表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狼たちの聖域 〜最凶ヤンキー校に舞い降りた天使〜  作者: あやん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/16

三人の保護者

1. ゆうくん、包丁禁止令

入学初日の昼休み。ゆうは震える手で、コンビニの小さなおにぎりを開けようとしていた。

「……あ、あの、獅子堂くん。僕、明日から自分でお弁当作ってこようかなって……節約したいし……」


その言葉を聞いた瞬間、獅子堂の眉間が険しくなる。

「……。ゆう、お前、包丁を使うつもりか?」

「えっ、あ、はい。一応……」

「ダメだ。却下する。お前のその白くて細い指に、万が一にも傷がついたら……俺は自分を許せない」


獅子堂は真剣な顔でゆうの両手を包み込み、そのまま「明日からは俺が作る。お前は座って待っていろ」と言い放った。

「えぇっ!? し、獅子堂くんが作るの!?」

「ああ。茶道の家元は料理も嗜む。……お前に栄養のあるものを食わせたいんだ」


2. 恐怖の「お掃除(喧嘩)」タイム

放課後、校門を出ようとしたところで、他校のガラが悪い連中が待ち伏せていた。

「おいおい、盛トワのトップがガキ連れて歩いてんじゃねえよ!」


ゆうは「ひっ……!」と短い悲鳴を上げて、獅子堂の背中に隠れる。涙目でガタガタと震えるゆう。

その時、獅子堂が静かに合図を送った。


「……阿久津、羽柴。あとは任せる。**『例の処置』**をしろ」


「ウィッス、カシラ。……おい、ゆう君。こっちおいで」


現れたのは、獅子堂の側近の二人だった。


右腕・阿久津あくつ: 剃り込みの入った強面だが、実は一番の苦労人。


左腕・羽柴はしば: 糸目で常に微笑んでいるが、中身は一番ドS。


「ひいいいっ、ごめんなさい……!」

怯えるゆうの背後に羽柴が回り込み、その綺麗な指でゆうの耳をそっと塞いだ。

さらに、阿久津が前に立ち、自分の大きな身体でゆうの視界を完全に遮る。


「いいかい、ゆう君。今からお兄さんたちが『害虫駆除』をするからね。目も耳も閉じちゃってな。 終わったら、獅子堂さんが美味しいお茶を淹れてくれるから」


羽柴の優しい声が、耳を塞ぐ手の隙間から聞こえる。

直後、背後で「ギャアアア!」「待て、獅子堂ぉぉ!」という凄まじい絶叫と、鈍い打撃音が響いたが……羽柴が耳をぎゅっと押さえてくれているおかげで、ゆうには**「トントン、ポカポカ」というリズムの良い音**にしか聞こえなかった。


3. 放課後、秘密のティータイム

数分後。

「……はい、もう見ていいよ。終わったから」


阿久津が横にどくと、そこには誰もいなかった(正確には、獅子堂が全て片付けた後だった)。

獅子堂は息一つ乱さず、ゆうの手を引いて応接室(実質的な番長室)へと向かう。


そこには、アンティークなソファと、手入れの行き届いた茶道具が並んでいた。

「……ゆう、まだ震えているな」


「だ、だって……さっきの人たち、怖くて……」

「そうか。……来い」


獅子堂はゆうを自分の膝の上に座らせると、後ろから包み込むように抱きしめた。

そして、慣れた手つきで抹茶を点て始める。


「これは、俺が今朝、お前のために選んだ茶葉だ。……落ち着くまで、こうしていろ」


獅子堂の胸の鼓動が背中に伝わり、ゆうは少しずつ強張っていた体が解けていくのを感じた。

横では、阿久津と羽柴が「……完全にパパとママだな、俺ら」「しーっ、カシラの邪魔すんなよ」と小声で囁き合いながら、ゆうのために高級なマカロンを皿に並べていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ