第4話~魔力の儀式~
魔法の修行といえば何を想像するだろうか?
たとえば、魔力を引き出すために修行などが大半だろう。
しかし、
「いろいろ準備してから、1年かかるね。1年間ずっと動けないよ。」
・・・!?っと大半の人はなるだろう。
生き残るための魔法の修行といってこんなことを言い出すのだ。
期待していたのに・・・
「そこの一年間でこの世界のこといろいろ頭に詰め込むよ。ノウは動いてるからね。おや?どうしたんだい?しんなにしょんぼりして。」
すぐ萎えた。一年間動けない+勉強・・・
考えただけでぞっとする。
「やめれ・・・ないですよね・・・」
すごい顔でみられたよ!これは・・・どんなことでもやめれなさそうだ・・・ちくしょう。最悪だ
「いまさらやめるなんて無理だね。準備代かなりかかるんだよ?払ってもらうけどね。将来。もう準備はじめちゃってるしさ」
「OH NO」
「まぁ、そういわないでよ。生き残るためなんだからさ。」
通じた。この世界では言語も同じなのか?
なんていうか・・・すごく悲しそうだ。何人もの死を目の辺りにしてきたんだろう。
だからこそ、やさしく手伝ってくれたんだ。それの恩返しは生きて、お金も返して、しかない。
畜生!そんな悲しそうな顔で見られたら・・・そんなことを考えてると思ったら・・・
覚悟を決めるしかないじゃないか。
「おっ、いい顔だね。その顔が見たかったんだよ!」
本当に嬉しそうに、笑う。
もう、僕の中に迷いはない。
話についていけなかった。現実と向き合えなかった。
しかし、そんな僕に優しくしてくれた。
表だけでも、僕に優しくしてくれた。本当は、めんどくさいとか思ってるかもしれない。
でも、タブン、あの顔は本物だ。
みたことがある。どこでかは思い出せない。思い出したくない。
「じゃ、時は金なり。善は急げ。さっそく準備もできたし、やるよ」
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ルーシー家から出て、すぐほかのときに行く。
景色は、地球と歩とんだ変わらない。
素材は似ていない。RPGよりというだけで地球とはほとんど変わらない。
そんなのも楽しむ暇もなく、すぐある場所に付く。
地下室・・・かな?
「これが・・・」
「そうだよ。ここで儀式をやるよ。ここなら、魔力が暴走してもほとんど壊れることはないからね」
話によると手順はこうらしい。大雑把に行こう。
1、魔力を僕に流す。
2、体内の魔力が、あふれ出すので収めるため特性の入れ物に入る。
3、一年間じっとお勉強。
4、一年後魔法の修行
良かった。一応魔法の修行はやるのか。
「じゃ、さっそくいくよ?」
「は、はい」
う~む、情けない
「手をパーにして、私の指に合わせて」
「こ、こうですか?」
「うん。魔力をながすよ!ちょっと痛いけど我慢ね」
え?ちょっと聞いてな・・・
う、ぐぁ、うわぁぁぁぁぁああぁぁ!?
体が熱いぃ!流れてくるのがわかる!いや、押し込まれる!?
目がおくから押される。体が拒絶しているのがわかる。やめろ!まぶたの奥から燃える。
感覚がなくなる!僕が僕でなくなる。血液が暴れる。体がいうことを聞かない。
・・・死
死ぬ。いやだ。生きるためにやったのだ。
ここで死んではいけない。
僕は一般的な男子中学生だ!荷が重い。
「うぐぅぅぅ、や・・・めて!」
「無理だよ!これくらい我慢しな!戦争に行ったらもっとつらいよ!」
さらに魔力が流れてくる。
「う、ぎゃぁぁぁああああああぁぁぁ お・・・願い・・・だ!やめ・・・て・・・くれ!」
思わず声が漏れ、意識が飛びそうになる。
こんな痛み、想像してすらいなかった。
「意識を保ちな!死ぬよ!男だろう!?」
死・・・ぬ?
死ぬといった?話が違う。
聞いてない!
「あんたが死ぬと、私も死ぬんだからね!そんなのごめんだよ!メビウス!」
ははは。もう笑うしかねぇ
あの覚悟はどこいった?部活よりぜんぜんきつい。
あれは生ぬるかったのか・・・ 比べ物にならない。
なさけねぇ。ほかの人の命まで背負って、普通の中学生じゃありえねぇ。けど、そんなの関係ない。
人が死ぬのはいやだ。記憶にないけど....昔なにかが。
無力だ。まただ。覚えてないけどまただ。
誰のためにルーシーはやった?命を懸けた?このように為ることは知っていたはずだ。
戦争・・・か。チカラを、魔法を手に入れれば、救えるのかな?人を。
だがない。僕には力がない。手に入れる。しかし、つらい。
畜生。畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生
なさけねぇ。本当になさけねぇ。
そんな自分に腹立つ。腹が立つ。
無力な自分に、むかついている。あぁ、むかつく。
ぶちん
頭で何か切れる音が。
昔から俺は切れやすい。
大喧嘩を何回したことか。
自分に切れたこともある。
今みたいなカンジだ。
やり場のない怒り。
もう、痛みはない。
こみ上げてくる。情けなさと無力さに、怒りが。
「注入完了。そろそろ非難だね。・・・頑張るんだよ」
不安そうな顔で、つぶやく。
ダイジョウブ。もう、ダイジョウブだから。
チカラ?魔力がこみ上げてくる。
歯止めが利かない。
制御不能。