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七宝しゃこのまぁまぁ生き抜くすべと思うことを綴るシリーズ

昨日のフリマはとても勉強になりました。☆

作者: 七宝しゃこ

昨日は曇り空。

アーケードの中のフリマでも肌寒いかな!?と空を見上げつつ、必死にタクシーで兄の会社の横まで入ってもらい、荷物を抱えて往復し、出店準備。


手作りのエプロンに、鞄を肩にかけ並べて準備していて思ったのは、周囲の方のセッティングの手際のよさ。

しかも、キャンプのセットのような椅子にテーブルが並び、飾りも可愛らしい。


でも、失敗だったのは飾るための布を忘れたこと。

重たい台では持ち運べないので、小さい、通販の箱を組み立て、その上に小さいハンカチを広げ、観葉植物を乗せる小さい台を組み立て、それにテディベアを並べる。

その後ろには普通のクッションや、自分と一応両親にお試しを頼み、メールで合格点をもらった、万能クッションを固めと軟らかめのを作り、あとはピンクッションと、リカちゃん人形やブライスと言うお人形などにも可愛いだろうミニリボンや、クルミボタンを並べる。


大きなベアには、折り畳みの椅子に座らせ、自分は周囲に予備や袋などを準備して、販売開始!!


「おはようございます!!いかがですか?」


と声をかけていると、斜め後ろに広げている方と目が合い、あれ?と思うと、


「あっ!ミニチュアワンコちゃんのお店の!!夜市以来ですね。おはようございます!!」

「あぁ!!お久しぶりです。出品されるの?あら。一杯作ったのね」

「いえいえいえ……ワンコちゃんたち、今日もみんな可愛いですね~!!あぁ!!連れて帰りたい!!」

「嬉しいわ。じゃぁ頑張りましょうね」


と優しい一言に、頑張るぞ!!と思っていると、ベビーカートにしては、昔の乳母車のような……。

と、その中から小さい頭がピョコピョコと。


「おはようございます。ワンちゃん可愛いですね!!」


とにっこり笑うと、


「おはようございます。あら。これは?」


奥さんが近づいてきた。

まじまじと見ているのは、万能クッション。

取り出して、3種類を見せる。


「これは、弾力性のある綿を詰めたクッションで、こちらは柔らかい綿です。この長方形でしたら、持ち運びやすいですし、それで疲れたときに、背中に当てたり、座ったり出来ますよ。いかがですか?」

「珍しいわねぇ!!ねぇ」


旦那さんと会話をした奥さまは2つ購入していただき、初!!


「やったぁ!!売れた!!良かったよぉ!!嬉しい!!」


はしゃいじゃダメダメ!!ちゃんと売らなきゃ!!


と、声をかけて、自分のグッズのPRしつつ、お隣の方にちょっとお手洗いにと頼み、行ってぐるっと回る。


すごい!!

レベルが高い!!

帆布のバッグに革製のキーケース、占いのお店に、ぬいぐるみ!!

あのワンコちゃんのお家のお店だって、羊毛フェルトと、モールを編んだもの、そしてぬいぐるみもテーブル一杯に並んでいるのに!!

そして並べ方が綺麗!!

自分のブースが、本当に違うようで慌てて帰って入れ換え、少しでもみられるようにして声をかけ続ける。


他のお店は、


「いらっしゃいませ」


と寄ってきてくれる。

でも、中途半端の自分のお店ではダメだ。


「ピンクッションはいかがですか?テディベアのお店です。テディベアがだっこしていますよ~」

「このクッションは、腰痛が楽になります~クッションの固さを変えていますのでお好きな方はどうぞ!!」


とアピールをする。

すると、足を止めてくれる方がいて、優しそうな男性が、


「あ、キティちゃんのぬいぐるみ?」

「あ、はい。実はこれは針刺しをだっこしているんです。キティちゃんを売るのは本当はダメなので……でも、可愛いですよね。可愛がってくださる方にお譲り出来たらと思って。簡単に汚れを落とし、リボンがボロボロだったので、外してリボンを変えたりしています」


そう言うと、躊躇っていたその方が、3つのぬいぐるみを示して、


「じゃぁ、3つください!!」

「いいんですか!?」


逆に全部ほしいにビックリする。

すると、笑顔になって、


「お姉さん、本当にキティちゃんをリメイクしたり、売っている商品を大事に作ったんだなぁって……」


と言われ、涙が出そうになった。


「ありがとうございます!!」


お金を受け取り、


「ありがとうございました!!」

「こちらこそありがとう。頑張ってくださいね」


と、優しいお兄さんににっこりと笑われホッとした。

よかった!!よかった……。


予定では15時までだったのだが、皆さんはまだ売っている。

しかし、連日のギリギリまでの作業に腰が悲鳴をあげている。


私は片付けをして、周囲のお店の人に挨拶をして、受付にカードを返し、奥にあった、


「あ、あの、荷物を運ぶ台車お借りできませんか?タクシーで、三番町まで運びますので……」


と恐る恐る尋ねると、


「良いですよ。本当にお疲れさまです。いかがでしたか?」

「まだまだ未熟だな……と、もっと頑張ります!!」

「よろしかったらまた来てくださいね?さっき、自転車のおじいちゃんが、『あそこのお姉ちゃんが丁寧に言うてくれて、可愛いの選んでくれたんよ♪かわいかろう?』って、言ってましたよ」

「そうなんですか!!よかった。じゃぁ、今度は可愛いのをたくさん作っていきます」


台車で往復し、そして台車を返すと、家に帰った。


お金を計算すると、4750円を売り上げたが、2500円が出店料、タクシー……と考えるとギリギリどころか正直赤字。

でも、テディベアにぬいぐるみに、お客さんの希望の品等を書き留めて、次に繋げる。

次はもっとレベルをあげて、幅広く浅くではなく、これと決めて、作っていこうと思った。


そして、人とお話ができる、それが楽しかったことを思い出せたことも……本当に幸せだなぁと思えたのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んでいて前向きな気分になれる作品でした。 [一言] 自分で作った物を売る。正直収支的には割に合わない事が多いと思いますが、その充実感は他に代え難いものがありますよね。本当に楽しんでいた様…
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