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キミノユメ。
君は夢を見ていた。果てしなく続く、終わりのない夢。その中で君は叫んでいる。「助けて!」と……。
足掻き、苦しみ、叫んでから僕はそこに行くのだろう。君が苦しんでいるのを楽しんでいるわけではない。『行けない』のだ。“神”が許してくれない。僕と君の間に見えないバリアを作っているのだ。君の名前を叫びながら、バリアを拳で叩いた。君は僕に気付き、バリア越しに手が触れた。胸が締め付けられた。顔を涙でぐしょぐしょに濡らしながら、君は僕の名前を叫んだ。助けて、苦しいよ……。そう言った気がした。
僕は君を助けることができない。だって、君の夢の中だから……。
そこで僕は目が覚めた。汗をかいて、涙を流していた。