表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

現実逃避と結果

・・・・・・・・・・

レンは死んだような目をしていた。

「夢だったといってくれよ・・・・・・・・・・」

レンは絶望にうちひかれていた。当たり前だろう。これまで文芸一筋だった人間が改めて世界を見たのだ。頭の中は文芸のことしかない人間なのだから。

レンが絶望しているとき、後ろから聞き覚えのある声がした。

「茨葉・・・・・蓮・・・・・だな?」

レンは後ろを振りかえると真っ白なコートを身にまとった人間がいた。足がないのが気になったが、レンにしたらそんなことはどうでも良かった。

「あんた・・・・・誰だ?」

レンは素っ気なく聞いた。死んだような目のまま。

「俺は神だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

レンはこの神に疑いを持ったが、神という名を聞いたとき、反射的に願いを言ってしまった。

「俺が魔法と呪式を使えるようにしてくれ!」

とても欲深い願いであった。だが、この神というやつはただ、名前が神というだけである。まぁ普通に考えて答えは

「無理」

単語が短く、内容がとても伝わりやすい言葉で神は丁寧に返事した。

レンの様子は・・・・・想像どうり、絶望に埋もれていた。

神はある質問をレンにした。

「お前、神無言と古代ヘンレル語は?」

「ナニソレ?」

レンは神の質問がよく分からなかった。だが、神はとてもひいていた。

「おま、まさか・・・・・・・・・・嘘はよくないよ?」

「いや、全然知らない」

神は大変なほどに青ざめていた。

「嘘はよくないと言ってんだろが、俺は頭の中を見れ・・・・・・・・・・」

神の口は止まった。そして目から光は消えていた。

「・・・・・・・・・・」

神はレンの肩に手を乗せた。

「諦めろ。お前に希望はない。」

神は苦笑いしながら呟いた。

レンは、先程まで諦めていたが、いきなり息を吹き返したかのように土下座をした。

「お願いします!呪いでもなんでもいいんで使えるようにしてください!」

レンの目は諦めの悪い炎が灯っていた。

「つってもなー、そんな効率のいいやつなんて・・・・・・・・・・あった。」

頭の上にビックリマークが出そうな顔をした神は、レンの右腕を掴んだ。

「今からあるものをお前につける。これによってお前は神無言と古代ヘンレル語を日本語で聞くことができ、お前が日本語で唱えたとき、それを自動的に神無言と古代ヘンレル語になる。」

神はレンの右腕に力を込めた。するとレンの右腕にアザができた。

「ふぅ・・・・・成功だ。これでお前は呪式と魔法、どちらも使える。」

レンはとてもはしゃいでいた。当たり前だ。主人公みたいな力を得たのだから。

「ありがとう!よし、帰ろう。」

「おう、気をつけてなー」

レンは、帰り道がわかるかのように走り去った。

「まぁ・・・・・大丈夫だよな。怪しいやつを使ったけど。大丈夫だよな。」

神はそう自分に言い聞かせ、消えていった。


レンは目を覚ました。目覚ましを見ると1分もたっていなかった。

「急げば間に合う!」

そう言って学校に向かって走った。校門を抜けた辺りでレンはあることを考えた。

「そうだ、試しに使ってみよう。」

そう言って辺りを見回すと教科書が落ちていた。

「ラッキー☆使おうっと。・・・・・・・・・・ホントだ読める!読めるよ!」

レンはとても興奮していた。試しに何かの・・・・・とりあえず魔法にした。

「えーと・・・・・『光城』」

日本語なら簡単だが、実際は結構難しい。

魔法を唱えるとレンの周りから光が一気に伸びた。そして城のようになったあと、天へと光は戻っていった。

「できた。できた!よっしゃ!」

レンははしゃいでいた。

レンが使ったこの魔法、とても目立つものであった。レンのところにゾロゾロと人が集まり始めた。

「おい、アイツにすごくないか?」

「あ、アイツ知ってる。こんどランク戦に出るやつだ。」

「マジか、スゲーな」

ゾロゾロ集まっていた中に雪と音音もいた。レンを見つけるとレンのところまで走っていった。

「おま、スゲーよさすがだよ!」

レンは周りに気づき、恥ずかしくなっていた。

「でもさ、質問あんだけど。」

音音はいつものように質問してきた。

「あんた、なんで泣いてんの?」

「え?」

レンは目のあたりをこすると確かに涙であった。

「ナニコレ?」

レンは疑問で仕方なかった。


「あ、あった。どれどれ・・・・・・・・・・」

神はレンに使ったものになにか副作用があったかと言う事をしらべていた。

「えーと・・・・・『これを使用したものは、魔法と呪式を自由自在に使える。ただし、涙腺にショックが走り、涙が出続ける。また、魔法、呪式の強さによって涙が出る時間も変わる』か・・・・・・・・・・まぁ大丈夫だろ。」

そう言って神は自己満足をした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ