混淆倒顛
ガラスの雨を身に受ける
痛くて血が流れる
それを遠くの方から眺める君を
私はなぜか憎めず
愛おしいと思う
先に揺れたのは瞳で次は髪
些細なことから君に出会い
そして誘い手を繋いだ
いくつもの夜は数え切れないぐらい
すっかり好きになっていたんだ
ただ黙って抱きしめた
お互いなにも言葉にしないまま
手と手が触れて確かめ合う
その息づかいにも似た慎重さが
くすぐったいほどに触れ合うたび
胸の奥で小さな火が灯る
君の指先が私の頬を辿れば
その冷たさが妙に私を落ち着かせなくする
遠い空は依然として鉛色
時々君の瞳は遥か遠くを見つめ始めだす
その奥は真っ黒くてなんだか怖く感じる
初めて疑った君のこと
ガラスの雨を身に受ける
痛くて血が流れる
それを遠くの方から眺める君を
私はなぜか憎めず
愛おしいと思う
夢のように消えるイメージを
漠然と持っていた私には
よくない想像で君を見つめてしまう
こんな色眼鏡で見てしまったら君の顔には翳りだらけ