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失敗は成功だ《壱》

「ちょ、ちょいタンマ!」


レンは両手を広げ前に出した。


「なんだと?あ、自己紹介するのを忘れてたな。我の名はユグドラシル。よし、再開だ。」


するとユグドラシルはスターティング攻撃態勢に入った。


「ま、待てよ!ホント待て!つーかユグドラシル!?世界樹なの?」


ユグドラシルは手を顎に当てて考えてから答えた。


「いや、ユグドラシルっていう名前というだけだな。うん。じゃあ始めるぞ。」


そう言ってまた、スターティング態勢に入った。


「いやいやいや!なんでそんなに俺を殺したいんだよ!?」


レンは焦りながら両手を降っていた。


ユグドラシルはまた、顎に手を当てて考えるポーズをした。


「うん・・・・・・・・・・それはだな。主が男だからだ。」


ユグドラシルは不条理過ぎる返答をした。


「主、主は我を待たせ過ぎた。その代償は重いぞ!」


そう言ってユグドラシルは指を鳴らした。すると、レンの下に紋様が浮かびあがった。紋様は回転し始めた。


「え?何?なんだよ、これ!?」


紋様の回転は速度が段々早まっていき、ある一定の速度に達した時、上方向に光が高く柱のようになった。光はすぐに消え、その真ん中にいたレンは、なんの変化もなかった。


「・・・・・・・・・・・・・・・ん?なんだ?何も変化がない・・・・・・・・・・?」


目を開けながらレンは呟いた。ユグドラシルはクスクスと笑っていた。すると、先程までの態度とは一変した。


「すまないな。流石にやり過ぎた。申しわけない。」


ユグドラシルはニコニコとしながら礼をしてきた。不気味な程にニコニコしながら。


レンは不気味さを感じながらも、その態度を信じた。


「詫びに、お前の『力』について教えてやろう。」


ユグドラシルは腕を組み、ニコニコしていた。


「ほ、本当か?というかお前、俺の力見たことあったっけ?」


「ああ、わかるぞ。」


そう言ってユグドラシルは座りこんだ。


「お前は、自分の力を使いこなせてないな。お前が使っているのは力の一つ、『魔呪転換』だ。ついでに、主が力を使った時に涙が出るのは、力をコントロール出来ていないだけだ。」


「ナニソレ?」


ユグドラシルはこのレンの態度に飽きれた。


「簡単に言えば猿真似だ。相手の魔呪を見ると、それを自分なりの原語に読解し、発動させることができる。ただし、それを覚えることはできない。」


ユグドラシルが淡々と喋っているのを見て、レンは賞賛の拍手をした。レンの目は輝いていた。当たり前だろう、自分の力を説明してくれたのだから。


「あ、あ、ありがとう!お前、変態かと思ってたけど俺の間違いだった!ありがとう!」


賞賛か、批判かわからない感想をレンはユグドラシルに述べた。


「うんうん。どういたしまして。では、これからお前の『力』の使い方を説明しよう。」


ユグドラシルは批判を軽やかによけて、レンに指を指した。


「お、おおー!どうやるんだ?」


レンの目の輝きは日光レベルに達した。ユグドラシルは眩しそうにしながら自分の指で自分の頭を叩いた。


「『想像』だ。」


「『想像』?」


そう言ってユグドラシルは立ち上がった。


「『想像』しろ。お前の力は『魔呪力石』というものでな。これは本人の想像によって異なる力を出すのだ。」


ユグドラシルは説明をし、それにレンは納得した。


「フムフムなるほど。・・・・・・・・・・よし、わかった。」


そう言ってレンは右手を前に出した。


「想像・・・・・・・・・・」


レンは静かに目を閉じた。レンの周りの空間は歪み出した。


レンは目をひらけた。


するとレンの右手には四角い、巨大な四角い岩石のようなものがついていた。紫色に輝いていた。


「さて・・・・・・・・・・と」


レンはそう言うと右手を振り抜いた。


すると紫輝く四角い岩石は砕け、レンの右手には、白く輝く大剣が握られていた。


「せい・・・・・・・・・・こう・・・・・・・・・・成功だ!よっ・・・・・・・・・・あり?なんで・・・・・俺の腕こんな細かったっけ?」


レンは自分の変化に気付いた。


「肌も白いし・・・・・・・・・・あれ?なんか声も少し高くなったような・・・・・あれ?」


大剣を持ったまま、レンは身の周りを見ていた。


ふっと、前を見ると、先ほどまでニコニコしていたユグドラシルが、とても、結構なゲスい顔であった。ユグドラシルは手を前に出した。


「アハハ、成功だ、成功だ!・・・・・いや、失敗か、即効性ではなかったか・・・・・」


「はぁ?」


高らかに笑うユグドラシルだった。


「主にかけた呪い・・・・・それはだな。」


そう言って手で顔を覆い隠すように、片眼を出すように覆い隠した。


「女子化だ!」


「・・・・・・・・・・・・・・・は?」


レンは目を丸くした。


「我は初めに言ったろう。『この世に男はいらない』と。」


「いや、そんなこと言ってないよね?」


冷静なレンのツッコミが、ユグドラシルに多大なダメージを与えた。


「いや、その・・・・・・・・・・そういうのと同じような意味のことを言った・・・・・と思うけど・・・・・」


赤面させながらユグドラシルは指を合わせ、モジモジとしていた。


「うん、わかった。だから説明どうぞ。」


レンはユグドラシルにターンを譲った。


「つまりだ。今先程、主が『力』を発揮させたことにより女子化が進んだので、これは力を使うとだんだん進んでいく呪いだな。」


レンはまたもや目が丸くなった。


「でもさ、我は最近気づいたのだ。もしもこの世から男が消えると女子は減っていくだろう。」


当たり前のことをはなしているのだが、ユグドラシルは腕を組んで頷き続けた。


「だからだ、我は思った。。男を全て、『男の娘』に変えてしまえばいいとゆうことを!この呪いは、女子化ではなく、『男の娘化』なのだ!ホントは女子化がいいんだけど、まぁ男の娘化でいいと思ったのだ!失敗は成功だ!」


ユグドラシルは高らかに笑っていたが、レンはあることを考えていた。


どうする?このままでは完全な男の娘になってしまう。・・・・・・・・・・そういや、こういう系の問題は、呪いをかけた本人を倒せば治るというオチが多いな・・・・・・・・・・


レンは自然に、攻撃態勢に入っていった。

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