

 今回はあんまりよくわからないというのもあって専門店の方に来ている。

 ボクたちの服の質が良いことをすぐに見抜いた店員が案内をしてくれたので任せてみた。

 専門店だけあってお店は大きく、たくさんの魔道具が置かれていて目が回りそうだ。

 お値段も結構するようで、そんなお店の店員をしている者は目が超えていないとお忍びで訪れる大口の客を逃してしまう。

 だからこそボクたちの服の質を見抜き、すぐに案内してくれたんだそうな。

 無論家畜一号談。


 ちょっと前まで現代日本に生きていたボクをしても感心させられるような用途の魔道具がちょいちょいあった。

 でもさすがにパソコンのような精密機器はないようで、基本的には生活を快適にするための物がほとんどだ。

 無論この世界は魔物が蔓延る危険な場所が大半を占めるので、戦闘用の魔道具なんかも豊富にある。

 それでも日常生活で使う魔道具の種類の豊富さは半端じゃない。


 これは本格的に魔道具で賄える物は魔道具を購入すべきかもしれないね。

 気に入ったものをいくつか購入してみたけど、奴隷購入でだいぶ資金が減ってしまったのもあって、あんまり買えなかった。

 次はもっとお金を用意してからこようかな。貴重な森の恵でもボクなら採り放題集め放題だし。


 お昼はボクの希望で適当な食堂に入って済ませた。適当に選んだにしてはほどほどに美味しくて結構当たりだったことに満足して宿に戻ってチェックアウトを済ませる。

 奴隷たちのお昼は宿で手配してもらっていたので問題ない。


 さてこれでニーリウスでやることは終わりだ。

 のんびりと迷いの大森林に戻るとしましょうかね。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ