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デス・サービス  作者: 泉紀子
1/1

death -1

ブラックコメディーです。見るひとを選びますので、御了承ください。

面白いことは保証します。

春だ。

連想ゲームをしよう。春といえば。進級、進学、新しい出逢い、桜、お花見、そして、就職。

テレビを見れば、「就職先での失敗しない自己紹介のやり方」だの、「第一印象はどうあるべきか」だの、就職特集ばかりだ。

これらの特集は、俺達フリーターにとって拷問でしかない。

そして、俺―笹山忍はたった今、バイト先をクビになったばかりである。

俺のバイト先は…いや、元バイト先か。コンビニだった。よく聞くだろ、あなたとコンビニちゃらら~ちゃんちゃん♪みたいな歌。

まぁきっかけはささいなことで。俺がレジの打ち方を覚えるのが遅い、とか。店内にモップを立て掛けておいたらお客様がスッ転んで、ヅラが取れた、とか。

で、そのヅラを踏んづけた別のお客様がスッ転んで、ヅラが取れた、とか。

このコンビニのヅラ率多くないか?とつっこむ間もなく、お客様にクレームをつけられ、クビにさせられてしまった、というわけで。

唯一の仕事先が無くなってしまった俺の落胆ぶりは、想像もできないと思う。

仕方がない、帰ってまたバイト先を見つけよう、もうこうなったら腎臓売ろうかな、と考えながら築30年のボロアパートに戻った。家賃は月5万円。なかなかのものである。

…気のせいか、俺の家の前に何かひらひらしたものがある。

なんだと思い、見てみると、…チラシだった。

「『就職先も見つからない、かといってバイト先もなかなか…そんな貴方に朗報が!!少しの労働作業だけで時給2000円でのアルバイト!ブラックバイトだな、と思った皆さん、まずはここにお電話を!!090-××××-××××』…って、時給2000円?!嘘だろ、おい…」

…罠か。何のだ。俺、誰かに恨まれるようなことしたか…?

はっ、ヅラブラザーズか?!…いや、そんなことはないはず。大体住所知らないだろ。

…何かの縁かもしれない。「だめもと」だな。

俺は、電話をかけてみることにした。

…その電話が、俺の人生を変えることになるということは、あとになってから分かる。

だが気づいたときにはもう、後には戻れない状況にあった。


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