第5話~封印されたぼく~
バキバキ
壁にひびが入る。
黒い炎が部屋の中で暴れる。
ルーシーはとっくに非難している。
ソレも理由なのか、いうことを聞かない。
竜の形が、部屋を駆け巡る。
竜…なんか、見たことあるような、ないような。
落ち着け!そんなことどうでもいい。
何とかしないと部屋が…
これを、落ち着ければチカラは俺のモンだ。
落ち着け・・・・落ち着け・・・・
う?なんか…竜が消え、魔力が落ち着いてきた。
「うぐっ…ぐわぁぁぁ!!」
チカラがこみ上げてくる。さっきまでの暴走じゃない。自分の一部に感じられる。
抑えられる。
慣れてきた。制御できる。とりあいず、抑えられる。
「手に…いれた?」
チカラを。望んだチカラを。これで、戦える。
恩返しに、元の世界に戻るために、生き残るために。
だが、まだ作業は終わりじゃない。
「よし、このハコに入りな!」
落ち着いたのを確認すると、ルーシーがすぐに出てきた。
いったいどこで見てたんだろうか?
このハコは、さっきルーシーに聞いた話じゃ、魔力を流し込んだだけなので体の中にとどめさせる。
というための作業らしい。
臓器がひとつふえるとか。
「時間がないよ。はやくしな!」
「はい!」
「いい返事だ!自信が付いたようだね」
自分では、わかんないがさっきまでと違うらしい。
さっそくハコに入って、扉をルーシーが閉める。
「ここで、一年間じっとしてな。意識は飛ぶけど、頭は動いてるから。ここの世界の知識もその一年で教えてあげるよ」
「どういうことですか?」
「まぁ、それはわかるさ。いま、【雷鳥の体液(加工済み)】をいれるね。」
うわっ。なんかどろどろしてて…スライムみたいだ。
このアイテムが高いらしい。基本的には液体、魔法を使う魔物、レア度4以上
という条件がそろえば、どんなアイテムでもおkらしい。
『我の制約を、この者に結べ。この者の魔法の契約を許可する。希望の光を与えたまえ!封』
封印呪文か。カンジからすると。
どろどろしたさっきの液体が、膨れ上がり顔のところも埋め尽くし箱の中全体にいきわたる。
息は…できる。
「じゃ、頑張ってね」
その言葉で、僕の意識はなくなった。