第9話~バル~
「ここが…」
「そうだよ?立派なモンだろう?」
道具屋をやっている男、セットとその嫁、服屋をやっているケリー。
だそうだ。
名前…この世界の人覚えにくい…
「メビウス君だっけ?珍しい服着ているね。服の店をやっている人として人としてみのがせないかな」
あぁ、そうか。こっちきてからジャージ、パーカーを着ている人は見たことない。
「ちょっと…売ってくれないかな?」
「えっ!?このパーカーは無理です!親の形見で…」
親の残してくれたものは、このパーカーとお金だけだ。
そのパーカーを、あげるわけにはいかない。
どういうわけか、このパーカーは壊れない。
不思議だなぁぐらいにしかおもってなかったけど。
「ん~それは無理だよね~じゃ、ほかのは?高く買うよ。
あっ、そうだ。その上に合う服というのはどう??装備としても使える!」
「そ、それならジャージぐらいは…」
メチャクチャ勢いに押されている。
まぁ、ジャージぐらいはいいだろう。
「ありがとうね!!さっそく中に入りなっ」
そういわれるがままに、中に入っていった。
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「うんっ似合うよ!」
「ありがとうございます。」
結構満足している。
この人はファッションセンスもかなりいいし、これがかっこいい。
装備としても使えるらしいし、このパーカーとも合う。
「これは、モンスターの素材を使っていてね。ちょっと高いのさ。」
いろいろ試着させてもらったが、どれもいい。僕では、決められないので、
結局ケリーが選んだ服にしてもらった、。
「じゃ、パーティーに戻ろうか。みんな待ってるぞ。」
「はい」
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「おうっ!まってたぞ!」
「再開だ!!」
また、さっきの活気が戻ってくる。
あれ?あそこの角にいるのは…
「ん?何を見ている?あぁ…あいつがガムだ。無愛想というか…クールというか…」
話しかけてこよう。ちょっと魔術に興味がある。
「こんにちわ。メビウス・リュウといいます。」
「ガムだ。」
う~ん。第一印象は…ちょっと…
「魔術を教えてくださるんですよね?どんなものなのですか?楽しみです。」
「魔術は、魔法より幅の広いものだとおもってくれていい。」
ん?良くわからないぞ?
「詠唱なしで、できることに幅がある。説明はこれだけだ。」
「じゃぁ、魔法より強いんですか?」
「そういう奴も、そうじゃない奴もいる。使う人しだいだ。」
そうか…僕はどっちを使うんだろう?
「メビウスは両方使うんだよ。できたほうがいいからねぇ~」
追いついたルーシーが教えてくれる。
どっちも使うのか。ちょっと嬉しい。
「これからよろしくお願いします!」
「よろしく。」
こっちを見ないで、ガムが答える。
人見知りなのかな?
「じゃぁ、ガム。私たちは、ほかのとこいくよ。」
「ん」
かなり短い会話をして、ほかのところにいく。
気になるので聞いてみよう。
「あの人は、どうしてああいう態度なんですか?」
「ん~いっていいのか…詳しいことはいえないけれど、トラウマが過去にあるってことだね。」
やはり、聞かなければ良かった。
重々しい空気になってしまう。
「じゃぁ、最後の紹介をしようか!私の娘だよ。」
空気をルーシーが変えてくれる。こういうこと上手いだよねルーシーさん。
ん?娘?
「ほら、バル。でてきな。」
ルーシーの影から、小さい女の子が出てくる。
顔はあまり、ルーシーに似ていないがかなり美人。もしかしたらルーシー以上かも…かわいい。
前の世界では可愛いと思うことがあっても恋愛には発達しなかった。
話しかけられたり、間接的にでも関わるだけで「イヤッッフォォォ!!」状態だ。
「バ、バルです。一緒に修行させてもらいます。15歳です。」
「よろしくお願いします。」
ビクビクしながら、バルが自己紹介をする。
俺…そんなに怖いかな?
「あんたよりひとつ下だね。今年15歳だから今年から修行で、あんたと同じスタートだね。
あっ。それと敬語使わないでいいよ。」
「うん。おっけー!」
「あたしにじゃなくて、バルにだよ!!この馬鹿!!こんな奴だっけ…」
タブン、テンションがあがっているんだろう。
その後、食べたり、芸を見せてもらったり、おしゃべりで、パーティを楽しく過ごした。
明日から、修行だ。
ヒロイン登場