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第1話~魔法、始めます!~

力を入れていこうと思います。



「う、うぅん」

 ここはどこだ? 確か・・・何してたんだっけ・・・


「おや?おきたかい?」

 っ!? 

「っ!?だ、だれですか?!」

 声が裏返る。それほどビックリした。

「いきなり失礼な子だねぇー あたしはルーシーだよ」


 それに反して、冷静でクスクス笑っている女性。


 20代くらいの女性か。なかなか美人だ。

 やせているほうで、髪は金髪、鼻が高くて、目は細い。

 いかにも日本人ではない。


「す、すいません・・・ ルーシーさん、ここはどこですか?」


 と、とりあいず状況判断だ。 う~ん 案外僕も冷静だな・・・・

 なれなれしいと自分でも思うが、優しく返してくれた。

 うれしい。怪しいと思ったが、僕のほうが怪しいだろう。


「あたしの家だよ。あんた戦場に寝てたんだからね?」


 そうか・・・いろいろ見て・・・気絶して・・・

 うっ 思い出したら気持ち悪くなった・・・


「大丈夫かい? なんか飲むかい?」


 顔色に出てたらしく、声をかけてくれた。

 ありがたい。


「うぅ・・・水お願いします・・・」

 お言葉に甘えさせてもらおう。脳裏に焼きついて・・・

「あいよ」


ぱちんっ

ぼんっ


 何食わぬ顔で、当たり前のことのように指を鳴らす

「うわっ!」

 当然驚き、思わずこれがもれる。

「な、なんだい?! 水出しただけだろうに。」

 いやいやいや・・・おかしいしょ?! 何でビックリしてんの?!


「い、いま・・・手からコップがいきなり!?」

 おかしいでしょ!何もなかったよね?

 これ・・・あ、そうか。

 ドッキリや。マジックで信じ込ませて、「はーい こっちみてー」なんていってドッキリ大成功とかかれた板を・・・


「あんた・・・魔法知らないのかい?」

 さえぎるように聞いてくる

 え?僕がおかしいように、あきれられた目で見られる。

 どうやら、ドッキリじゃないっぽい。純粋に不思議そうに首をかしげている。

「知ってますけど・・・架空の存在ですよね?」

「あんたこの時代に何いってんのさ~ 頭でも打ったかい?」


 うわぁ・・・やばい。本気で心配そうだ。僕は頭いかれているとおもわれているかも・・・

 ここは話あわせといたほうが得策かもしれない。

「あ・・・すいません」

 何もいえなかった。

 混乱していて、考えるのも難しい。

「ほれ、とにかく飲みな」

「ありがとうございます」

 本当にありがたい。

 そう思いながらすこしずつ飲みながら質問されていく。


「そういや、あんたの名前まだ聞いてないね。 なんていうんだい?」

 そういえばそうだな。

 名乗ってなかった。失礼なことをしてばっかりだ・・・

「・・・?! な、なんだっけ・・・!?」

 名乗ろうと思ったが思い出せない・・・・ ショックか、それとも後遺症か。

「あ、あんた・・・自分の名前もわからないのかい?!」

 本気でビックリしていて、う~んとうなっている。

 申し訳ない・・・

「う、う~ん」

「あんた、ちょっと魔法証明書(マジックカード)みしてみな!」

 は?何それ?おいしいの?

「ど、どうやって!?」

「それもわからないのかい?!」

 っわからんもんはわからんのじゃい!

 って心で繰り返したけど・・・むなしいだけだ。

「あんた・・・どこからきたんだい?!」

 そうだ・・・

 ここに来る前・・・

 死んだのかな・・・・卒業式で・・・落ちて・・・

 なんか・・・暗くて・・・・血?

 死んだ・・・目の前で人が・・・・

 大勢。

「卒業式で・・・落ちてきて・・・ぐるぐるなって・・・血が・・・」

 ・・・

 うまく言葉が出てこない。かなり混乱しているよ・・・

 狂ってこそはいないが、相当な精神的ダメージを受けている。


「混乱しているようだね・・・・一回休んでから話そうか」

 

 やっぱり気が利き、人の気持ちが良くわかっている。きっとどこに行っても役に立つのだろう。

 

 ある程度話したが、

 いったってルーシーさんは冷静だ。

 でも僕は・・・

 うぅ なにがなんだか・・・


「ここは魔法の世界 ”ヘルマジ”だよ」


 めまいが起きたような、くらっとした感覚に襲われる。


「ま・・・ほう?」

 

 ありえない。 RPG?夢の世界? そんなとこでなければ、絶対無い。


「そうさ!法がなきゃ生きていけないんだよ!

・・・そして・・・強くなきゃね」

 

 すごく悲しそうな顔で、付け加えた。


「強く?」


 思わずオウム返しに聞いてしまった。

 まずいことを聞いたかな・・・


「あんた・・・どこから来たんだい?こんなこと、赤子でも知っているような

ことだよ?

   ・・・魔法戦争さ あのっ 忌々しい・・・!」


「魔法戦争?」

「あぁっそうさ!この世界はどこもかしこも戦争さ!18歳以上は強制参加さ・・・ いつも死がとなりあわせ。こんな生活・・・」


 かける言葉が見つからない。

 そうか・・・ 僕がいた世界とは大きく異なる。

 まず、僕は生きていけない。


「あんた、どうするんだい?」


「ど、どうするって・・・」


「この世界で生きていくには、魔法だね。まず、使えるのかい?」



 もちろん、使えない。

 だけどこの世界で生きていくつもりもさらさらない。

 どうしたものか・・・


「使えるようにはできるよ? 辛いけどね・・・ 時間がかかるし。

でも・・・ 魔法戦争に生き残る確立は高いよ」


 


「みんなの場所に・・・戻りたい」


 思わずつぶやく。

 友達もいたし、学校も楽しく、高校も決まっていて、ワクワクの新生活!

 新しい友達。かわいい子との出会い。勉強も部活もがんばりたかった。

 なぜ・・・こんなことに?


「さっきも聞いたけど、どこから来たんだい?」


 なんていえば良いだろう・・・

 通じるのか・・・


「地球、人間・・・戦争はなかった・・・」


「地球・・・ってことは、パラレルワールドから来たんだね?

 地球だから・・・ちょっとまっておくれ。」


 そういってルーシーは本棚に向かって、本を探し始めた。

 ちょっとして”PW図鑑 最新版 ”


「......あ あったあった!

 

 ほぅ N44の世界だねだね・・・ 科学に発展していて、魔法はなし、規模は小さいほうで、いたって平和な国だね。 そして地球。

 そこであってるかい?」


 う~ん わからない。わからないが・・・あってると思う。

 Pwとはパラレルワールドだろう。


「多分・・・


 もどれますか?」


 緊張し、体がこわばる。


「方法はわからないね。でもいけないことはないと思うよ?現にあんたは来てるし・・・

近いうち、そういうものが開発されると思うね・・・」


 顔を少ししかめて。


「そうですか・・・

現段階では無理。ってことですね・・・僕は・・・」


 そういいかけたところで、さえぎるように、さっきと明らかに違う暖かいような、冷たいような・・・声が。


「あんた、生きたいかい?」と


 生きたい。けどこんな世界で・・・

 無理だ。すぐ死ぬことになるだろう。

 

「無理ですね・・・元の世界に戻ることもできない・・・

 魔法も使えない・・・ どうやっ」


「生きたいか、生きたくないか聞いてるの!

無理、無理じゃないなんか聞いてないよ!」


 いきなりでかなり驚き、きつい口調でびくっ っとなってしまった。

 ・・・・やっぱり懐かしいような。

 正直に答える。


「生きてぇよっ!みんなに会いてぇ!どんなに辛くても・・・!!」

 ちょっときつい言い方になり、敬語が崩れてしまった。


「あっ・・・すいません・・・興奮してしまいました・・・」

 泣きそうな顔かな?見ないでほしい・・・


「いや、いいんだよ。じゃぁ・・・私が、強くしてあげる!生きて帰してあげる!」

 厳しい顔をしているようで、笑っている。

 口元が緩んでいる。


 僕は覚悟を決めた。

 帰るために、みんなに会うために。

 魔法を習う。


 魔法、始めます。


 その日から僕の、生きるための日々

 戻るための地獄の日々が続いた。

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しく書かせていただいてます。

矛盾、感想、こうしたほうがいい。

ぜひぜひ、お待ちしております!

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