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氷皇の過去と語り部《終》

「は・・・・・・・・・・!」

リオンは鼻で笑った。

「『語り手』?なんなのだそのふざけた名前は、それに能力だと?どうゆうことだ。」

リオンは疑問に思ったことをそのままレンでは無い何かに問いかけた。

そいつは腕を組み、溜息をついて話し始めた。

「ああ、そうだ。俺の能力は語り手だ。だが、今回は語りはない。」

「は?」

リオンはその答えに疑問しか出なかった。だが、そいつは話続けた。

「ま、正確に言えば語る必要がないのだ。なんせお前は重大な真実を隠している。」

「は?・・・・・な、何を言ってるんだよ?ど、どうゆうことだよ?」

リオンは動揺した。しかしここは闇の中、姿がぼんやり見えるだけで表情は見えない。

「人ってのは誰しも重大なことを隠している。だから安心しろ。」

レンでは無い何かがそこら辺をうろつきながら喋っていた。

「は・・・・・!戯れ言を・・・・・・・・・・ならば言ってみろよ、僕の真実を!」

鼻で笑っていたリオンだったが、次第に焦りが見えてきていた。

「そうかよ・・・・・・・・・・わかったよじゃあまず一つだ・・・・・性別の嘘だな。」

「!?」

レンでは無い何かはだんだんと姿が見えてきた。いや、闇が少しずつ晴れてきたのだ。

「何故・・・・・知って・・・・・いるのだ?」

リオンは震えていた。冷や汗もかいていた。

「切芭家・・・・・・・・・・昔から続く名家だな、厳格な家だったがため、男として育てられ・・・・・え?・・・・・・・・・・うわ・・・・・マジかよ」

途中で色々と私語が入ったが話は嘘偽りはなかった。現にリオンはそのような環境で育ったのだから。

「・・・・・お前が知らない真実も教えよう。お前は・・・・・今お前の両親としている二人は、

お前の両親ではない。お前の本当の両親は亡くなっている。」

「・・・・・・・・・・え?」

リオンはその話を聞いた瞬間、座り込んでしまった。その眼は涙で溢れていた。

「僕は・・・・・・・・・・これからどうすれば・・・・・」

体は震え、涙はたえず流れていた。

「は?何言ってんのあなた?これからどうするって・・・・・・・・・・はぁ・・・・・」

レンでは無い何かは溜息をついた。闇はどんどん晴れていった。

「まずは・・・・・真実を明かせよ、そっからだろ?」

「でも・・・・・・・・・・でも!」

リオンはだだをこねる子供のように嘆いていた。

「はぁ、・・・・・・・・・・お前は、ましなほうだよ。なんせお前は、世界の真実なんて・・・・・・・・・・やめておこう。とにかくだ今お前は一度踏ん切りをつけなければならないんだよ。そしたら道は見えてくる。わかったな?」

レンでは無い何かはリオンを励ました。

リオンは気持ちが少し軽くなったのだろうか、涙が止まっていた。

「わかった・・・・・」

そう言ってリオンは立ち上がった。

「そろそろ時間かな・・・・・・・・・・俺はもうすぐ消える。俺が出ていられるのは、あいつが意識を失っているとき、そして特定の魔式呪法を使った時だけだ。」

闇はどんどん晴れていき、黒い霧まで戻った。

「そういえば気になったんだけど、『世界の真実』って?」

リオンは疑問に思い質問した。レンは腕を組んで、少したってから答えた。

「今の俺では見せることはできない。あいつが自分に気付かない限りな。」

「『あいつ』?それと●●●●ってなに?あれ、何で●●●●って言えないんだ?」

リオンはレンでは無い何かが言った単語を言おうとしたが、それがうまく声にだせなかった。

闇は完全に消え、ギラギラした日光が降り注いだ。振り向くとレンではない何かもいなかった。すると歓声が上がった。その歓声の中、リオンはあることをした。それは、氷牢の解除であった。解除すると、そこにはレンが倒れていた。が、意識は戻っていた。リオンは倒れていたレンを見、観客席のほうを振り向いた。そして予想もしない言葉を発した。

「降参だ。僕の負けだ。」

ザワッと観客席が騒いだ。当たり前である。勝ちが決まった選手が、降参をしたのだから

「そして聞いてくれないか?僕の真実を。」

リオンは清々しい気持ちであった。そうだ。ここから歩めばいいんだ。と。

レンはリオンが発表をしている中、ヨレヨレと立ち上がった。そして虚ろ虚ろの意識の中、ある音を聞いていた。

「・・・・・・・・・・ぃ・・・・・ぃば・・・・・いば・・・・・・・・・・いばらはぁぁぁぁ!」

その声をレンはよく聞いてきた。だから、それが誰かもわかった。

「実は・・・・・・・・・・」

ドゴッという音が聞こえ、リオンはレンの方向をみた。レンはそこに飛んできた熊メガネに殴られ、吹き飛ばされていた。

リオンは熊メガネのこの姿を見たことがなかった。いつもメガネの状態の熊メガネを見ていたからだ。

「え?・・・・・・・・・・まさか・・・・・・・・・・鬼・・・・・」

そう言ってリオンは倒れてしまった。

レンはというと・・・・・・・・・・

また、あの白い空間にいた。すると神が出てきた。

「ゴメンゴメン、説明忘れてた。お前は魔力、呪力を使うと涙腺が崩壊する。が、酷使すると眼から血がでる。以上!」

レンは白い空間から弾き出された。まぁ意識が元に戻っただけだが。

そして、レンは壁にめり込んでおり、眼から大量の血がでていた。

「おい!何やってんだよ!」

雪が声を荒げ、熊メガネに近寄った。

「いや、その・・・・・・・・・・力加減はしたのだが・・・・・・・・・・」

熊メガネは申し訳なさそうに雪に話した。雪は声を荒げたまま

「は?何してくれてんだよこのクソ親父!」

会場は一転、静かになった。そして、全員が口を揃えてこう叫んだ。

「「「「「「「「「お前ら親子かよ!」」」」」」」」」

グチャグチャになったランク戦、リオンは気絶し、レンは貧血、過去最悪のランク戦となった。そして観客席にいた音音溜息をつきながら呟いた。

「どうすんのよ・・・・・・・・・・これ・・・・・」

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